最近安倍首相の支持率が上昇しているとのことだ。理由の一つが韓国に対する強い姿勢が評価されているからだそうだ。韓国でも文在寅大統領の対日強硬路線が熱烈な支持を得ているとのことで、どの国でも対外的な強硬路線が支持を得るのだ。
文大統領は8月15日、日本による統治からの解放を記念する光復節の式典で、2045年までに北朝鮮との平和・統一の達成に向けた道筋を示し、これが達成できれば経済的にも日本を追い抜くことが出来ると主張したが、余りにも楽観的絵空事であり、日本として反論する気にもなれないであろう。
安倍政権は対韓国との外交では現時点で株を上げてはいるものの、今後の落としどころが分からない。また韓国以外の国との外交は八方ふさがりであるが余り問題視されず、ある意味文大統領に助けられているのだ。
さて、北朝鮮は今月16日、飛翔体2発を日本海に発射した。7月25日以降、6度目であるが、トランプ大統領は勝手におやりなさいの立場だ。これにより、日本が危機感を持ちイージスアショアの導入に熱心ともなれば、濡れ手に粟だ。
この飛翔体は新たな戦術地対地弾道ミサイルらしく、韓国はもっと危機感を持つべきであろうが、文大統領は朝鮮半島統一しか頭にないようだ。肝心の北朝鮮は非現実的と相手にしないが、それでも文大統領は未練たっぷりだ。
日本と韓国の不協和音、強いては日米韓の安全保障が揺らいでいるが、これ幸いと中国とロシアは揺さぶりをかけているようだ。ロシア軍の空中警戒管制機が7月23日、韓国が不法占拠する竹島周辺の日本領空を侵犯した。ロシア国防省は領空侵犯を否定しつつ、ロシア軍と中国軍の爆撃機などが初の長距離合同パトロールをしていたと発表した。
中ロ両国が軍事的連携をかつてなく強め、足並みの乱れる日米韓を揺さぶる構図が鮮明になった。中ロは新たな軍事協力協定を結ぶ計画で、今後もアジア太平洋地域で中ロが軍事的な存在感を増すだろう。この点でも日本は韓国との関係修復を早めなければならない。
対ロシア外交では、安倍首相が2島返還に譲歩したにも拘わらず、ロシアは嵩にかかって要求を強めている。すなわち、ロシアのメドベージェフ首相は2日、北方領土の択捉島を訪問し、独自に地域開発を急ぐ方針を示したようだ。
これまで北方4島の開発は日本の経済協力によるとしていたが、日本抜きで開発し実効支配を強める作戦のようだ。メドベージェフ氏は北方領土への訪問に対する日本政府の抗議について、ここは我々の領土であり、国内の訪問に他国の同意を得る必要はないと主張したそうだ。
この状態では、北方4島はロシアの支配が強まるばかりで、安倍対ロ外交政策に関しては支持率急落である。4島を取り戻すためには丸山議員の戦争によるしかないとの主張に便乗する輩も出てきそうだ。
更に、ロシアではプーチン大統領の支持率が低迷しているとのことだ。人気回復のために、日本への強硬姿勢は強まるであろう。
2019.08.21(犬賀 大好-524)