菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

キミからはどう見える? 『ゴッホ 最期の手紙』

2017年11月18日 00時00分12秒 | 映画(公開映画)

で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1189回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

 

『ゴッホ 最期の手紙』

 

 

 

 

 

天才画家フィンセント・ファン・ゴッホの謎に包まれた死の真相に迫る、全編“動く油絵”のみで構成された異色のアート・アニメーションにょるミステリー・ドラマ。

 

本作はダグラス・ブース、シアーシャ・ローナン、クリス・オダウドをはじめとする一流キャストが実際にゴッホの絵のモデルにもなっている登場人物たちを演じ、その実写映像を基に、総勢125人の画家たちがゴッホのタッチを模して描いた6万枚以上もの油絵を使用してアニメーション化された。

 

監督は、共に本作が初の長編作品となるドロタ・コビエラとヒュー・ウェルチマン。

実生活でもパートナーだそう。

ドロタ・コビエラは画家でもあり、最初は短編の予定だったので自分で全部描くつもりだったそう。

 

 


物語。

1891年、夏。南フランスのアルル。

無職で呑んだくれ青年のアルマン・ルーランは郵便配達人の父ジョゼフから1通の手紙を託される。それは、父の友人で1年ほど前に自殺したオランダ人画家フィンセント・ファン・ゴッホが弟テオに宛てた最期の手紙だった。

彼は、たびたび問題を起こして村の厄介者だと思っていた画家のことを大切な友人だと思う父の気持ちを知り、テオを捜し、画家の住んでいたパリの町へと向かった。

それは、画家ゴッホの死の真相を探索する旅となることも知らずに。

 

脚本は、ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン、ヤツェク・デネル。

 

 

 

 

出演。(※アニメですが撮影された映像を基にロト・スコープで制作されたので)

ダグラス・ブースが、アルマン・ルーラン。

ロベルト・グラチークが、フィンセント・ファン・ゴッホ。

クリス・オダウドが、アルマンの父の郵便配達人ジョゼフ・ルーラン。

 

エレノア・トムリンソンが、宿の娘のアドリアーヌ・ラヴー。

ジェローム・フリンが、ガシェ医師。
シアーシャ・ローナンが、医師の娘のマルグリット・ガシェ。

ヘレン・マックロリーが、ルイーズ・シュヴァリエ。
ピョートル・パムワが、ポール・ゴーギャン。
ジョン・セッションズが、画材屋のタンギー爺さん。

エイダン・ターナーが、貸しボート屋。

 

 

 

 

 

 

スタッフ。

製作は、ヒュー・ウェルチマン、ショーン・ボビット、イヴァン・マクタガード。
製作総指揮は、クローディア・ブリュームフーバー、ガード・シェパーズ、イアン・ハッチンソン、シャーロッテ・ウベン、ラウリー・ウベン、エドヴァルト・ノルトナー、デヴィッド・パーフィット。

 

撮影は、トリスタン・オリヴァー、ウカシュ・ジャル。

編集は、ユスティナ・ヴィエルシンスカ、ドロタ・コビエラ。

音楽は、クリント・マンセル。

 

 

 

ゴッホの死後1年、最期の手紙を預かった青年が死の真相に迫るミステリー・ドラマ。
世界初のかの画家のタッチによる油絵でのアニメーション。(回想シーンはあえてリアルタッチになっている)
この映画史上でも時間がかかる制作方法はただ見ているだけで震えがくる。
3Dを超えた圧倒的な2D感に陶酔感すら覚える。投影ではなくそこに置かれたスクリーンという額を見ているかのよう。
その独特の画風や色彩に対して回想の白黒写実風が心地よくバランスをとる。
その手法が、丁寧なストーリーと噛み合い、一人の青年が無名で死去した画家の心の中を旅していく構造と融合している。
映画と絵画の幸せな邂逅を浴びる画作。

 

 

 

 

おまけ。 

原題は、『LOVING VINCENT』。

『愛するフィンセント』ですね。

 

 

 

 


上映時間は、96分。
製作国は、イギリス/ポーランド。
映倫は、G。

 

 


キャッチコピーは、「愛か、狂気か。」「世界初、全編が動く油絵で構成される珠玉のアートサスペンス映画」「ファン・ゴッホの名画の数々が彼自身の死の真相再構築する――」。

 

 

 

 

吹替版の声の出演。

アルマン・ルーランが、山田孝之。

 

 

 

 

 

ここまでスクリーンの面を意識したのはデレク・ジャーマンの『BLUE ブルー』以来だ。
絵を見たいので、字幕版より吹き替え版を見たかったが、都内では上映してなかった。回収のためにオリジナルも英語でフランス語ではないしね。ただ、TOHO上野の音響がよかったのでそこは満足。(現在はTOHO上野では吹替版を上映中)

上野ではちょうどゴッホ展も開催しているので、続けて観るのも一興。
  
共同監督のドロタ・コビエラは画家でもあり、最初は短編の予定だったので自分で全部描くつもりだったそう。 
 
最近、音楽偉人映画に並んで芸術家偉人映画も増えましたね。近年でもターナー、北斎と応為、エゴン・シーレ、セザンヌ、ロダンの映画がありました。
今作はアナログ手法だが、ソフトを作り、有名画家のタッチでのアニメってのが今後作られるようになるかも。

 

 

 

音楽偉人の伝記映画に続いて、アートの偉人映画が増えている。

ここ数年の作でも、ターナー、シーレ、セザンヌ、ゴーギャン、ダリ、ゴヤ、ジャコメッティの作品がつくられた。

そういえば、『ブリューゲルの動く絵』(2011)なんてのもありましたね。

写真家の映画も増えているんだけど、こちらはもっぱらドキュメンタリー。

デニス・ストックを描いた『ディーン、君がいた瞬間』もどちらかというとジェームズ・ディーンの伝記映画だし。

 

 

ロトスコープは、実写をなぞってアニメ化する技法。

今回は、特別なソフトで、キャンバスに実写を糖衣してそれを油絵化していったそう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ。

当時は無名の画家ゴッホの謎を解き明かす、無名の青年の成長を重ねて、探偵ものとして描いている。

非常に道徳的な話になっている。

 

 

 

 

 

 

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