腕にヨリをかけて、ヨリを戻す、今は目にする機会も少ない『こより』のヨリ(撚り)
お蚕さんの吐き出すシルクもわたを紡ぐ綿糸や羊の毛糸も
“ヨリ”を掛けられてこそ扱いやすく丈夫で美しい
「糸・紐・綱・縄・ロープ」になります。
稲わらや草木など自然界にある天然繊維のほか
強度耐性の高い化学繊維や金属をふくめ素材もさまざま。
撚りのかかった糸紐が組み合わさって
より太く丈夫な綱・縄・ロープになるのですが
撚り数、撚りの向き(左右)、撚った糸の組み合わせなどにより
風合いや肌触り、光沢も伸縮性もちがう多種多様な製品になるとか…
身の回りのヒモ類もつい「どっち撚り?」と目を凝らしてみれば
慣れ親しんだ『くらふとバンド』はコヨリが互い違いに接着してありました。
正月に飾る「注連縄(しめなわ)」は自然の産物である稲藁を
“縄に結い道具化する”行為を神聖の証とし奉るのだそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/60/7b9b21d59ae40fd795f13136ad2de134.jpg)
穂が着く前の稲を刈って青さを損ねないよう保管
干した葉や茎をしめらせ丁寧にワラ打ちし
手のひらですり併せ撚りをかけつつ
互いに撚りあわすのが縄綯い。
最近の高級しめ縄は
「フラワーコンシェルジェ」作となってて驚きです。
『縄』と『綱』の違いはと問えば
縛るか引くか繋ぐかの使い道の違いとか太さの違いとか
納得のいく確かな仕分けも見当たらず
所有権を主張する『縄張り』、捕り物帖の『お縄』
プロレスのロープ・ブレイク
ボクシングのロープ・ダウン
縄綱ロープをめぐる用語や
まつわる話ウンチクは数多くありそうです。
船舶を陸につなぐモノは
係留ロープ、舫いロープ、ともづなとも呼ばれ
容赦ない太陽紫外線と風雨塩害に
年がら年中さらされ酷使されています。
ウチのもそろそろ換え時と
丈夫なナイロン製8つ打ちロープを準備
舫いやすいよう片端を輪にする方法を教えていただきました。
左右しっかり撚りの掛かった
8本のヒモがうねうねと組まれ
太さ16㍉にもなった頑丈なロープを
いったんほぐし再度差し込んでアイ加工。
うら若き先生の懇切丁寧な解説にもかかわらず
額に8を寄せ汗をかき
8つ当たり気味に綱と格闘する講習会はタダナラヌ雰囲気
周囲からは岡目8目やんやの助言声援その他
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/b2/fc16c794549e1084fbf5b538105c2c8f.jpg)
ようやくできあがったごっついアイスプライスに
喜びひとしお、教えていただいた女史に感謝深謝です
“擦れ止め”のラインガードに艇名までいれて
初の自家製舫いロープに“思い入れ”たっぷり
船の舫いは固定や保護、安全確保のためであり
けっして愛艇のなわばりや
所有権を主張するためのモノではありません
大海に向けて“ともづなを解く”のはいつのことでしょう。(R)