菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

そして、何世代かが過ぎた。 『猿の惑星 キングダム』

2024年05月25日 07時14分00秒 | 映画(公開映画)

で、ロードショーでは、どうでしょう? 第2363回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

 


『猿の惑星 キングダム』

 

 

 

 

300年後の地球、支配者となった類人猿たちが人間の残した闇を暴こうとするSFアドベンチャー。

2011年の『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』に始まる再リブート『猿の惑星』3部作に続く新シリーズ第1弾。

 

猿の惑星 キングダム : 作品情報 - 映画.com

 

 

原題は、『KINGDOM OF THE PLANET OF THE APES』、
『類人猿の惑星の王国』。

 

製作年:2024
製作国:アメリカ
上映時間:145分

 

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

 

 

物語。

ウイルスにより類人猿の進化がはじまったあの事件から約300年後の地球。
猿たちは文明を築き、地上の支配者として君臨していた。
人類は野生化し、猿に怯えながら、ひっそりと生き延びていた。
猿たちはそれぞれの部族をつくり、点在していた。
ノアたちイーグル族は、かつてのアメリカの東寄りの土地で平和に暮らしていた。

出演は、オーウェン・ティーグ、フレイヤ・アーラン、ケヴィン・デュランド、ウィリアム・H・メイシー。

監督は、『メイズ・ランナー』シリーズのウェス・ボール。

 

 

スタッフ。

監督:ウェス・ボール
製作:ウェス・ボール、ジョー・ハートウィック・Jr、リック・ジャッファ、アマンダ・シルヴァー、ジェイソン・T・リード
製作総指揮:ピーター・チャーニン、ジェンノ・トッピング
キャラクター創造:リック・ジャッファ、アマンダ・シルヴァー
脚本:ジョシュ・フリードマン
撮影:ギュラ・パドス
プロダクションデザイン:ダニエル・T・ドランス
衣装デザイン:マイェス・C・ルベオ
視覚効果監修:エリック・ウィンキスト
編集:ダン・ジマーマン、ダーク・ウェスターヴェルト
音楽:ジョン・パエザーノ

 

 


出演。

オーウェン・ティーグ (ノア)
フレイヤ・アーラン (ノヴァ/人間)
ケヴィン・デュランド (プロキシマス・シーザー)
ピーター・メイコン (ラカ)
トラヴィス・ジェフリー (アナヤ)
リディア・ペッカム (スーナ)
ニール・サンディランズ (コロ)
ウィリアム・H・メイシー (トレヴェイサン/人間)

 

 

『猿の惑星 キングダム』を観賞。
300年後の地球、支配者となった類人猿らが人間の残した闇を暴こうとするSFアドベンチャー。
『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』に始まる再リブート3部作に続く新シリーズ第1弾。(映画は合計10作目)
一応、全リブート三部作から多少繋がりはあるが、200年以上の隔たりがあるため、今作からでも楽しめる内容になっている。そもそもオリジナルシリーズも時間が飛んでいる部分もありますしね。5作中には出てくるけど、それでさえ1,970年代の現在何ドえ、もはや半世紀も離れていますから。
映画は新しい技術を見せる見世物小屋でもある。このシリーズは、その一つの到達点でもある。もちろん、この系統は『アバター』が最高峰なのだけど、見たことないものを見せる『アバター』と違い、今作は見たことあるようでないものを見せる最高峰なのです。だって、類人猿でありながらそれが人のように動く様はまさに映画ならでは。
今作の見どころは、その最新VFXの技術。
人の動きからCGを起こすモーションキャプチャーから表情も映せるエモーションキャプチャーになり、さらにキャストの特徴も加えることができるパフォーマンス・キャプチャーとなり、動物の見た目でありながら、中に演じる個人を感じる繊細な表情と表現。
だから、今作は、ついにスター俳優が前面にまったく出ていないハリウッド大作というなかなかにない作品でもある。(なにしろ一番の有名俳優がウィリアム・H・メイシーだ)
もはや現実を切り取ったようで、どこにも不足のないように受け止めらられる映像となっている。これがさらに進化する未来があると思えるわくわくもある。このシリーズや『アバター』シリーズがヒットし続ければ、技術が加速していくはず)
だからこそ、今度はその中身や表現、物語、パフォーマンスが重要になる。
主演のオーウェン・ティーグは、俳優の目指し方も新時代的で、再リブートの『猿の惑星:創世記』のアンディ・サーキスによるシーザーを見て、あの中に入りたいと研鑽してきて、今作に抜擢されたというまさに『猿の惑星』チルドレン。今後は、スーツアクターやスタントマンや声優とも違うキャプチャー俳優を目指す人も増えていくのだろう。
今作は、前作までのメインであったモーション・キャプチャーの第一人者のアンディー・サーキスもキャスト演出に参加しており、継承が行われている。まさに『猿の惑星』というSF映画の金字塔を強化している。アカデミー賞にパフォーマンス・キャプチャー俳優部門が生まれる日も来るであろう。(いまだにスタントマン部門はないが……)
『ゴジラ×コング』もまさに、この流れの最先端で、以前はアンディ・サーキスが演じていたが、今作のコングのキャプチャー・アクターは広くは発表されていない。(コングの演技は戯画的だが、目を奪う)
人間のメインキャストであるフレイヤ・アーランも印象的な顔立ちでなかなかミステリアスでよい。オラウータンのラカもいいキャラだった。プロキシマスも面白いキャラだったのに扱いが定番に落ち着いたのが残念。
今作では、類人猿は進化し、人のように白目があるので、目の表情で語る様が素晴らしい。特に、主役のノアは細やかな演技で、見る者を惹きつける。『ゴジラxコング』のコングと比べても違う方向性。
CGの中の人の芝居の違いをきっちり堪能できる時代が来た。
そして、アニメと実写が限りなく近づいた。
実写の意味がさらに問われる時代が来るのだろう。(『ライオンキング』(2019)の流れはもはや実写アニメとさえ言われており、新作『ライオン・キング:ムファサ』では超実写版とも呼んでいる)
監督は、『メイズ・ランナー』シリーズのウェス・ボール。
彼の作品御特徴が、反映されたような内容だが、元々VFXマンでもあっただけに、その手腕が映像表現として発揮されている。(ただし、題材自体はやや既視感はどうしてもあるのだが)
話自体はSF西部劇的かつアメリカ映画の定番だが、だからこそ、新しい映像表現に没入できるともいえる。(『アポカリプス』『マッドマックス』シリーズからの影響も強く感じる)
シリーズのテーマである人間(人類文明)の醜さ、自己反省を類人猿を通して描いており、強い文明批判がある。そこには、だからこその文明の良さも感じられる。現在と歴史を同時に見せる。古典的傑作『イントレランス』と同様の方向性だ。しかも、コロナ禍以後に見ると、また意味が膨らんでいる。
あまり比較する例も少ないが、今作によって『スターウォーズ』とも肩を並べる巨大映画シリーズとなったともいえる。1968年から2024年まで半世紀に渡り続き、主人公を変えても続いているコンセプトと技術で見せる作品であることが強みともいえる。あと、アメリカ人が妙に類人猿が好きなのもも関係しているだろうね。(『スターウォーズ』にもウーキー族やイオーク族が出ているので、新シリーズでそれを出せなかったのも凋落の原因の一つかもしれない)
余談だが、キングダムという響きも好きなのか、ここ数年でキングダムとつく著名作が邦画も併せて5本以上つくられている。
今作は、すでにヒットしているので、シリーズが続く可能性が高い。さらに、どんな技術的な発展があるか、楽しみである。
今作は、定番をうまくまとめたところによさがあったけども。ものたりなさもあった。
三部作の中で第二部は最も意欲的な内容になることが多いので、今度こそ、見たことある流れではない展開を期待したい。

