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菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

でも、おばあちゃんもないよね。  『ミラベルと魔法だらけの家』

2021年12月25日 00時00分26秒 | 映画(公開映画)

で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1983回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

 

 

『ミラベルと魔法だらけの家』

 

 

 

魔法だらけの家と家族の中、魔法を持たぬ少女が家の危機に気づくファンタジー・ミュージカル・ドラマ・アニメ。

 

監督は、『ズートピア』のバイロン・ハワードとジャレド・ブッシュ。

楽曲は、『モアナと伝説の海』、『イン・ザ・ハイツ』のリン=マヌエル・ミランダが担当。

 

 

物語。

マドリガル家では、5歳の誕生日を迎えると儀式で、魔法を得ていた。
ところがミラベルだけは儀式でも魔法を得られなかった。
マドリガル家は祖母を中心にした10人の大家族。ミラベルはすごい魔法を持つ姉二人にコンプレックスを抱いていた。

ハイティーンとなったミラベルは、それでも明るく、自分だけの魅力を探す日々。

ある日、ミラベルは家に大きな亀裂が発生しているのを見つけてしまうが、家族の誰にもそれが見えない。


脚本:シャリース・カストロ・スミス、ジャレド・ブッシュ

 

 

声の出演。<日本語吹替>

 ステファニー・ベアトリス <斎藤瑠希> (ミラベル)

ジョン・レグイザモ <中井和哉> (ブルーノ・マドリガル/叔父さん)
マリア・セシリア・ボテーロ <中尾ミエ> (アルマおばあちゃん)
ダイアン・ゲレーロ <平野綾>(イザベラ/長女で植物操作)
ジェシカ・ダロウ <ゆめっち(三時のヒロイン)> (ルイーサ/次女で怪力)
アンジー・セペダ <冬馬由美> (フリエッタ/母で治癒料理)
ウィルマー・バルデラマ <関智一> (アグスティン/父で普通の人)
カロリーナ・ガイタン <藤田朋子> (ぺパ/叔母で小天気)
マウロ・カスティーリョ <勝矢> (フェリックス/叔父で普通の人)

アダッサ <大平あひる> (ドロレス/いとこ姉で地獄耳)
レンジー・フェリズ <畠中祐> (カミロ/いとこ弟で変身能力)
ラビ・カボット=コニャーズ <木村新汰> (アントニオ/いとこ弟で末っ子)
マル―マ <武内駿輔> (マリアーノ/イザベラのお相手)

ノエミ・ジョセフィーナ・フローレス (幼いミラベル)
ジョアン・カスタノ (オズワルド)

 

 

スタッフ。

製作:クラーク・スペンサー、イヴェット・メリノ

編集:ジェレミー・ミルトン
音楽:ジャーメイン・フランコ
オリジナルソングス:リン=マヌエル・ミランダ

日本版エンドソング:ナオト・インティライミ『マリーポーサ~羽ばたく未来へ~』(元曲:『2匹のオルギータス』)

 

『ミラベルと魔法だらけの家』を鑑賞。
20世紀コロンビア、魔法だらけの家と家族の中、魔法なき少女が家の危機に気づくファンタジー・ミュージカル・ドラマ・アニメ。
家族のドラマというよりは、一族のドラマで、恋愛要素を薄め、自分探しと絆探しになっている。
なにより、大事なのは、南米の話法であるマジックリアリズムで語られているということ。つまり、今作での出来事は、幻想的比喩なのです。アニメはそもそもそういう要素を持つ表現形式なので、メッセージ性の部分が強まっているので、変換しながら見るような凝縮がある。これは何を例えているのかなと見る楽しみ。家も魔法というよりは生きている感じなので、祖父の遺産や召使いという感じ。でも、大人だと、そこに引っかかる方もいるかと。だけど、これ、児童向けですからね。
原題の『ENCANTO』の訳は、「魔法」というよりは「魅力」の方で、劇中でもギフトという言い方をしている。だから、魔法使いというよりは特殊能力に見えるのも当然。
ラテン的な強烈な色彩とがっつりミュージカルで、ディズニーが培ってきたアニメと音楽の融合の最新形を見せてくれます。
大事なのは、主人公の普通感。この世界基準ではない美で覆わない。最近、この手の増えてます。『ビーボ』とか『ミッチェル家とマシンの反乱』とかね。いかに今の子供の未来を見ているか、観客を神様と見ないことで生まれる良さ。受け手と送り手が同じ地平に立とうとする、それ自体がメッセージとなるんですって。
そこにいるあなただからできること。世界と比べないこと。両手が届く範囲での特別を大事にすること、愛は最小で最大なのだから。
ミラベルの思いやりは日本人的でもあり、北米はなく南米と日本人がなじんでいるのも、この感じが出てくるからかも。『リメンバー・ミー』のミゲルや『あの夏のルカ』のルカがそうだったように。
裏方としては、ブルーノ、あんたの気持ち痛いほどわかるよ。
楽曲は、『モアナと伝説の海』、『イン・ザ・ハイツ』のリン=マヌエル・ミランダが担当しているので、ノセてくれます。
応援上映を超えた、ダンス上映とかやってみるってどうかな。
魔法使いより気遣いな砂作。



