女ひとり、歳をとる。

お金なしの60代、犬2匹と同居中。

きょうの満足、不満足。

2022-09-16 22:08:06 | 映画

 

きょう『エリザベス 女王陛下の微笑み』を観ました。

6月に劇場上映されていましたが、

エリザベス女王が逝去されて、追悼再上映されたので出かけました。

再上映の初日とあって混んでいて、ほとんどの席が女性で埋まっていました。

女王が生まれたころからの膨大な映像資料が、

コンテンツごとに次から次へと映し出されます。

 

テレビの特番かYouTubeのような感じでしたが、

数えきれないほどの人たちに手を振り、

乗馬と競馬を楽しみ、たくさんのユーモアのあるスピーチ、

若かったころの女王の美しさを知った映画でした。

そして、ドキュメンタリーというよも、女王の私的広告映画に感じました。

追悼という意味では、確かに今観たほうがいいとは思いますが、

わざわざ映画館へ足を運ばなくてもいいかな、とも思いました。

 

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映画の帰りは東京駅で寄り道。

来年カニを食べに行きたいと思っているので、本番前にお弁当を買ってみました。

期待していませんでしたが、カニがたくさん入っていて、

ごはんもカニ風味に味付けがしてあり、とてもおいしかったです。

値段はちょっとお高い¥1,680.-ですが、

きょうの映画の¥1,200.-よりもずっと満足しました。

 

 

 


ふたつの靴ひも。

2022-09-10 22:18:42 | 映画

 

きのう映画館で『靴ひものロンド』と、Amazonvideoで『靴ひも』を観ました。

今までAmazonvideoで観た映画はブログには上げていませんでしたが、

対照的な内容の作品で、タイトルが似ているのがおもしろいと思いました。

 

『靴ひものロンド』の家族4人はナポリで一見幸せそうに暮らしていました。

ある日、アルドは妻のヴァンダに他の女性と肉体関係を持ったと打ち明けます。

アルドは正直な関係でいたいからと言うのですが、

それを聞かされたヴァンダの気持ちは収まらず、アルドを家から追い出してしまいますが、

アルドはローマにいる肉体関係を持った女性の家に行ってしまいます。

何年もローマとナポリを行ったり来たりするアルド。

そのたびに、ヴァンダはアルドに突っかかり、家の中はいつも小さな嵐。

そして、それを小さなときから見て育った娘と息子。

娘はヴァンダに輪をかけたような小うるささ、息子はアルドのようにポーカーフェイス。

やがて、それは思いがけない形でアルドとヴァンダに降りかかってくることになります。

 

『靴ひも』の発達障害のガディは母とふたり暮らし。

ある日、母が亡くなり、ひとりで生活することが難しくなったガディ。

その葬儀の日、ガディの新しい住まいが決定するまでの数週間の面倒をみてほしいと、

ソーシャルワーカーに頼まれるルーベン。

ルーベンは生まれたガディの障害を知って、妻と子供から逃げ出したのです。

仕方なくガディと暮らし始めたのですが、36年ぶりの父子の生活は思うようになりません。

それでも、周りの人たちにも支えられながら、

ルーベンとガディは親子として、大切な友人として、心を通わせるようになりました。

やがて、ルーベンは重度の腎不全と診断され、ひどく投げやりになりますが、

それをガディは彼の精いっぱいのやさしさで支え続けます。

 

『靴ひものロンド』でアルドが子供たちに教えた靴ひもの結び方は、

普通の結び方とちょっと違っていました。

そして、日常生活もいつも口争いの絶えない親たち、その繰り返し。

わたしは自分の経験と重なって心が重苦しくなりました。

そのまま休むことができなくて、ネットでいろいろ見ていたら、

涙と笑いを交えたと、高評価の『靴ひも』を見つけ、

ちょうどAmazonvideoにもあったので、すぐに観ることにしました。

ガディは、とても素直でやさしいけれど、自分の靴ひもが結べないのです。

でも、『靴ひものロンド』とはまるで違う温かな気持ちになれました。

『靴ひも』に出会えてよかった・・・と思った夜でした。

 

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やっぱり、ブラピでしょ。

2022-09-06 22:28:00 | 映画

 

きょう、『ブレット・トレイン』を観ました。

いつも空いている地元の映画館へ行きましたが、

きょうは会員の割引日でけっこう混んでました。

年齢層もバラバラで、若いカップルから70代の人までいろんな人で、

座席の半分ぐらいが埋まっていました。

YouTubeの『ブレット・トレイン』の広告を、何度も何度も観て楽しみにしていました。

ブラピ主演だもの、面白くないわけがない!

 

休養中だったレディバグの復帰後の仕事は、

東京発京都行の高速列車の中にあるブリーフケースを盗んで、

次の駅の品川で下車するという任務でした。

ブリーフケースは簡単に見つかり品川で降りようとすると、

ドアの向こうのホームでいかつい顔つきの男性が、

レディバグに向かってナイフを振りかざして乗り込んできました。

その男性に応戦するうちにタイミングを逃し下車し損ねます。

 

そして、レディバグの命を狙うものが次々に現れます。

なぜ、レディバグは命を狙われるのか、

なぜ、9人の殺し屋たちがこの同じ高速鉄道に乗り合わせたのか、

話は複雑に絡み合って進んでいくのです。

レディバグの運命やいかに!!

