じりじり焼け付く肌を気にしながら、答志島北側の舟越浦から南の和具へ徒歩で縦断。
のぼりくだりとおよそ30分も歩いてようやくたどり着いた展望温泉『寿々波』。
眼下には漁船で埋め尽くされた和具港がくっきりみえます。
おもいっきり潮も汗も流し、 空腹を抱えてロビーで佇むこと30分。
待てど暮らせど一向に出てこない男性軍にやきもき。
聴けば男湯からは神島、伊良湖に太平洋と景色に格段の差がついていたようで、
至福の時を過ごせて何より。
いよいよお約束二つ目。
温泉お向かいの店『大春』。「とりあえずビール」と、正しい日本人の注文をして待つこと3分。
一品目に出てきたアテがサザエ。
洒落て言えば“サザエの冷製”とでも言いましょうか…
ひんやりつるりの磯風味が身を震わせるほどの美味しさ。
そして私を一番魅了したのは『鰆の刺身』
舌にのせ、まったりとした食感を楽しんでいるうちに
口の中に広がる脂肪がとてもフルーティー。初めての味覚です。
“自分へのご褒美”という言葉は好きではありませんが、
時間と労力を費やしてようやくたどり着いた末のこの料理は、報奨品と言えなくもありません。
荒波から守られつつも豊かでありうる特異な漁場なのかと思えます。
〆のすし桶は瞬く間に空になり、お腹の中はまさに竜宮城化していました。
ごちそうさま。
船に戻る道は、ほろ酔いと充実感で足どり軽く、秋の虫の声が心地よく聞こえます。
あっという間の一日の終わり、眠るのが惜しいくらいステキな夜が更けていきます。
まだ、つづく・・・(R)