辺境の地を旅する著名なエッセイストが
名も知らぬ国に行っては
かつおぶしを 『味の木』 と原住民に教えつつ
和食の真価とも思える
カツオ、昆布、シイタケ等のダシを讃嘆しています。
魚介のブイヤベースや肉野菜を煮込んだポトフなど
素材から生まれるソノ旨みではなく
干した昆布やシイタケ、蒸したりカビ漬ける
サバいわしカツオむろあじアゴ等々
和風だしとして好まれる独特のウマミは
他国に値するもののない
日本固有の食文化であると力説する
かの方は“化学調味料嫌い”。
うどん屋さんからただよう
“だしと醤油のあいまった”ツユのかぐわしさは
郷愁にも似た国民的慕情をかき立て
とくに疲労時にその系統のダシを
カラダが欲するように思います。
「名古屋はヨソでは使われない
“むろぶし”のダシが売れるんだよ」と
焼津の水産加工業者の方に伺いました。
素麺の似合う季節、常備つゆ用の
いつもの“ダシ”を買いに出かけたら
あるはずのコーナーに
“品切れ 入荷待ち”のお詫び札。
手に入らないと想いは募り、
更に要求度が増してしまいます。(R)