日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

東京五輪は1年延期より中止の方が適切

2020年04月01日 09時40分15秒 | 日々雑感
 東京オリンピック・パラリンピックは新型コロナウイルスの影響をもろに食らって予定通りの開催が出来なくなった。日本側の一番恐れるのは中止であり、これを避けるために各方面の方々の努力があったようである。

 中止の場合に最大の損失を被るのは日本であり特に東京であろう。安倍首相は東京五輪を人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして完全な形で実施したいと、先月16日夜、史上初のテレビ電話による先進7カ国(G7)首脳会議で訴えたそうだ。また24日夜には、安倍首相と国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が電話で協議しほぼ1年延期することで合意したそうだ。

 東京五輪はその名前に記されるように主催は東京都であり総責任者は小池都知事である。開催に関し首相が前面に出るのは出しゃばり感もするが、延期や中止が国に与える影響もそれほど大きいのだ。

 兎も角これらの努力が功を奏し、IOCは24日には臨時の理事会で延期を承認したとのことだ。IOCは4週間かけて問題点の整理と対応策を検討し開催時期を決定するとしていたが、早くも30日には来年8月23日に開催すると決定した。今年の予定時期とほとんど同じであり、猛暑の真っただ中の開催である。口では選手ファーストと言うが最大のスポンサーである米国の放送局の意向が強く働いたと思われる。

 1年延期でも経済的な損失は大きいが中止の場合よりはマシなようだ。しかし1年後に無事開催出来る保証はない。来年の春ごろにはこのウイルス騒ぎも無事収まっているとの条件が必要である。このウイルスの特性には未知の部分が多く将来の予測は極めて困難は状況だ。しかし、収束のためには少なくとも現時点では無い特効薬やワクチンが準備されることであり、専門家は少なくとも今後1年必要とのことだ。してみると来年の今頃完備されて居れば良いがそうでないと更に延期する必要が生じ、経済的な損失は更に大きくなる。

 希望通りワクチンや特効薬が開発されて先進国における蔓延が終焉したとしても、開発途上国にまで行き届いているか懸念される。ほとんどの国が開発途上国である南アメリカやアフリカは食糧事情が悪く、衛生環境も悪い。検査施設、医療設備や医師が不足している場所がほとんどだ。

 紛争などの影響で、アフリカには1800万人以上の難民や国内避難民がいるようだが、難民キャンプのように人が密集しているところで感染者が出れば、爆発的に広がることは容易に想像できる。このような状態が発生した場合、1年位で収まるとは信じられない。この場合更に1年延期されるより、中止となるのではなかろうか。

 新型コロナウイルスの特性は十分分かっていない。今後1年程度で終焉するためには、幸運を願うしかない。例えば、通常の風邪ウイルスのように暑さに弱い特性は無いとの認識が一般的のようだが、本当はある温度以上にはからっきし弱く熱帯や亜熱帯地方では流行しないとか。

 また、普段から不衛生な環境で暮らしている人々は疾病に対する抵抗力が強い側面もあるようで、花粉症やアルツハイマー症が少ないらしい。この特性が新型コロナウイルスに対しても効果あるとなれば、全世界的に1年以内に収束することになろう。こんな思いがけない幸運が無ければ来年の開催も危ぶまれる。2020.04.01(犬賀 大好-587)