日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

オバマ大統領の悩み

2014年12月01日 09時09分45秒 | 日々雑感
 米国の中間選挙で共和党が上下両院を制し、オバマ大統領は一層窮地に陥った。主な原因はオバマ大統領の不人気とのことである。ロシアのクリミア併合、イスラム国の樹立、エボラ出血熱に対する対応等のまずさが不人気の原因である。その他、オバマ大統領は、大勢の前で演説することは得意であるが、根回し等の個人的な関係を結ぶことが苦手との論調もある。何かを決める際、根回しが重要で、会議は単なる儀式であるとのどこかの国のしきたりを思い出させ、思わず笑ってしまう。
 オバマ大統領は、移民制度改革、国民皆保険制度や経済の立て直し等で実績をあげているにも拘わらず、共和党の前述の対応の拙さを指摘する声の方が勝ったようである。多くの米国人は中道的な立場を支持するが、組織化されていないことも問題のようである。政治家に選挙で献金したり、ロビー活動する利益団体の影響力が大きく、移民制度改革や国民皆保険制度のように、それで利益を受けるどちらかと言えば貧しい層の人間は政治活動する余裕など無いであろう。この点オバマ大統領も気の毒である。
 また、クリミア併合やイスラム国への対応に軍事的に強腰に出なかったのも、アフガニスタンやイラクでの経験があるためであり、国の貧困問題や国内の宗教的対立等の抜本的な解決が無ければ、軍事力で一時的に勝ったところで、元の木阿弥になることを十分承知しているためではなかろうか。
“経済がうまくいけばすべてがうまくいく“と言った調子の日本と異なり、世界の指導者として頼られるオバマ大統領には大いに同情する余地がある。しかし、オバマ大統領はノーベル平和賞を受賞した。ヨーロッパでの核廃絶に関する演説が評価されたようである。核廃絶に関しては問題が大き過ぎるため、受賞を断るであろうと思っていたが、躊躇いなく賞を受けたようである。受賞したからには何か策があるに違いないと期待していたが、全くその動きはない。これにはがっかりさせられる。(犬賀 大好-79)