Monkey-ATAX

北米に生息する伝説の獣人 ビッグフット を追い求め、いろいろ活動しています。

ネアンデルタール人の首飾り

2009-01-07 20:49:33 | 猿系のいろいろ


著者;ファン・ルイス・アルスアガ
出版;新評論


著者はスペイン・マドリード大学の古人類学教授
スペイン・アタプエルカ山地の遺跡(世界遺産)におけるホモ・アンテセソールの発見と研究が有名。


ネアンデルタール人は西ヨーロッパを中心に12万~20万年前から生きていました。
ところが3万年くらい前に絶滅してしまいます。

その原因としては気候変動(寒冷化)やホモ・サピエンスとの競合などが推定されてますが、はっきりとはわかってません。

4万年前にアフリカからヨーロッパに来たホモ・サピエンスとは1万年もの長きにわたり共存したり、ネアンデルタール人がホモ・サピエンスの使う新型のオーリニャック石器により虐殺された物的証拠が無かったりするので、ホモ・サピエンスは直接的に絶滅に関与したかどうかはわかりません。


体力的に強靭で、寒冷なヨーロッパに適応した体であり、たぶん言葉も話し、末期にはホモ・サピエンスに匹敵する高度な石器をもっていたネアンデルタール人。

しかしちょうど、このころのホモ・サピエンスは人類史上最速にして最大の文化的、意識的発達をしていたとき。

ホモ・サピエンスの圧倒的な食料採取力と大集団化により、ネアンデルタール人はだんだん追い詰められていきます。


この本には最新の研究成果がふんだんに紹介されています。
古人類学だけでなく、気象や植生など各方面の学説が数多くあり、結果としてどれが正しいのかと混乱もしますが、有名なわりにあまり実態が分かっていないネアンデルタール人の一般向け研究本としてはベストだと思います♪

昔のUMA本などには雪男はネアンデルタール人の生き残りとか書いてあったりしますが、この本を読めばぜったいに違うことが分かります!