で、ロードショーでは、どうでしょう? 第2132回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『ザ・コントラクター』
膝の怪我でクビになった元特殊部隊員が民間軍事会社の仕事に就くサスペンス・アクション。
主演は、『スター・トレック』、『ワンダーウーマン』のクリス・パイン。
共演は、ベン・フォスター、キーファー・サザーランド。
監督は、タリク・サレー。
スウェーデン出身で、本作が初の英語作品。
物語。
ジェームズは、軍事任務での負傷に膝の怪我を負ってしまったことで、特殊部隊の継続の審査を受けることになった。長年忠誠を尽くしてきた国家に使い捨てにされ、経済的にも苦しくなり、妻子を抱えて途方に暮れてしまう。
そこで彼は、知人で元上官マイクに嫌っていた民間軍事会社の仕事を紹介してもらう。
それは、妻が嫌がった少し危険な任務になるかもしれない。
脚本:J・P・デイヴィス
出演。
クリス・パイン (ジェームス)
ベン・フォスター (マイク)
ジリアン・ジェイコブス (ブリアン)
サンダー・トーマス (ジャック)
エディ・マーサン (ヴァージル)
J・D・パルド (エリック)
フロリアン・ムンテアヌ (カウフマン)
キーファー・サザーランド (ラスティ)
タイナー・ラッシング (クリスティーン)
ニコラス・ノービット (マイク Jr.)
トビー・ディクソン (幼いジェームズ)
ディーン・アシュトン (ジェームズの父)
スタッフ。
製作:ベイジル・イヴァニク、エリカ・リー
撮影:ピエール・エイム
プロダクションデザイン:ローゲル・ローセンベリ
衣装デザイン:ルイーゼ・ニッセン
編集:タイス・シュミット
音楽:アレックス・ベルチャー
音楽監修:ケヴィン・エデルマン
『ザ・コントラクター』を鑑賞。
現代アメリカ、膝の怪我を抱えた元特殊部隊員が民間軍事会社の仕事に就くサスペンス・アクション。
激渋展開で、兵士の日常と派手目のアクションへと展開していく。
大人のビターなジャンル映画。こういう男の背中で語るB級アクションは好物なんです。
何がいいって、ミッションの地味さ、そして、傷を無いことにしないところ。ちょっとしたものが障害になる描写とかもいいです。
監督のタリク・サレーはスウェーデン出身のアラブ系で、初の英語作品をいぶし銀の内容でまとめた。米のテレビシリーズなど(『ウエストワールド』他)を手掛けたのちに今作でアメリカ映画界に殴り込み。脚本のJ・P・デイヴィスは俳優と脚本家の二足の草鞋だったが、ここにきて、花開き『PLANE』が待機中。実に渋い話を丁寧に、後半はやや派手目に。
スカッとしたい方には全くオススメ出来ないです。主人公が膝の怪我で実力はあるのに動けなくなった元特殊部隊の男ですからね。注射打ってようやく足を動かしてる状態。でも、妻子のためにそれしかできない仕事に就く。しかも、親もアメリカの闇を感じさせるんですもの。
『スター・トレック』や『ワンダーウーマン』のクリス・パインが、アメリカの闇を抱えた男を堅実につくり上げる。ベン・フォスターの存在感が映画に骨を与える。エディ・マーサンが短いシーンながら、このドラマを抽出して薫らせる。キーファー・サザーランドがどこに出ているか、いい感じで潜んでます。
さらっと描かれるけど重めの4つの親子のドラマがいいのよ。
涙は心で零します、だって泣いていたら照準が外れるからね。
無慈悲に死んでいく死に方がいい。
銃撃戦もいいけど、相手を止めることを考えた最小限のバトルもいい。
でも、足も心も痛いのよね。
ラストの甘さを演出でさくっとさせているのも好み。
職業軍人の悲哀。プロ同士の瞬間の理解し合い、あのトンネルの中のバトルは泣けます。
世界と家庭は隣り合わせの膝作。
おまけ。
原題は、『THE CONTRACTOR』。
『請負業者』。
2022年の作品。
製作国:アメリカ
上映時間:104分
配給:クロックワークス
監督のタリク・サレーは次の『Walad Min Al Janna』がすごく評価高いのよね。
ネタバレ。
好みのセリフ。
「殺すのは簡単ですが、生き残るのは難しいです」
「国家安全の名目で、悪事は黙認される」