「pakuさん、このままやればいいのかな?」
昼礼前にHさんに尋ねられました。
「えっ」っと横を向くと、
もうすでにSさんがわたしとHさんの間に立っていて、
「これはさ、△◎☆×〇・・・」と説明を始めていました。
人の話に割り込みはSさんの得意技です。
作業が終わった後の洗濯室でHさんがいたので、
「さっきはすみませんでした。
もうSさんが説明してたのでお話しできなくて・・・」
「いえいえ、いいのよ。気にしないでよ」
そう言われたけれど、ちょっと申し訳ない・・・。
作業終了後タイムカードを押すために時間まで並んでいます。
きのうはSさんがわたしの後ろに並びました。
すごく近くまで寄ってきて、圧迫感がすごい。
それに常に大声でしゃべっている。
いやだなぁ・・・と思っていると、退出の時間が来ました。
手にタイムカードを持ったSさんが、じりじりと押してきます。
わたしがタイムカードを押すと、間髪入れずSさんも打刻。
わたしは急いでロッカー室へ向かいます。
階段でSさんが後ろにつくと大変です。
わたしの太ももに、Sさんの太ももが重なるぐらい迫ってくるのです。
だから階段から落ちそうになります。
前の人のことなどお構いなし、我が道を行くチョーマイペース。
これもまたSさんの得意技です。
昼礼は横2列に並びます。
最初は2列に並んだ人が向き合って、お互いの服装チェック。
後ろの列の人が前の列の人の後ろに並んでいないと、
だれとだれがチェックし合うか分からずにもたつきます。
するとSさんから厳しい言葉が発せられます。
「なにやってんだよ!」
「毎日なんだからちゃんとやんなよ!」
「・・・ったく!」
それを聞かされる他の人たちは毎回苦笑い。
大声で文句を言うのもSさんの得意技。
定年でパートになるまでは、同じ現場の責任者だったらしい。
職場の立場が変わっても、自分の立場を変えられないSさんです。
「そんなに怒ったら美人が台無しだよって、言ってやろうと思って」とIさん。
「えっ??? 美人ですか、Sさんって???」とわたし。
「アハハハハ!!!、おかし~い!!!」Iさんは大笑い。
ちょっと胸がスッとしたわたしです。