菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

写ったら死ぬ謎を解く。 『ポラロイド』

2019年08月01日 00時00分30秒 | 映画(公開映画)

ポラロイドで、ロードショーでは、どうでしょう? 第1553回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

 

『ポラロイド』

  

 

 

偶然、手に入れた古いポラロイドカメラに写された人物が次々と謎の死を遂げる恐怖に立ち向かうホラー・サスペンス。

 

主演は、TV『Skins - スキンズ』のキャスリン・プレスコット。

 

 

監督は、リブート版『チャイルド・プレイ』に抜擢され、注目を集めるノルウェー出身の新鋭ラース・クレヴバーグ。
今作の日本での急な公開も『チャイルド・プレイ』(2019)の公開に合わせてですね。
今作が長編デビュー長編。

 

 

 

物語。

アナログのカメラが好きな女子高生バードは、いつもスカーフをしている。
バイト先のアンティークショップで、同僚でクラスメイトのタイラーから掘り出し物のポラロイドカメラをプレゼントされる。
さっそくタイラーで試し撮りをし、すっかり気に入る。
その晩、渋々参加したクラスメイトたちの仮装パーティにもポラロイドカメラを持参し、みなで記念写真を撮る。
ところがそこへ保安官が現われ、タイラーが不審な死を遂げたと告げる。激しいショックを受けるバードだったが、タイラーの写真に奇妙な“影”が写っていたことを思い出す。

脚本は、ブレア・バトラー。

 

 

出演。

キャスリン・プレスコットが、バード・フレッチャー。

ダヴィ・サントスが、タイラー。

タイラー・ヤングが、コナー。
サマンサ・ローガンが、ケイシー。
ケイティ・スティーヴンスが、エイブリー。
マデリン・ペッチが、サラ。
プリシラ・キンタナが、ミナ。
キーナン・トレイシーが、デヴィン。


ミッチ・ピレッジ ペンブローク保安官。
グレイス・ザブリスキーが、レナ。
ハビエル・ボテットが、影。
レイズ・ビーヴァン=ジョンが、ローランド。
シャウナ・マクドナルドが、バードの母。

 

 

 

スタッフ。

製作は、ロイ・リー、クリス・ベンダー、マイケル・マホニー。
製作総指揮: ヨン・アイナル・ハーゲン、ペッテル・オンスタッド・ルーケ、マシュー・シンガー、キース・レヴィン、マリ・ユーン、ジェイク・ワグナー。

撮影は、ポール・ウルヴィック・ロクセット。

プロダクションデザインは、ケン・レンペル。
衣装デザインは、マーサ・カリー。

編集は、ピーター・グヴォザス。

音楽は、フィリップ・ギフィン。

 

 

 

現代アメリカ、呪いのインスタントカメラに写った高校生がその謎に挑むホラーサスペンス。
「写ったら死ぬ」のソリッドシチュエーションホラーで、なかなか面白いルールをつくりだしている。
そのせいで恐怖は弱めだが、ジャンルものの面白味が前面に立つ。かなりゲーム的。
キャラクターは記号的で申し訳程度。展開の緩急がきいているので楽しく見られる。
低予算ながら丁寧に展開し、後半のつるべ落としが惹きつける。ジャンル慣れていても、その優等生ぶりが微笑ましく見られる。アメリカ映画技法を学んでいるのが分かる。
撮影は的確なのだが、少々魅力が薄いのが惜しい。雪の町は素敵な舞台装置。
ノスタルジーさえ感じる四角に嵌める枠作。
 
 
 

 


 

 

 

 

 

 

おまけ。

原題は、『POLAROID』。
『ポラロイド』。

意味は、『インスタントカメラ』。

wikiによると、ポラロイドは、1937年にエドウィン・ハーバード・ランドが創立したポラロイド社(Polaroid Corporation )の略称で、同社が開発したインスタントカメラの通称でもある、とのこと。

 

2017年の作品。

 


上映時間は、88分。
製作国は、アメリカ。
映倫は、G。

 

 

 

キャッチコピーは、「このカメラで撮れば、最高の瞬間が最期の1枚になる。」。
これはやっぱり、「写ったら、死ぬ!」ぐらいシンプルさで打ち出して、追加説明でよかったのではないか。

 

 


『貞子』(2019)のキャッチコピーは「撮ったら死ぬ」でしたので、対になりますね。ただあっちはそういったルール性が皆無でがっかりな出来ですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

ややネタバレ。

『血を吸うカメラ』ってのもありましたね。

 

 

 

 

 

ネタバレ。

アメリカ映画技法をきっちりやった方らしく、構図の撮り方がとても教科書的。ホラーではかなり見やすい方で、逆にそれが恐怖を薄めてしまってもいますが。

 

モチーフもしっかり使っており、四角を映画全体にちりばめています。
天井部屋の入口、スライド、スクリーン、ドア、ライター、換気口、病院の小部屋、留置所、新聞、箱、窓、椅子の背もたれ、シャワー室、現像室のシンク。

反撃できるものは丸かったりします。
ライト、電球、弾丸、シャワーヘッド、写真を丸める。保安官の頭も丸いのは狙いかしら?

それは、そのまま主人公の囚われた精神状態になっており、最後に海と言う四角く切られない広い場所へたどり着く。
海も地球と考えれば、ある意味、丸。

 

 

それでも、脚本の穴を埋め切れてはいない。
父親の事故の傷の見せ方が弱く、最後のスカーフの意味が弱い。
写真を撮って順番を換えて、逃れたことがあることと写真を燃やして自分が燃えた時など、写真にルールがあることに気づいているのに、はさみで切ったらどうなるかなどを試さない。
ホラーにありがちだが、大切な人の死に対応力が高すぎる。感情を扱っているのし、その前の恋人描写があるのだから、そこはジャンルに負けてしまった。
化け物が来るのを若手ちながら特に対抗策を考えていかないのはなぜか。『IT』や『ストレンジャー・シングス』の子供たちでさえやってることなのに。
事件が載っている新聞も命が助かるヒントがあるかもしれないのに、しっかり調べないし。



 

 

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