goo blog サービス終了のお知らせ 

菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

飛んでくる音で襲うモンスター。 『ザ・サイレンス 闇のハンター』

2022年07月02日 00時00分48秒 | 俺は好きなんだよ!

【俺は好きなんだよ】第1577回

 

『ザ・サイレンス 闇のハンター』(2019)

 

原題は、『THE SILENCE』。
『沈黙』。

 

製作国:アメリカ、ドイツ
上映時間:90分

配給:Netflix

 

スタッフ。

監督:ジョン・R・レオネッティ
製作:アレクサンドラ・ミルチャン、スコット・ランバート、ロバート・クルツァー
製作総指揮:マルティン・モスコヴィッツ
原作:ティム・レボン
脚本:ケアリー・ヴァン・ダイク、シェーン・ヴァン・ダイク
撮影:マイケル・ガルブレイス
プロダクションデザイン:ボブ・ジームビッキー
衣装デザイン:リア・カールソン
編集:ミシェル・コンロイ
音楽:トムアンドアンディ

 

 

出演。

キーナン・シプカ (アリー・アンドリュース)
スタンリー・トゥッチ (ヒュー・アンドリュース)

ミランダ・オットー (ケリー・アンドリュース)
ジョン・コーベット (グレン)
ケイト・トロッター (リン)
カイル・ハリソン・ブライトコフ (ジュード・アンドリュース)
デンプシー・ブリク (ロブ)
ビリー・マクレラン (牧師)

 

 

物語。

ペンシルバニアの未開の洞窟から、モンスターの大群が解き放たれた。
ベスプと名付けられたその生物は視覚を持たず、生物の存在を音で感知して襲いかかってくる。
3年前に事故で聴力を失った女子高生アリーは、両親と祖母、弟と一緒に街を抜け出し、安全な土地を求めてさまよう。

音を立てると襲ってくる凶暴な飛行生物から家族がに逃げるサバイバル・スリラー。

 

主演は、『プラダを着た悪魔』のスタンリー・トゥッチとテレビシリーズ『マッドメン』のキーナン・シプカ。
共演に、『宇宙戦争』のミランダ・オットー、『セックス・アンド・ザ・シティ』のジョン・コーベット。

 

監督は、『アナベル 死霊館の人形』のジョン・R・レオネッティ。

脚本のケアリー・ヴァン・ダイク、シェーン・ヴァン・ダイクは俳優兼脚本家でシェーンは監督もしている。
『タイタニック2012』、『トランスモーファー リターンズ』などのアサイラム系がほとんど。

 

 

NETFLIXの小品ホラー。
いろいろな設定が上手く混ざっているが、ゆるめの設定で、さくさくと快活に進んでいく。
襲われたと子rから始まり、登場人物も絞られているので、見やすい。
とはいえ、定番の展開になるので、モンスターからどう逃げるかなどのドラマを楽しむ。
モンスターの造形がよく、襲い方も怖いので、ホラーとしては十分。
後半のいやぁなシーンもアメリカでのこのジャンルの定番だが、仕掛けは悪くない。

音に襲いかかる謎のモンスターから家族が逃げるホラーで、『クワイエット・プレイス』の後追いかと思われるが、アイディアは、原作小説が2015年に発売されているので、こちらが先。(実際には『ディセント』(2005)が洞窟内で目が見えない怪物は音を頼りに襲ってくるので、そもそもそちらが先)
原作は『30デイズ・ナイト』の原作や多くの映画のノベライズで知られるティム・レボン。
まぁ、映画企画的には『クワイエット・プレイス』がヒットしたから通ったんだと思われる。
邦題をNETFLIXなので、原題生かしなのだが、副題が邪魔をする。ネタバレだけど、わかっても関係ないし。殺し屋ものっぽいよね。
でもまぁ、「クワイエット~」をつけないでくれてよかった。
においで追ってくるモンスターの『クワイエット・フィールド』もあやかり邦題。映画自体は2017年で『クワイエット・プレイス』より前なのにね。原題は『RED SPRING』だし、においがメインなので『クワイエット~』だと混乱する。(実際には生物なら反応するのでクワイエットな要素もある)
実際には『クワイエット・フレンド』(2019)くらい。(WOWOW放映題は、原題の『Z』に副題つけた『ゼット 見えない友達』だったのに邦題変更)

 

 

 

 

ややネタバレ。

いろいろ勢い任せなところがあるのと、結局は○○が……なので、ちょっと残念。
音に関しては、飛んでくる方が理にかなってはいる。ただ、こうもりは音ではなく超音波なのでぶつかってくることはあまりない。
たぶん、その点からも『ディセント』がインスパイア元なのではないか。あれはああいう形状なので、まさに耳に頼っていた。
『ディセント』はイギリス産ホラーの傑作でヒットして、『2』もつくられている。
ティム・レボンもイギリスの作家。

家族が手話を使いこなすなど、『クワイエット・プレイス』がこの原作からインスパイアされたのかも。『2』の方が似ている。
ただ、脚本力が圧倒的に上回っているのが……。
こちらもキャストは悪くないんだけどね。

 

 

 

 

 

ネタバレ。

邦題の副題にある、「闇のハンター」は、洞窟から出てきたことを示すのと、目が見えず音を頼りに襲ってくるモンスターのことを指しているのだろうが、実際、洞窟のシーンはわずかだし、目が見えないという感じもあまりない。(耳に頼るのだから、目が弱いというのは決めつけ、目が見える鳥だってガラスや飛行機にぶつかってくる)

クライマックスが夜のシーンで、人間が襲ってくるので、あるシーンから予測がつくため、ネタバレを意識したわけではないだろうが、「だから闇のハンターなの!?」と思わされる。

宗教的というか狂信の怖さになるのは、アメリカでは身近な恐怖なのだろうな。
『ミスト』とかでもそちらの比重も大きかったし。
今作は、宗教と進化という点でかけてあるともいえる。

モンスターが出てきたペンシルバニア州はニューヨークに近く、気温がまぁまぁ下がる地域なので、寒さに弱いというのがすんなり受け入れにくい。

別荘を目指したとはいえ、あの怪物の場合、街の方が安全なのではないか。
壁があれば、ある程度攻撃を防げるわけだし。
足音さえ危ないものの自然音には鈍い『クワイエット・プレイス』のモンスターと事情が違うのよね。あれは強いのともともと家族は森の中に住んでいるし。
音を出し続けておけば、そこに突っ込んで殺せる可能性もあるわけだし。
車自体が音を出すわけだしね。
暴徒が出てきて、街が危険というなら分からなくもない。
『ミスト』や『バード・ボックス』でも出ていくか出ていかないかが議題になっていたように、モンスターパニックでは、どこを拠点にするかは重要な要素なのよね。
『ゾンビ』もショッピングモールだったし、『ショーン・オブ・ザ・デッド』はそこを逆手にとって、パブを目指すし、『ウォーキング・デッド』は町から森へ行き、そこから刑務所へと移る。
街の方が救助がある可能性も高いしね。
地下室とかある場所の方が安全なんじゃないかな。

 

 

好みの台詞。

「やつらは進化するだろうか? 私はした。寒さに弱いベスプが寒さに適応する時が来るかもしれない。向上心を持って人間同士協力すればベスプより先に環境に適応し、生き残れるだろう」

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 呪いのかくれんぼ。 『レデ... | トップ | 失敗も積み重ねれば歴史。 ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

俺は好きなんだよ!」カテゴリの最新記事