年末に神棚を片付けたらでてきた財賀寺の古い“おまもり”、
「そうだ、お礼参りに行こう」。
財賀寺(724年開創)は調べるほどなかなか由緒正しき古刹で、
仁王門と日本最古とも言われる金剛力士2体が重要文化財指定。
寺所蔵の古文書には「行基」「源頼朝」から
「今川義元」「徳川家康」の名があるとか・・・
こんなところになんで?と思うほど意外な場所です。
豊川市にある“観音山”は標高JUST400㍍、
山頂は元々「財賀寺」本堂が建っていたところで今回3回目のアタック。
国道1号線「赤坂」から離れてのどかな田舎道をしばらく走り、
「財賀寺」の案内板を過ぎるとにわかに太い檜の木立に囲まれ、
わが目を疑うほど山奥の体となります。
3㍍を越す“阿吽形”に出迎えられ
まずは本堂まで延々と登り階段。
今回膝の粗?荒治療も兼ね、
ゆっくりじっくり踏みしめながらの歩行、
熊除け鈴と登山ステッキも忘れずに。
山道両脇にはシーズンになるとギョリンソウが鑑賞できるそうで、
しかも珍しい桃色“胞子”の舞うその幽玄な景色の話を
地元の方が教えてくれました。
金剛力士像が国宝に格上げされるかもしれないというおまけ情報付き。
本堂にお参りし鐘楼でおもいっきりゴ~ンと撞いていよいよ登山道に進みます。
山の懐部にあたる境内では治まっていた強風が、
自然道をつたって一旦尾根に出ると常緑の木葉を嘗め尽くすように裏返して
吹き渡っていました。
勾配のきつさに少し喘ぎながら、
くしゅっくしゅっと朴の葉や笹の葉の絨毯を踏み歩き、
ようやく開けたところにでると眼下に豊川、蒲郡の街並みがくっきり
ここは展望の良さで県内屈指。
ここから更に10分ほど、
“がに股”し様で一歩一歩高さを稼ぐように登りつめると“観音山”頂上です。
マリーナで馴染んだ三河湾がそこにあり、
いつもは波に翻弄されてる海上が
陽光に映えて静かに横たわり、
遠く西浦半島や渥美半島まで見渡せます。
展望所に戻り遅い昼食をとって急ぎ下山、
文殊堂へ当初の目的のお札を納めにまいりましょう。
行きはよいよい帰りもよいよい、久しぶりのランブリングで膝は痛まず。
心のつかえが取れたような気分に、
帰路車中で舟を漕いでしまった私です。(R)