日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

アベノミックスと株高

2014年12月19日 10時21分51秒 | 日々雑感
 アベノミックスの成果の一つは株高にある。日経平均は2年前の政権発足当時に比べて8000円近く上昇した(12月9日現在)。成長戦略が軌道に乗ったとの話は聞かないが、なぜ株高なのかよくわからない。原因のひとつは日銀の国債買取により、資金が市場にあふれて株に向かっているとのことだ。
 しかし、株高で恩恵を受けやすいのは外国人投資家だ。円安で日本株を買いやすくなっていることが背景にある。今年3月末のすべての国内株式のうち外国人の保有比率(時価総額ベース)で、3割を始めて超えたようだ。一方、国内の個人投資家は18.7%とのことである。折角の株高も日本人の2割弱のみが個人的な恩恵を受けるが、国民全体には関係ないことだ。株高により会社の資産が増えればそのうち個人にもお金が回ると政府は説明するが、その時期はいつになるか分からない。永久に来ないかも知れない。
 外国人投資家は、儲かるとなると投資するが、損となると一斉にお金を引き上げる。過去に開発途上国のいくつかが、米国の金融政策の変更に伴って国家的規模の大打撃を受けた。12月10日、日経平均が約400円暴落した。この原因も、中国やギリシャにあるとのことだ。日銀の黒田総裁は、日本の金融政策はコントロール可能と胸を張るが、中国やギリシャの影響をもろに受けるようでは、むなしく響くばかりである。
 個人で株を持っている人は、余裕のある一部に限られている。昨年8~9月の時点で株式を持っている人は国民の約11%だそうだ。この点で、アベノミックスは株に関しては間違いなく格差を助長している。預貯金や株式などの金融資産を1億円以上持っている世帯が100万を超える一方で、生活保護を受ける世帯は160万を越したとのことだ。安倍首相の言う “古き良き日本を取り戻す”の日本は格差の少ない日本ではないかと思うが。(犬賀 大好-85)