【俺は好きなんだよ】第1741回
『西部戦線異状なし』(2022)
原題は、『IM WESTEN NICHTS NEUES』。
『西部はいつも通り』。
英語題は、『ALL QUIET ON THE WESTERN FRONT』。
『西部戦線は全てことなき』。
製作国:ドイツ / アメリカ
上映時間:147分
公開情報:Netflixで配信
スタッフ。
監督:エドワード・ベルガー
製作:エドワード・ベルガー、ダニエル・マルク・ドレイファス、マルテ・グルナート
製作総指揮:ダニエル・ブリュール、レスリー・パターソン、イアン・ストーケル
原作:エリッヒ・マリア・レマルク
脚本:エドワード・ベルガー、レスリー・パターソン、イアン・ストーケル
撮影:ジェームズ・フレンド
音楽:フォルカー・バーテルマン
出演。
フェリックス・カマラー (パウル・ボイメル)
アルブレヒト・シュッフ (スタニスラウス・カチンスキー)
アーロン・ヒルマー (アルベルト・クロップ)
モーリツ・クラウス (フランツ・ミュッレル)
エディン・ハサノヴィッチ (チャーデン・スタックフリート)
チボー・ドゥ・モンタランベール (フェルディナンド・フォッハ/将軍)
デーヴィト・シュトリーゾフ (フィールドリッチス/将軍)
アンドレアス・ドゥーラー (ホッパ/中尉)
セバスティアン・ハーク (ボン・ブリクスドルフ/少将)
ミヒャエル・ヴィッテンボルン (レックトール)
ダニエル・ブリュール (マティアス・エルツバーガー)
物語。
1917年、第一次世界大戦下のヨーロッパ。
17歳のドイツ人青年パウルは、祖国のために意気揚々と仲間たちと軍へ志願入隊する。
彼らは、フランスとぶつかっている最前線の西部戦線へ送られる。
パウルらの高揚感と使命感は凄惨な現実を前に打ち砕かれていく。
ドイツ軍は数週間で4万もの兵が土に還る状況。
命が紙屑のように消えていく戦場の惨状に、パウルは絶望と恐怖に飲み込まれていく。
戦争の空気は毒ガスのように、彼を蝕んでいく。
だが、もはや家路は見えない。
国に踊らされ、第一次世界大戦で志願兵となった10代の若者が味わう戦争の惨状を描く戦争ドラマ。
ドイツの作家エリッヒ・マリア・レマルクのリアルな戦争の惨状を描いた1928年連載開始で1929年刊行の長編小説『西部戦線異状なし』をドイツで再映画化。
『西部戦線異状なし』はアカデミー賞を受賞した1930年のルイス・マイルストン監督による映画版でも広く知られている。
監督は、『ぼくらの家路』のエドワード・ベルガー。
主人公パウルを演じたフェリックス・カメラーは、これが映画初出演。
『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』、『キングスマン ファースト・エージェント』などのハリウッド大作でも活躍するドイツを代表する俳優ダニエル・ブリュールが、出演のほか製作総指揮にも名を連ねる。
冒頭、静けさからの域内の戦場は、第一次世界大戦版の『プライベート・ライアン』を彷彿とさせるが、その後に続く軍服の行方が非常に映画的で一気に石棺に没入させる。(『キャスト・アウェイ』の冒頭を思い出した)
戦争での戦闘と戦闘以外の日常が丁寧に描写されることで、その過酷さが身に染みていく。
なにより、凄まじい数の死体死体死体で胸が押しつぶされる。
ドゥードゥードゥー、音楽に効果音が、強烈に耳に残る。
受賞歴。
2022年のアカデミー賞にて、国際長編映画賞、撮影賞(ジェームズ・フレンド)、作曲賞(フォルカー・バーテルマン)、美術賞(クリスティアン・M・ゴルトベック、Ernestine Hipper)を受賞。
2022年の英国アカデミー賞にて、作品賞、監督賞(エドワード・ベルガー)、脚色賞(エドワード・ベルガー、レスリー・パターソン、イアン・ストーケル)、外国語映画賞 、作曲賞(フォルカー・バーテルマン)、撮影賞 (ジェームズ・フレンド)、編集賞(スヴェン・ブデルマン)、音響賞 を受賞。
Netflixで2022年10月28日から配信。
ネタバレ。
好みのセリフ。
「犬に肉ひと切れ投げれば、いつだってかぶりつく。男に権力をやれば、野獣になる」
「あれは、命を賭ける甲斐はあるか?」「腹が満たされるならな」