【俺は好きなんだよ】第1576回
『レディ・オア・ノット』(2019)
原題は、『READY OR NOT』。
『イケる?イケない?』。
製作国:アメリカ
上映時間:95分
映倫:自主規制として「R-15相当」(15歳未満視聴不可)と表示。
スタッフ。
監督:マット・ベティネッリ=オルピン、タイラー・ジレット
製作:トリップ・ヴィンソン、ブラッドリー・J・フィッシャー、ウィリアム・シェラック、ジェームズ・ヴァンダービルト
製作総指揮:ダニエル・ベーカーマン、タラ・ファーニー、トレイシー・ニーベリ、チャド・ヴィレラ
脚本:ガイ・ビューシック、R・クリストファー・マーフィー
撮影:ブレット・ユトキーヴィッチ
編集:テレル・ギブソン
音楽:ブライアン・タイラー
出演。
サマラ・ウィーヴィング (グレイス)
マーク・オブライエン (アレックス)
アダム・ブロディ (ダニエル)
ヘンリー・ツェーニー (トニー)
アンディ・マクダウェル (ベッキー)
メラニー・スクロファーノ (エミリー)
クリスチャン・ブルーン (フィッチ)
エリス・レヴェスク (チャリティ)
ニッキー・グァダーニ (ヘレン)
ジョン・ラルストン (スティーヴンス)
リアム・マクドナルド (ジョージー)
物語。
ゲーム産業で大富豪一族に嫁いだグレースは、結婚式の夜、一族の儀式に参加することになる。
それは、花嫁がいくつかある呪いのゲームを選び、それに勝利しないとならない、というものだった。
グレースが選んでしまったゲームは、唯一の最悪のゲーム「死のかくれんぼ」だった。
実は、一族そのものに呪いにかけられており、<死のかくれんぼ>で花嫁を生贄に捧げなければ、一族全員に不幸が訪れるのだった
ゲームの終了は夜明け。
さぁ、広大な屋敷を舞台にした呪われたゲームがはじまる。
ゲームで富を築く大富豪一族に嫁いだ花嫁が、一族の伝統儀式の「死のかくれんぼ」に巻き込まれるソリッドシチュエーションスリラー・アクション・コメディ。
監督は、ホラー映画を得意とする製作集団"ラジオ・サイレンス"の一員でもあるマット・ベティネッリ=オルピンとタイラー・ジレット。
主演は、『スリー・ビルボード』、『ガンズ・アキンボ』のサマラ・ウィービング。
この手のジャンルとしては、かなりの高評価を得ていて、スマッシュヒットも記録した。
捻りの利いた脚本と的確な芝居と演出により、きっちり恐怖とスパイスとなる笑いが機能している。
当然ながら、撮影、美術、音響がきっちりしてるとこが支えてるのよ。
(邦画のジャンルもののたいていが出来てないとこ)
最初にゲームを見せてはいるけど、一族はみなゲームに慣れているわけではないあたりが愉快。
追う側のキャラに動機も家族ドラマもあり、富豪一族ものの要素がデスゲームのスリルを削がずに人間ドラマで彩っている。
残酷描写も手抜きがないので、冷めないのがいいよね。
人の命にそれぞれ重みが違うのも巧い。
いい意味で裏切られる面白さ。
このジャンルでの上質さを見られます。
ひとひねりあるドラマが得意なフォックスサーチライト社製ならでは。しかも、当時同社最大の配給規模の期待作で、そちらは裏切らなかった。
サマラ・ウィービングのはすっぱな感じがばっちり。
小道具とか、設定が細かくて、その描写も記号に逃げてないのがいいのよ。
鼻の部分が開いた猿轡とか、呪いの理由とかね。
血まみれ新婚もの、血まみれ新婚ものというサブジャンルを定義したら、その代表作となる一本。
amazonプライムで見られます。
吹替もあるよ。
ネタバレ。
少量の塩酸でみなが大量の血を吐き出すところは、やや記号的
家族神話の破壊もうまく忍ばせてある。
愛を至上にしないところも、人間の負の部分のリアルとして、きっちりブラックコメディしてる。
人を殺すことで起こることを重くならせ過ぎずにいい具合にジャンルのリアリティとして入れてるのが素晴らしい。
好みの台詞。
「なにがあったんです?」「家族の行事」