あるYouTubeでとてもよいと紹介されていた『最後の決闘裁判』を観てきました。
そのYouTubeは中年男性2人が掛け合いながら、映画の紹介をしています。
(おじさんといっても、ふたりともわたしより年下です)
『ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、突っ込みどころ満載で紹介をしていました。
いくつかほかの映画紹介のYouTubeも見ましたが、
とても評価が高くて、わたしが感じたものとはずいぶん違っていましたが、
おじさん2人の『シネマサロン 映画業界ヒットの裏側』を見たら、
そうそう、そうそうと頷くことばかりで、
わたしの中のモヤモヤしたものがスーッと消えていき、
これで『ノー・タイム・トゥ・ダイ』を観終えた気持ちになりました。
そして、そのおじさんたちが推している『最後の決闘裁判』なら観よう!
と出かけて行きました。
1386年、フランス、パリ。
騎士のカルージュの妻マルグリッドが、夫の友人のル・グリにレイプされたと訴えます。
ル・グリは無実を主張しますが、マルグリッドは自分の訴えが真実であると訴え続けます。
そして、その判決は決闘裁判に委ねられることになりました。
勝者が勝訴、敗者は敗訴と、神が判決を下すのです。
決闘裁判は国王や近隣領主たちが見守り、決闘場周りには大勢の見物人が群がっています。
そして、決闘は始まります。
被害者の夫カルージュ、容疑者のル・グリ、被害者のマルグリッドの、
3人の視点から事件が描かれていきます。
元々粗野で自己を押さえられないなカルージュは、領主からは煙たがられていました。
頭がよくて人当たりもよく好感を得るのがうまいル・グリ、
領主に気に入られて実力のある片腕となり、
やがて友人だったカルージュと溝ができていきます。
そして、教養高くとても美しいルグリッドに恋してしまうル・グリ。
その3人の一瞬の隙に事件は起こりました。
決闘シーンの迫力もさることながら、
3人とそれを取り巻く人々の心理を実に丁寧にも描いています。
舞台は中世のヨーロッパですが、
ちょっとした話し方、感情の表し方、自分の主張の伝え方、
現代のわたしたちも同じような場面に出会うなと思いました。
そして、中世フランスの男性中心の世界、貴族たちの美しい衣装、
妊娠やセックスに関する驚くような当時の常識を、
カルージュ役のマッド・デイモン、領主役のベン・アフレック、
ほかにもひとりの人が一緒に脚本を書いています。
演出、脚本、キャストの3拍子がぴったりと揃った感じで、
映画を観たぞ!っていう満足度がマックスでした。
『シネマサロン 映画業界ヒットの裏側』は、若い人たちの映画紹介とは少し違います。
飲み屋で映画好きのおじさんたちと話している気持ちになります。
アナログな感じがとても心地よい。
もう少し洋画の割合が多いとうれしいなぁ。
視聴回数は少ないのですが、頑張ってほしいです。