菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

合わない靴は痛くなる。  『赤い靴』(2005)

2023年12月02日 00時00分22秒 | 俺は好きなんだよ!

【俺は好きなんだよ】第1785回

 

『赤い靴』(2005)

 

 

原題は、『분홍신』
漢字題は、『粉紅靴』
『ピンクの靴』。

 

製作国:韓国
上映時間:103分
観覧基準:15歳以上

 

 

スタッフ。

監督:キム・ヨンギュン
製作:キム・グァンス
制作会社:青年フィルム(Generation Blue Film)
脚本:マ・サンリョル,キム・ヨンギュン
撮影:キム・テギョン
照明:パク・コヌ
音楽:イ・ビョンウ

 

 

出演。

キム・ヘス     (キム・ソンジェ)
キム・ソンス    (チョ・インチョル/インテリア・デザイナー/リフォーム業者)
パク・ヨナ     (ハン・テス/ソンジェの娘)
コ・スヒ      (キム・ミヒ/ソンジェの後輩/眼科医)

ホン・ヒヨン    (女子高生1)
パク・ソネ     (女子高生2/チェ・ヨンミ)
ソ・ハリム     (オギ/ダンサー)
キム・ジウン    (ケイコ/キョンスン/ダンサー/インチョルの女)
ソン・セグァン   (チョン・ハソプ/舞踊演出家)
パク・パリョン   (ケイコの父/憲兵大将)
ソ・ジノン     (ケイコの父の補佐官)
イ・ウンビ     (背が曲がった少女)

チョ・ドクチェ   (刑事)
チョン・ホンテ   (不動産業者)
ミン・ジノン    (エンボリ(乞食))
アン・ジャンフン  (警察署酔客)
イ・デヒョン    (応急室医師)
パク・ヒョニョン  (広報女)
キム・ユニ     (眼科看護師)
イ・ヨンニョ    (背が曲がった老婆)

キム・ヨンジュン  (人力車屋)
キム・ヨンファ   (チョン・ハソプ舞踊団)
ペ・ヘウォン    (チョン・ハソプ舞踊団)
ユン・ヘジョン   (チョン・ハソプ舞踊団)
ソン・ポギョン   (チョン・ハソプ舞踊団)
チョン・ジヘ    (チョン・ハソプ舞踊団)
パク・チウン    (チョン・ハソプ舞踊団)
チョン・ユヨン   (チョン・ハソプ舞踊団)
カン・ヒョンオク  (チョン・ハソプ舞踊団)
チェ・ユニョン   (チョン・ハソプ舞踊団)

イ・オル     (ハン・ソンジュン/ソンジェの夫)
サ・ヒョンジン  (チョンア)
イム・ハンソプ

 

スタント出演。

チュ・ヒョンギョン 
ハン・ジョンヒョン 
キム・テファン   

ホ・ミョンヘン   (ワイヤーアクション)
チ・ジュンヒョン  (ワイヤーアクション)
チョ・ジュヒョン  (ワイヤーアクション)
ハン・ジョンウク  (ワイヤーアクション)
ペク・キョンスン  (ワイヤーアクション)

 

物語。

現代韓国、夜遅く人影が少ない地下鉄コクソン駅。
誘惑の光を吹きだすピンクの靴をベンチの片隅からながめる女子高生。
靴を脱ぎ、その赤い靴に片足を入れた瞬間、どうすることもできない胸のときめきと手に余るため息が漏れ出る。

夫とうまくいかず、自信を無くしていた。ソンジェは、地下鉄の車両と車両の間に持ち主がないように置かれたピンクの靴を発見する。
靴の魅力に見せられ、その靴を拾い上げる。
ソンジェの、まだ幼い一人娘テスもそのピンクの靴に魅せられてしまう。

その靴を履くと陶酔に包まれ、謎のビジョンが見えるようになる。

 

怨恨と呪いが込められたピンクの靴が履く者の死を呼ぶミステリー・ホラー。

 

監督は、『殺人漫画』のキム・ヨンギュン。

 

 

イタリアのジャッロと日本のJホラーと韓国の過剰ホラーの融合。
深度の浅い映像と凝った照明と美術など結構な予算がかけられたホラー。

邦題だと赤い靴なんですが、画面に出てくるのは原題通りピンクなので、ちょっと混乱。
せめて、名作バレエ映画と同じなので、せめて『紅い靴』にしてもらいたかったなぁ。
だって、『赤い靴』からの引用もありますしね。
バレエシーンもありますよ。

人体切断がかなりよくできていて、ぎょっとさせられる。
CGも当時ではかなりハイレベル。
こういう造形物がちゃんとしてるのはやっぱいいなぁ。

ラブストーリー部分がまあまああって、女性性の恐怖を描こうとしたのも、なかなか面白いです。
母娘の方向で、そこを深堀しても面白かったと思う。
『ボイス』とかに並ぶ子供が怖いホラーでもあったり。
靴の魔力で壊れているとはいえ、児童虐待的描写が今だと少しきついかも。
でも、そこもテーマなので。
あと、パク・ヨナがまた上手いからなぁ。
彼女は、『グッド・バッド・ウィアード』にも出てます。

人の欲望を中心軸に置いた練りこまれたシナリオなのだが、構成が少々煩雑なのが、惜しい。

日本占領時代(日帝時代)もちょいと出てきます。
その描写で気になるところはほぼないです。


劇場で公開されたのは、15歳以上鑑賞可のバージョンだが、韓国版のDVDには、18歳以上鑑賞可の再編集によエログロ追加バージョンも同時収録されているそう。
      

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ。

ジャッロからの影響の方が強い。
『サスペリア』が特に。
リメイク『サスペリア』(2018)は今作も参考にしたのかもしれないと思えるシーンもある。
Jホラーからは『リング』と『仄暗い水の底から』ですね。
ミステリーの部分も二つあるので、『サスペリアpart2』もかな。

 

独占欲、嫉妬、見栄、美、老い、情念などの欲望の恐怖を要素として描こうとしている点は、かなり珍しい。

 

なんで、103分にしちゃったんだろう?
120分で過去編をもうちょっとやってもよかったのではないか。
あと、突然入る幻想シーンね。

 

物とか人物目線のカットの入れ方がうまい。

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 輪と穴でドーナツ。 | トップ | 短歌を啖呵を切るように 12/3 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

俺は好きなんだよ!」カテゴリの最新記事