菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

ジャンルの人気で、時代の流れを読む。

2024年06月16日 09時07分32秒 | 映画のあれこれ

映画では、ジャンルの人気のあるなしを見ることで、時代の流れが読めたりする。

海外、特に西洋では、今、アクション(アドベンチャー)とラブコメが人気を失い、SFとホラーとサスペンス(スリラーとミステリー含む)が人気が上がっている。あと、もう一つはあるが、これは後述。
これは二つの理由を推測できる。
それは、厭戦気分と映像技術の発達。
アクションは、武力の能天気な勝利や武力対立があるし、映像技術の発達で人間の肉体の運動の興奮が低下したのだろう。
ポリティカルコレクトネスや経済と知識格差による分断も、ある意味で戦争と言えるだろう。これはラブコメに影響していったと思われる。
それは、そのまま、反対側の人気ジャンルへの影響にも当てはまる。
この厭戦気分が、恐怖や緊張につながり、ホラーやサスペンスに実感を与えるからだ。
そして、映像技術の発達は、人間の肉体運動の興奮を下げてしまった。実際にやっていた頃の凄さが失われてしまったのだろう。
そして、これも反対に影響を与えている。
SFはそのままジャンル自体と呼応しており、見たことがない映像を見せることがたやすくなったので。それは映画そのものの価値ともつながる。科学的な問題が速度の速い現代において題材として向き合いやすいともいえる。
この発達はゲームの発展ともつながっていると思われ、実写に近い映像でのゲームでの能動の興奮はアクションに強い影響を及ぼしたと思われる。

それは、もう一つの人気ジャンルにつながる。
それは、アニメ。
アニメはジャンルというよりは形式である。
実を言えば、アニメにおいては、アクション(アドベンチャー)もラブコメも人気だったりする。
つまり、アニメの技術が上がったことで、映像で求められる、見たことがないものを生み出しやすいし、矛盾するはずの、なのに見たことがある安心感をも同時に持つことができる。
もちろん、アニメでシンプルにアクションといえるものは非常に少ないのだが、一要素として入れられたアクションのクオリティが高くなっている。
これらを考察すると、人間が人間疲れしているのではないかという気がしてくる。
ドラマは人間を描くものと言われてきたし、まだそれは主流ではあると思うが、その上で現代の映像物語では、矛盾する要素である、<人間とは少し離れたもの>で人間を描く、というところに来ているのではないか。
歴史上、はじめて、多様性に向き合い始めた人類社会は、まだその道の進み方を手探りで進んでいるがゆえに、大きなストレスと疲弊を伴っている時期なのだろう。
それに慣れるまで、もう少し時間がかかりそうだが、それでも少しずつ少しずつ進んでいくことを願う。
しずつ、戻ってしまうかわからないから。

 

 

 

 

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