女ひとり、歳をとる。

お金なしの60代、犬2匹と同居中。

カメレオン。

2018-04-26 23:40:18 | 日記

20年ほど前、派遣社員で働いていたとき、

旅行の費用がないので、早朝の市場のアルバイトをしました。

朝5時から8時までの海鮮物の仕分け作業。

1月か2月だったでしょうか。

朝5時の外はまだ真っ暗で、とても寒かったです。

そこが終わってからでも、10時からの派遣先には間に合いました。

当時、そこで働いていた人たちは、

年配の女性、出稼ぎ中国人などが多かったようです。

 

3,4日たって少し作業に慣れたころ、

隣で作業している年配の女性が話しかけてきました。

「秋にさ、社員旅行があるんだよ。

あんた、旅行なんか行ったことないんだろ。

日帰りだけどね、楽しいよ。一緒に行こうね」

 

わたしは南の島への、

ダイビングツアー代のために働いているのに、

その言葉を聞いて居たたまれなくなり、

そこで働いている方々に申し訳なくて、1週間で辞めました。

 

今の仕事の帰りにスポクラに行くために、

荷物を抱えて出勤しています。

「そのバッグなに?」

「帰りにスポーツクラブに行くのでその荷物です」

「あっ、そうなの。いくらかかるの?」

ロッカーで聞かれたことは、

あっという間にパートさんたちに広がりました。

 

パートさんの中でも一番の古株のSさん。

彼女はパートさんの中でただ一人、スポクラに通っています。

「あんた、ジムに行ってるんだって?」

「はい」

「どれぐらいやってんのさ」

「まだ2ヶ月ぐらいです」

「週に何回?」

矢継ぎ早にいろいろと聞かれました。

ニコリともせず、まるで尋問のような感じ。

 

どうせなら、Sさんの通っている

スポクラの様子とか聞いてみたかったのですが、

そんな雰囲気ではありませんでした。

 

みなさん、清掃の仕事にン十年という方々。

一般企業の事務職上がりのわたしは、異端者かもしれません。

その異端者でも、今の職場でうまくやっていきたいのです。

60過ぎのわたしにほかに勤める所がありません。


わたしは生活に少しの潤いを足したくて、

今の仕事をしています。

「他の仕事はしてないの?」

「家は賃貸、持ち家?」

「年金って自分のなの?」

そう聞かれるたびに、馬鹿正直にこたえていたわたし。

無口でいたほうがよかったのかな・・・。


きょうは一度家に帰ってから、スポクラへ行きました。

家に帰って出直すのは大変そうでしたが、意外に大丈夫でした。

出勤時の荷物は控えめに、いろいろな質問の答えも控えめに、

これからはカメレオンのように、

職場の色に合わせようと思います・・・。