で、ロードショーでは、どうでしょう? 第2073回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『炎の少女チャーリー』(2022)
パイロキネシス(自然発火)能力を持つ少女が父と母と、秘密組織から逃れようとするアクション・スリラー。
1984年にもドリュー・バリモア主演で映画化されヒットしたスティーヴン・キングの傑作スリラー小説『ファイアスターター』をブラムハウス製作で再映画化。
主演は、ザック・エフロン、ライアン・キーラ・アームストロング。
監督は、『ザ・ヴィジル~夜伽~』のキース・トーマス。
物語。
アンディとヴィッキーの娘チャーリーは生まれながらにパイロキネシスという特殊な能力を持っていた。
時が経ち、10才となったチャーリーは、感情が激しく揺れ動き、自らの能力をコントロールできず、苦しんでいた。
政府の秘密組織“ザ・ショップ”がチャーリーの両親アンディとヴィッキーを長年追っていた。
原作:スティーヴン・キング 『ファイアスターター』
脚本:スコット・ティームズ
出演。
ライアン・キーラ・アームストロング (チャーリー・マッギー)
ザック・エフロン (アンディ・マッギー)
シドニー・レモン (ヴィッキー・マッギー)
マイケル・グレイアイズ (レインバード)
カートウッド・スミス (ドクター・ジョセフ・ワンレス)
グロリア・ルーベン (キャプテン・ホリスター)
ジョン・ビーズリー (アーヴ)
ティナ・ジャン (ミズ・ガードナー)
スタッフ。
製作:ジェイソン・ブラム、アキヴァ・ゴールズマン
製作総指揮:ライアン・テュレック、グレゴリー・レッサンズ、スコット・ティームズ、マーサ・デ・ラウレンティス、J・D・リフシッツ、ラファエル・マーグレス
撮影:カリム・ハッセン
プロダクションデザイン:ゾーシャ・マッケンジー
衣装デザイン:アーリーン・ギルモア
編集:ティモシー・アルヴァーソン
音楽:ジョン・カーペンター、コディ・カーペンター、ダニエル・A・デイヴィーズ
『炎の少女チャーリー』(2022)を鑑賞。
現代アメリカ、少女が発火能力を制御しようとするアクション・スリラー。
スティーヴン・キングの傑作スリラー小説『ファイアスターター』をブラムハウス製作がリメイク。
1984年にドリュー・バリモア主演で映画化されてヒットしている。が、それもあまり出来が良かったとは言えないが、その当時としては、炎の表現が凄かったので、さて、それをどうCGで声、ホラーテイストを強めたのかしらと楽しみに行ったものの、前よりも予算があからさまに少なくなっているのが分かる。描写も死体はしっかりと描くが、やられ描写は少ない日本映画的な手法。どうやら、これは児童向けホラー映画にしたてたのね。なので、そっちにかなり舵を切って脚色されている。そのせいで、だいぶはしょられたダイジェスト的な内容になっている。短い時間で色々入れ過ぎ。
でも、まぁ、こういうがっつり超能力ものを子供に見せようとしているのは、未来を見ている証拠でもあるので、応援したくはなる。放り投げ方とかラストの唐突感が80年代とかの小品に似ていて、ちょっと郷愁を感じたり。
監督は、『ザ・ヴィジル~夜伽~』のキース・トーマス。技術はあるんですけどね。
ザック・エフロンは手を抜かず、けっこういい芝居してます。ライアン・キーラ・アームストロングも頑張ってます。ジョン・ビーズリーが変化が多い役で巧みさが光ります。お芝居的な見どころは少ないです。
現代の新しい技術で、炎祭りを見たかったのに、後半までけっこう我慢です。
でも、主人公を大人が喜ぶいい子にしなかったのは、児童向けホラーとしていいとこ。猫はかわいそうだったね。
児童向けホラーは推していきます。未来に映画を続けるためにも。
モンタージュで処理されちゃいますけど、研究所時代が見たかったなぁ。
95分なので、テレビスペシャル感がどうしてもありますけど、テレビでこれはやれませんしね。これ、ミニシリーズで前後編だったら、よかったのかもね。
音楽がジョン・カーペンターチームなので、さらに80年代感で、妙になじみます。
最後の展開はけっこう好みなだけに驚きではなく丁寧にやって欲しかったな。
マーサ・デ・ラウレンティスの遺作です。
やや暗めの撮影なので、映画館には合いました。炎も映えるしね。
少女と火のマリアージュな眼作。
おまけ。
原題は、『FIRESTARTER』。
『発火者』。
2022年の作品。
製作国:アメリカ
上映時間:95分
映倫:G
配給:東宝東和
ダニエル・A・デイヴィーズも、ジョンの息子で、カーペンター一族です。
1984年のプロデューサーのディノ・デ・ラウレンティスの妻でプロデューサーのマーサ・デ・ラウレンティスの遺作でもある。1984年版では製作補でした。
『炎の少女チャーリー:REBORN』(2002)というのもあったり。大人になったチャーリーを描く前後編のTVミニシリーズで、168分。
主演はマーガリー・トモローで、デニス・ホッパーやマルコムマクダウェルが共演。
ジョン・カーペンターは、実は、1984年時には、『炎の少女チャーリー』の監督になる予定でしたが、その前の映画『遊星からの物体X』(1982)が興行的にはあまり奮わなかったので降ろされたが、『クリスティーン』(1983)を監督することになった。