「ずっとひとりだから寂しくないでしょ?」
結婚している友人から言われた言葉。
「うん。全然寂しくないよ」
と返事をしたものの、なんだか胸がモヤモヤしました。
その友人はご主人に対していろいろな不満があります。
一番の不満は仕事をよく休むこと。
生活費を入れてくれないので、
彼女の収入で家計費はやりくりしています。
その彼女も定年になり、
お給料が半額の嘱託で仕事を続けています。
「お金のことはもういいの。
でもね、仕事はきちんと行ってほしいんだ」
と彼女。
すると別の友人が彼女に聞きました。
「彼と別れたら寂しいのかな?」
そして、冒頭の会話へ続きました。
今のわたしは普通に暮らしています。
この歳までいろいろな感情は、
たくさんの時間を乗り越えてきました。
険しい山道を登り切れずに、
寂しさの谷底へ転げ落ちたことも何度かありました。
でも、ずっとひとりでいたから、
寂しさに慣れているんじゃない・・・。
ひとつひとつの寂しさを経験し、
ひとつひとつをわたしなりに消化してきました。
そして、最近やっと、
寂しさと人生を共にする覚悟ができた感じがします。
ずっとひとりでいたからじゃなく、
どんなこともひとりで受け止めようって決めたから、
迷わなくなっただけだと思います。
わたしが友人の立場ならとっくに別れています。
寂しさよりも優先させたいことがあるから・・・。
でも、彼女には彼女の考えや感情があって、
そのことは尊重したいと思います。
寂しさの質はさまざまで、
他人がそれをすべて理解することはできません。
寂しさの谷底へ落ちたのは遠い昔。
今ならゆっくり思い出せます。