森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

イオラニ宮殿の勉強会で学んだこと

2019年01月22日 | ハワイアナ


今日はイオラニ宮殿での勉強会でした。ハワイ大学の教授をゲストに招いてのセミナーやディスカッションなど、とっても勉強になりました~。

学んだことはたくさんありますが、知って驚いたこともいろいろ。たとえば。先週の1月17日はハワイ王国が倒れた日であり、宮殿の庭でもイベントがあったことはすでにお伝えしましたね。今日知ったのですが、ハワイ王国が倒れたその出来事を「革命」と呼ぶのは適切ではないそうです。革命(Revolution)ではなく、転覆された(Overthrown)というのが正解だそうです。

というのは、革命というのは民衆が主導して政府を倒すことですが、ハワイ王国の場合は事情が違いました。少数、でも強大な力を持っていた白人勢力が、武力の脅しで王国を倒したのですよね。その白人たちの中には、もちろんハワイ王国市民もいましたが、そうでなかった人が多かったのです。

なのでこの場合、革命ではなく王朝転覆という形容が正しいそうです。…私も過去、ハワイ王国が革命で倒れ…なんていう表現をしていましたが、大反省! いやあ、この点だけとっても勉強になりました。

もう一つ聞いて驚いたのは、ある宮殿のスタッフが教えてくれたこんなお話です。その方は1月17日、ハワイの王朝転覆の日に「今日の人出は何なの? 何かイベントがあるの?」と旅行客に聞かれ、「今日はハワイ王国の転覆から126年目なのです」と答えたそう。すると旅行者は、「やあ、じゃあ今日はお祝いなんだね」と言ったとか。ガーン!

…ハワイの悲しい歴史を知らないとはいえ、なんてこと言うのでしょう。

さらにその話を受けて、ほかのスタッフが言っていたのがこれ! 「リリウオカラニ女王は、民衆に厭われて王座を追われたのだ、と信じるアメリカ人けっこういるのよ」。その話にも一同、口をあんぐりでした。今でもリリウオカラニ女王は、ハワイの人々の敬愛の対象なのですがね…。

そして今日の勉強会での結論として、そんな信じられない発言を受けても、私たちは声を荒げるのではなく、冷静に事実を訪問客の皆さんに伝え続けていきましょう、ということでした。そうですよね。リリウオカラニ女王のモットーのように、「Onipa’a(不動、不屈の精神)」で、私たちはやっていかなければいけませんね…。どんな驚きの発言を耳にしようとも!

以上、楽しく、そしていろいろなことを考えさせられた、宮殿での勉強会でした。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 皆既月食@ハワイ | トップ | ハワイの困った?警官事情 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
転覆 (tomy)
2019-01-24 11:43:59
同じような思いをした国の人間にしか
なかなか理解されないのかもしれませんね!
ハワイアンの尊厳を踏みにじられ
屈服させられるなんて
「お祝い」なんて口が裂けても言えませんー。
残念ながらそんな観光客は私の周りにもいますので
JUNさんのお話、大変助かります。。。
返信する
Unknown (JUN)
2019-01-25 03:48:07
トミーさん、ALOHA!
本当に。アメリカ人は、世界中の国がアメリカの一部になりたがっているかのような勘違い、しているのかもしれませんよ。
この手の誤解は正直、ある日本人の方にも感じたことがあるのです。
「TVで観たけれど、ハワイ王国はアメリカの一部になるよりはむしろ日本の一部になりたかったそうですね」って言われて愕然!
これ以上は言いますまいが、たまに溜息が出ます…。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ハワイアナ」カテゴリの最新記事