ロボットコンテストは、全国高等専門学校ロボットコンテスト、ABUロボコン(Asia-Pacific Robot Contest)やIDCロボットコンテスト(International Design Contest)が有名であるが、ついに “リアルロボットバトル”なるコンテストが登場した。このコンテストはもっと前からあったかも知れないが、12月はじめのテレビ放映で知った。
これは、人型ロボット同士を争わせ、相手を打ちのめせば勝ちと言うコンテストであり、“最先端の科学技術に情熱とチームワークの結晶“と格調高く銘打っているが、破壊の快感を映像の世界から実物の世界へと拡張させた趣味の悪い番組であった。
従来のロボコンと称する競争は、例えば球をある場所からある場所へ移す速さを競う頭脳のコンテストであった。そこには、独自の創意、工夫が勝負の決め手であった。しかし、今回の“リアルロボットバトル”では破壊を売り物にしていた。技術的な未熟さが目立ったが、資金を投入すればどんどん進化するであろうし、エンターテイメントとしては視聴率が上がるであろう。技術の追求としては面白いが、行き着く先は戦争ロボットである。
戦争ロボットと言えば、地球の裏側から操作できる無人爆撃機はイラク等で現に使用されている。また、自衛隊も参加する環太平洋合同演習リムパックには、荒地を移動できる4足歩行ロボットも登場している。このロボットは、水などの物資を運ぶ補給が役目であるが、そのうち戦闘にも直接参加し、機関銃やロケット砲を使用するであろう。急激にゲームの世界が現実化している。
従来のロボコンにおけるロボット、今回のリアルロボットおよび戦争ロボットは、技術的には繋がっており、明確に区別は出来ないところが恐ろしい。もっと大きな観点から見れば、科学技術の発展が人間に幸福をもたらすかの命題であり、単に技術の問題だけではなく、哲学的な問題でもあり、答えは簡単に見つからない。(犬賀 大好-86)
これは、人型ロボット同士を争わせ、相手を打ちのめせば勝ちと言うコンテストであり、“最先端の科学技術に情熱とチームワークの結晶“と格調高く銘打っているが、破壊の快感を映像の世界から実物の世界へと拡張させた趣味の悪い番組であった。
従来のロボコンと称する競争は、例えば球をある場所からある場所へ移す速さを競う頭脳のコンテストであった。そこには、独自の創意、工夫が勝負の決め手であった。しかし、今回の“リアルロボットバトル”では破壊を売り物にしていた。技術的な未熟さが目立ったが、資金を投入すればどんどん進化するであろうし、エンターテイメントとしては視聴率が上がるであろう。技術の追求としては面白いが、行き着く先は戦争ロボットである。
戦争ロボットと言えば、地球の裏側から操作できる無人爆撃機はイラク等で現に使用されている。また、自衛隊も参加する環太平洋合同演習リムパックには、荒地を移動できる4足歩行ロボットも登場している。このロボットは、水などの物資を運ぶ補給が役目であるが、そのうち戦闘にも直接参加し、機関銃やロケット砲を使用するであろう。急激にゲームの世界が現実化している。
従来のロボコンにおけるロボット、今回のリアルロボットおよび戦争ロボットは、技術的には繋がっており、明確に区別は出来ないところが恐ろしい。もっと大きな観点から見れば、科学技術の発展が人間に幸福をもたらすかの命題であり、単に技術の問題だけではなく、哲学的な問題でもあり、答えは簡単に見つからない。(犬賀 大好-86)