【俺は好きなんだよ】第1812回
『アンリミテッド』(2015)
原題は、『TRACERS』。
『追走者』。
製作国:アメリカ
上映時間:94分
映倫:G
公開情報:プレシディオ
スタッフ。
監督:ダニエル・ベンマヨール
製作:マーティ・ボーウェン、ウィク・ゴッドフリー、D・スコット・ランプキン
原案:T・J・スコット、ケヴィン・ランド、マット・ジョンソン
脚本:マット・ジョンソン
撮影:ネルソン・クラッグ
プロダクションデザイン:ダン・リー
衣装デザイン:ジェニー・ゲーリング
編集:ピーター・アムンドソン
音楽:ルーカス・ビダル
音楽監修:ローラ・カッツ
出演。
テイラー・ロートナー (カム)
マリー・アヴゲロプロス (ニキ)
アダム・レイナー (ミラー)
ラフィ・ガヴロン (ディラン)
サム・メディーナ
物語。
現代のニューヨークでバイク・メッセンジャーをしていたカムは、偶然出会った美女ニキに導かれ、彼女とその仲間たちがやっているストリート・スポーツ“パルクール”の世界に魅了される。
やがて、自らもパルクールの腕を磨き、グループのリーダー、ミラーにもその実力を認められ、彼らの仲間に入る。そんな彼らはパルクールのテクニックを駆使して、何でも請け負うプロの運び屋として活躍していた。
しかもそれは、裏社会を相手にするあまりにも危険な仕事だった。
パルクールで闇宅配業を行うチームにある事情から入った青年が追い詰められていくサスペンス・アクション。
主演は、『トワイライト』シリーズのテイラー・ロートナー。
監督は、『サバイバル・フィールド』のダニエル・ベンマヨール。
潜入捜査じゃないけど、変奏『ハートブルー』。
街のパルクールチームに入ってしまった不良少年がチームが闇の商売もしており、それに参加していく。
歴史ではそこまで傑作扱いされてないし大ヒットもしてないけど、その設定やスタイルに多くのフォロワーを産む作品というのがある。スポーツ系潜入戦友もの『ハートブルー』(代表的フォロワー作『ワイルドスピード』)、ガンカタもの『リベリオン』(代表的フォロワー作『ジョン・ウィック』)、雑談から大展開もの『ブロードウェイのダニー・ローズ』(代表的フォロワー『レザボア・ドッグス』)、犯人捜しメタホラー『スクリーム』(代表的フォロワー作『ファイナルガール』)、自分実験ホラー『ハエ男の恐怖』(代表的フォロワー作『ブレインストーム』、『フラットライナーズ』)とかね。
その一本がパルクールもの『ヤマカシ』(代表的フォロワー作『キャプテン・アメリカ』)。パルクールを映画に取り込んだ最初の一本。だが、もちろん、これは多くのジャッキー・チェン作品やサイレント時代のアクション・コメディから生まれたともいえるものではあるが。
で、今作は、その内の2本『ハートブルー』と『ヤマカシ』から影響を受けたのがもろ分かりの一本。
パルクールシーンは、そこまで多くはないし、派手なものではないですが、ハリウッド作だけあって舞台と撮影がいいです。
パルクr-卯を使った潜入と配達人というのもまぁまぁ生かされているので、なかなかサスペンス部分も楽しめます。既視観ある定番ものではありますが。
ややネタバレ。
自分実験ホラーの元祖を『ハエ男の恐怖』にしたけど、ネタだけなら、『カリガリ博士』(1921)と『ジキル博士とハイド氏』(1932)もネタだけは扱われている。実験シーンがないので、あまり重要とされていない『ハエ男の恐怖』を挙げた。