きょうスマホで、
フリーランスライターの石田雅彦さんが書かれた、
『なぜ保護したスズメを飼ってはいけないのか』
という記事を読みました。
鳥獣保護管理法という法律で、
スズメを含む鳥獣の狩猟には狩猟免許、
駆除や捕獲には捕獲許可が必要になり、
狩猟で捕獲したスズメをどうするかは、
捕獲した本人に任されていて、焼いて食べてもよいし、
飼養の登録をすれば飼育できるそうです。
ただし、
愛玩目的の飼育の許可は、
なかなか出ないのが現状のようです。
今から20年ほど前、
巣から落ちたスズメのヒナを保護したことがあります。
よく見るとほとんど裸で、片方の翼が折れ曲がっていました。
これは親鳥が巣へ戻したとしても、
飛ぶことはできず死んでしまう・・・、
そう思って手に取ると、
とても温かく、とてもはかなげでした。
鳥の飼育に詳しい知人に聞いて、
2時間おきに栄養価の高い穀類の餌を与えました。
勤めていましたので、毎日一緒に出勤。
当時の上司はおおらかな人で、
わたしがロッカーにスズメを置いておくことも黙認。
昼休みはみんなで餌やりし、手乗りのスズメに成長し、
チュンチュンという名前を付けました。
すっかりわたしに慣れたチュンチュン、
わたしもチュンチュンに慣れて、緊張感が緩んでいました。
半年ほどしたある日ロッカーで、小鳥箱から出しておきました。
どうせ飛べないから大丈夫だと思って・・・。
しばらくしてロッカーへ行くと、
チュンチュンが床で横たわっていて、すでに息絶えていました。
ロッカーで大号泣、お岩さんのようになった顔で席に戻り、
事情を話して早退しました。
わたしの人生で一番泣きました。
石田さんは言っています。
「厳しい表現になるが、
人間に保護されなければ死んでしまうような個体は、
自然界の生存競争でも淘汰されていただろう。
死ぬことは新しい生命への再生でもある。
人間が自然に介在しすぎないことは重要で、
野生生物とペットは違う。
スズメを含む野生生物は、
野生の環境で自然のままに観察することが基本だ」
わたしのチュンチュンへの対応は、
ペット扱いそのものでした。
わたしの心を温かくしてくれて、
ダイビングのために八丈島へも一緒に旅しました。
でも、それまで鳥には関心がなかったわたしが、
ライオンや、ザトウクジラなどの、
ほかの動物同様に見ることができるようになったこと。
チュンチュンがわたしに遺したものです。