 

とても面白かった、テンポが速くて、面白さが途切れないんです。

監督のデビット・リーチは『ジョン・ウィック』シリーズや、

『アトミック・ブロンド』も監督していると知って合点がいきました。

『ジョン・・・』も『アトミック・・・』もとても好きです。

とにかくアクションのテンポがすばらしい。

さすがにスタントマン出身の監督だと思いました。

ちょっとタランティーノっぽいグロさもありますが、

ブラピの勢いがスクリーンいっぱいで、とても楽しめました。

 

きのうは妹の命日でした。

10代のころは映画好きの妹とよく映画を観に行きました。

わたしが映画館に行くようになったのは、妹の影響もあります。

もし、きょう一緒に観たら、感想はどうだったかな?

ちょっと聞いてみたいと思いました・・・。

 

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不条理の行方。

2022-08-19 23:01:05 | 映画

 

きのう『アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台』を観ました。

舞台俳優のエチエンヌは、刑務所のワークショップの講師として、

囚人たちに演技を教えていました。

エチエンヌはかつて演じたことのある戯曲「ゴトーを待ちながら」が、

囚人たちのと心理に通じるのではと思い演目に選びました。

囚人たちはいつも待っています。

なかなか叶うことのできない、面会に来る家族や友人を、

欲しいものの差し入れを、そして、出所の日を・・・。

 

やがて、エチエンヌの情熱は刑務所長を動かします。

囚人たちは刑務所の外の一般の劇場で「ゴトーを待ちながら」を演じることになりました。

ワークショップや休憩時間で、稽古に取り組んできた囚人たち。

いよいよ本番、緊張マックスの囚人たちを舞台の袖で見守り励ますエチエンヌ。

公演が終わると大きな拍手とスタンディングオベーションが起こります。

それは話題を呼び、全国の劇場を回るツアーが始まることになりました。

 

どこの劇場も満員、そして、大きな感動を起こしますが、

刑務所に戻る囚人たちはいつも身体検査で、

家族や知人、観客からもらったプレゼンとのほとんどを回収されてしまうのです。

大きな満足と、大きな失望を繰り返す囚人たち。

しかし、パリの大劇場オリオン座からオファーが来ました。

エチエンヌも囚人たちもその公演に向けて熱い稽古が続きます。

そして、いよいよ、オリオン座公演の本番。

客席には、政府の要人の姿もありました。

どんなフィナーレを迎えることになるのでしょうか。

 

「ゴトーを待ちながら」のことはまったく知らないのですが、

ウィキペディアによると不条理演劇の代表作だそうです。

『アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台』は、

まさにそんな不条理をえがいていますが、エチエンヌはそれを受け止めます。

そのことはネタバレになるのであまり書けませんが、わたしはとても感動しました。

いつもエンドロールを観ないで席を立っていますが、

ずっと余韻が残ってこの日は最後まで観てしまいました。

ちなみにスウェーデンで実際にあったことを映画にしたそうです。

演者たちは重罪犯の囚人ばかりでしたから、日本ではちょっと考えられないでしょうね。

 

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愛のロードムービー。

2022-07-24 22:21:29 | 映画

 

先日の胃カメラの日、映画を2本観ました。

最初に観たのは『君を想い、バスに乗る』です。

永年連れ添った妻のメアリーを亡くしたトムは、

以前からメアリーと行こうと言っていたイギリス最南端の岬ランズ・エンドへ、

イギリスの最北端の村から、路線バスのフリーパスで出発しました。

 

バスを乗り継ぎ、途中、色々な出来事が起こります。

ある日混雑したバスの中、目以外を覆ったイスラム教の黒い衣装の女性に、

ひどい言葉で何度も突っかかっている男性がいました。

あまりのしつこさを見かねたトムはやめるように言いますが、

まったくやめようとしません。

トムがバスを降りろ!と言うと、男性に突き飛ばされ倒れてしまいます。

でも、他の乗客たちも、降りろ!降りろ!と言いだし、

やっと男性はバスを降りました。

そして、何人もの人が動画を撮っていて、それをSNSに上げていました。

 

バスで旅するトムはSNSで多くの人に知られることとなり、

ラジオでも取り上げられます。

バスの車中や、その他の場所でいろいろな人と出会いますが、

90歳で癌のトムに残されている時間はありません。

たくさんの好意を受けながらも、ランズ・エンドへの旅を急ぎます。

 

トムとメアリーが結婚した後、ランズ・エンドからスコットランドの最北端の村へ、

逃げるようにしてやってきたのには理由がありました。

トムのバスの旅のシーンの間に、若いころのトムとメアリーの様子が出てきます。

それでその訳は分かりましたが、わたしにはすこし理解しにくかったです。

もし、わたしがメアリーなら、ずっとランズ・エンドで暮らすでしょう。

あんな遠くに行くなんて考えられません。

あまり書くとネタバレになってしまうので止めます。

 

それにしてもトム役のティモシー・スポールの演技は見事でした。

ハリーポッターシリーズでヴォルデモートの手下を演じていたときは太っていましたが、

今回は90歳の役ということもあってか、とても痩せていました。

実年齢よりも30歳以上も老いた役作りのためなのかしら・・・。

少し猫背のヨタヨタとした歩き方、噛みしめるような話し方、

動作のひとつひとつが90歳でした。

 

ひとつの愛を想い、ひたすらにそれに向かって歩いて行く。

それはとても素晴らしく感動的です。

でも、わたしにはできないな。

ま、だからひとり暮らしなのですが・・・。

それにしても、イギリスの穏やかな田園の景色は美しかったです。

 

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