 

猿の惑星」シリーズ最新作「猿の惑星 キングダム」2024年初夏公開 特報&ポスターも披露 : 映画ニュース - 映画.com

 

<『猿の惑星』サーガ>

オリジナルシリーズ第1~5作
『PLANET OF THE APES』(『猿の惑星』)(1968)
『BENEATH THE PLANET OF THE APES』(『続・猿の惑星』)(1970)
『ESCAPE FROM THE PLANET OF THE APES』(『新・猿の惑星』)(1971)
『CONQUEST OF THE PLANET OF THE APES』(『猿の惑星・征服』)(1972)
『BATTLE FOR THE PLANET OF THE APES』(『最後の猿の惑星』)(1973)

TVドラマシリーズ版
『PLANET OF THE APES』(『猿の惑星』)(1974)

TVアニメ版
『RETURN TO THE PLANET OF THE APES』(『SFまんが猿の惑星』)(1975~1976)

リブート版
『PLANET OF THE APES』(『PLANET OF THE APES 猿の惑星』)(2001)

再リブート第1~3作
『RISE OF THE PLANET OF THE APES』(『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』)(2011)
『DAWN OF THE PLANET OF THE APES』(『猿の惑星:新世紀(ライジング)』)(2014)
『WAR FOR THE PLANET OF THE APES』(『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』)(2017)

新リブート
『KINGDOM OF THE PLANET OF THE APES』(『猿の惑星/キングダム』)(2024)

 

 

Kingdom of the Planet of the Apes | HOYTS Cinemas

生き残り”をかけ衝突『猿の惑星/キングダム』主要キャラクターたちの決意あふれるポスター|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ。

冒頭は、シーザーの死の頃なので、200年ちょっと前で、その後、年が過ぎる。

 

200年以上もあの状態で機能する手、人類の技術のすごさを逆に感じたり。
とはいえ、オリジナルシリーズでは、数千年もつかえたりするものもあるけど。

 

300年経っているのに、メイが現代風の服を着ていることがヒントになっているが、彼女の作戦としては失敗する可能性がなくはない。
メイは類人猿を侮っている(彼らは人間のことを知らない)という意味でも、彼女の変化がこのシリーズの肝になりそう。

メイは、やはり油断させて馬を奪おうをしていたのだろうなぁ。
まさに、プロキシマスと同じで、人間として、手段を選ばない。
多少は情は生まれたから最後ノアに会いに行くだろうけど、自分がやった子の意味を理解しており、ノアを信じておらず、銃をすぐ撃てる状態で持っていく。

 

猿同士の手話会話ももうちょっとうまくシナリオに使ってもらいたかった気も。
ノアが手話で話すがラカはわからないとか。言葉の違いが生まれてくる。
で、川を流れっていってしまうラカが手話で最後のメッセージを伝えるとか。
特に、シーザーを讃えるあのポーズが、ラカとプロキシマスでは意味が違うとか。
鳥の歌はうまく使ってたんだからさ。

 

 

 

 

 

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