地方都市の駅前商店街がシャッター通り化している話は、耳にタコが出来るほど報道される。郊外に出来た大型店舗に客を奪われたのが主原因であるとの説明を聞くが、この大型店舗の将来も決して明るくないようだ。敵はネット通販である。
経済産業省によると、2014年の消費者向けネット取引市場は、約6.8兆円で、前年より13.5%伸びたとのことだ。我が家もいつの間にか、アマゾンの利用客になっている。インターネットで注文すると早いときには翌日に配達される。値段は手数料を入れても安い位だ。これでは個人商店はどう見ても勝ち目はない。
ニュ-ヨーク株式市場でアマゾンの株価が上昇し、企業価値を示す時価総額で、ウォルマート(Walmart)を抜いたとの報道があった。年間の売り上げ高では、ウォルマートはアマゾンの約5倍とのことであるが、市場はネット通販の将来性に軍配を上げたのだ。
また、中国のネット通販大手のアリババは、2016年の決算によると、流通総額約51.9兆円となり、ウォルマートの売上高を上回ったとのことだ。もともと人口が多い国だが、これほどネット販売が普及しているとは驚きである。
よく引用されるウォルマートは、世界最大のスーパーマーケットチェーンであり、2005年には 日本でも西友を子会社化している、世界を股にかけた企業である。その米ウォルマート・ストアーズが今年1月15日閉鎖を発表した269店舗のうち、154店が米国内の店舗だそうだ。小売りの世界の最大手の同社にとって米国内での店舗閉鎖とは異例の出来事だ。これは、顧客のインターネット通販へのシフトが加速したためだそうだ。
また、日本の家電量販店トップのヤマダ電機は、2013年4~9月期の連結最終損益が42億円の赤字だったそうだ。この原因は、販売促進のため、アマゾンなどネット通販会社の販売価格に店頭価格を合わせる措置を実施したため、儲けが縮小したことが原因のようである。
ネット販売は、店舗を構える必要なく、その人件費等の経費が不要、主要な広告はインターネット上で行うため経費は安上りなどの理由により、販売価格を低く抑えることが出来るのが最大の特長である。これを反映して、ショ-ルーミング(showrooming)なる言葉も一般化している。
ショ-ルーミングとは、店頭で家電や衣料品の品定めをして、ネット通販で買う行為を表すのだ。2012年の米企業の調査によると、アメリカ合衆国内における消費者の35パーセントが行っており、その半数は25歳から34歳であったとのことである。
最近の電子機器を使いこなせない高齢者には、ネット通販は別世界の話かも知れない。パソコンに慣れた人間でも、ようやくネット通販に馴染み始めた。スマホを片手で自由に操る世代には、当たり前の世界かも知れない。
しかも、一旦買い物をすると、好みや関心事を探り、次の購買を煽ってくる巧みな宣伝や、一旦配達された衣類や靴も体に合わなければ交換できるシステムの導入等、どんどん進化している。また、このようなソフト面の進化ばかりでなく、その流通形態もどんどん進化しているのだ。例えば、不在時の再配達や、配送の担い手不足が問題となっているが、購入者に渡す物流の末端をコンビニやマンションの管理人に託する等、様々な工夫も試みられている。更に、最近流行のドローンによる配達も試みられ始めている。足腰の不自由な高齢者や高層マンションの住民対策として、役に立ちそうである。
時代の流れは、小売店舗から大型店に、更にネット通販へと流れているようだ。これは、グローバル化、効率化と方向を一にする。流れは止められないだろう。
その昔、テレビショッピングが登場したとき、実物を見ないで買う客が居るとは信じられないと思っていた筆者には、このようなネット通販の隆盛は驚くべき現象だ。時代の流れの早さを感ずるとともに、店頭販売の生き残り策は何だろうと考え込んでしまう。
2016.05.18(犬賀 大好-234)
経済産業省によると、2014年の消費者向けネット取引市場は、約6.8兆円で、前年より13.5%伸びたとのことだ。我が家もいつの間にか、アマゾンの利用客になっている。インターネットで注文すると早いときには翌日に配達される。値段は手数料を入れても安い位だ。これでは個人商店はどう見ても勝ち目はない。
ニュ-ヨーク株式市場でアマゾンの株価が上昇し、企業価値を示す時価総額で、ウォルマート(Walmart)を抜いたとの報道があった。年間の売り上げ高では、ウォルマートはアマゾンの約5倍とのことであるが、市場はネット通販の将来性に軍配を上げたのだ。
また、中国のネット通販大手のアリババは、2016年の決算によると、流通総額約51.9兆円となり、ウォルマートの売上高を上回ったとのことだ。もともと人口が多い国だが、これほどネット販売が普及しているとは驚きである。
よく引用されるウォルマートは、世界最大のスーパーマーケットチェーンであり、2005年には 日本でも西友を子会社化している、世界を股にかけた企業である。その米ウォルマート・ストアーズが今年1月15日閉鎖を発表した269店舗のうち、154店が米国内の店舗だそうだ。小売りの世界の最大手の同社にとって米国内での店舗閉鎖とは異例の出来事だ。これは、顧客のインターネット通販へのシフトが加速したためだそうだ。
また、日本の家電量販店トップのヤマダ電機は、2013年4~9月期の連結最終損益が42億円の赤字だったそうだ。この原因は、販売促進のため、アマゾンなどネット通販会社の販売価格に店頭価格を合わせる措置を実施したため、儲けが縮小したことが原因のようである。
ネット販売は、店舗を構える必要なく、その人件費等の経費が不要、主要な広告はインターネット上で行うため経費は安上りなどの理由により、販売価格を低く抑えることが出来るのが最大の特長である。これを反映して、ショ-ルーミング(showrooming)なる言葉も一般化している。
ショ-ルーミングとは、店頭で家電や衣料品の品定めをして、ネット通販で買う行為を表すのだ。2012年の米企業の調査によると、アメリカ合衆国内における消費者の35パーセントが行っており、その半数は25歳から34歳であったとのことである。
最近の電子機器を使いこなせない高齢者には、ネット通販は別世界の話かも知れない。パソコンに慣れた人間でも、ようやくネット通販に馴染み始めた。スマホを片手で自由に操る世代には、当たり前の世界かも知れない。
しかも、一旦買い物をすると、好みや関心事を探り、次の購買を煽ってくる巧みな宣伝や、一旦配達された衣類や靴も体に合わなければ交換できるシステムの導入等、どんどん進化している。また、このようなソフト面の進化ばかりでなく、その流通形態もどんどん進化しているのだ。例えば、不在時の再配達や、配送の担い手不足が問題となっているが、購入者に渡す物流の末端をコンビニやマンションの管理人に託する等、様々な工夫も試みられている。更に、最近流行のドローンによる配達も試みられ始めている。足腰の不自由な高齢者や高層マンションの住民対策として、役に立ちそうである。
時代の流れは、小売店舗から大型店に、更にネット通販へと流れているようだ。これは、グローバル化、効率化と方向を一にする。流れは止められないだろう。
その昔、テレビショッピングが登場したとき、実物を見ないで買う客が居るとは信じられないと思っていた筆者には、このようなネット通販の隆盛は驚くべき現象だ。時代の流れの早さを感ずるとともに、店頭販売の生き残り策は何だろうと考え込んでしまう。
2016.05.18(犬賀 大好-234)