 

おまけ。

原題は、『ENCANTO』。
『魔法』。

ENCANTOは、スペイン語で、「魅力」、「魔法」の意味。

 

2021年の作品。

 

製作国:アメリカ
上映時間:102分
映倫:G

 

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン  

 

 

劇中歌『All Of You』(『奇跡はここに』)には、『アナと雪の女王』の楽曲『レット・イット・ゴー』のイントロのメロディと「Let it go」という歌詞が引用されてる。(エンドクレジットにも記載)

 

コロンビアでア起きた地震なども取り込んでいるそうです。
ここら辺、日本にも重なるところ。
災害と家族ってドラマになるのよね。日本は定番だよね。
映画版の『日本沈没』(2006)、『サバイバル・ファミリー』もそうだったし、昔だと『岸辺のアルバム』とか。アメリカだと『ディープ・インパクト』、『2012』、『カリフォルニア・ダウン』、『グリーンランド ―地球最後の2日間―』とかディザスター・パニック風味になっちゃうけど。

 

 

併映の短編は、『ツリーから離れて』(『far FROM THE TREE』)長さは10分。
アライグマの親子のビーチでのお話。

英語で毛皮は「fur」なので、ちょっと重ねているのかも。

 

 

 

 

 

 

ネタバレ。

でも、ミラベルは、父に相談しないよね。
実際、父を下に見ているのだが、最後に、村の人の力で家が戻るとき、そこも解消される。

つまり、あの家は、ミラベル自身でもある。
出来事にどう対処したかの歴史がその人をつくっていく。

村が山に囲まれているのは、ミラベル自身の世界の狭さの表現でもある。
続編は、ミラベルと姉妹の誰かが村の外に出ていく話にもできるね。

言ったら、『アダムス・ファミリー』や『ミスター・インクレディブル』で家族の一人だけが普通だったら、という設定にも見える。

普通であることの素晴らしさを歌うのは、ありがちなようで、アニメではかなりチャレンジ。
実は、『アナと雪の女王』で、アナにその部分があった。姫ではあるが、彼女はエルサと違って普通の人だが、彼女には美貌があり、『美女と野獣』におけるベルには美貌があった。

実は、ピクサーには、普通で美貌も持たない主人公は多い、『カールじいさんの空飛ぶ家』のカール、『2分の1の魔法』のイアンとバーリー、『ソウルフル・ワールド』のジョー.『アーロと少年』のアーロと恐竜、『レミーのおいしいレストラン』のリングイニ(とはいえ、これはレミーが超天才で本人は活躍しないけど)、『インサイド・ヘッド』のライリーとヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、そしてカナシミ。

動物などでいえば、『ファインディング・ニモ』のマーリンとドリーとニモがいるし、『モンスターズ・インク』のマイクもそうだ、『ウォーリー』は感情を持ったかなり特別な存在だけど、人間で言えば、普通。

ジブリでも、普通的な描き方をされるのは、高畑作品か、『千と千尋の神隠し』の千尋、『となりのトトロ』のメイとサツキくらいだ。

ついに、ディズニーの方でもそこに踏み込んできたともいえる。でも、美貌を残していた。『プリンセスと魔法のキス』のティアナとか、でも、彼女は蛙になる。動物ものだと、普通ってのは、ちょこちょこあったので。
動物はアニメならではの要素だしね。

そう考えると映画の『クレヨンしんちゃん』のしんちゃんはすごいな。
のび太は、道具がないと成立しないからな。

 

『モンスター・ホテル』もちょっと似た部分がある。

 

 

 

 

 

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