女ひとり、歳をとる。

お金なしの60代、犬2匹と同居中。

チュンチュンが遺したもの。

2018-03-29 23:26:47 | 日記

きょうスマホで、

フリーランスライターの石田雅彦さんが書かれた、

『なぜ保護したスズメを飼ってはいけないのか』

という記事を読みました。


鳥獣保護管理法という法律で、

スズメを含む鳥獣の狩猟には狩猟免許、

駆除や捕獲には捕獲許可が必要になり、

狩猟で捕獲したスズメをどうするかは、

捕獲した本人に任されていて、焼いて食べてもよいし、

飼養の登録をすれば飼育できるそうです。

ただし、

玩目的の飼育の許可は、

なかなか出ないのが現状のようです。


今から20年ほど前、

巣から落ちたスズメのヒナを保護したことがあります。

よく見るとほとんど裸で、片方の翼が折れ曲がっていました。

これは親鳥が巣へ戻したとしても、

飛ぶことはできず死んでしまう・・・、

そう思って手に取ると、

とても温かく、とてもはかなげでした。


鳥の飼育に詳しい知人に聞いて、

2時間おきに栄養価の高い穀類の餌を与えました。

勤めていましたので、毎日一緒に出勤。

当時の上司はおおらかな人で、

わたしがロッカーにスズメを置いておくことも黙認。

昼休みはみんなで餌やりし、手乗りのスズメに成長し、

チュンチュンという名前を付けました。


っかりわたしに慣れたチュンチュン、

わたしもチュンチュンに慣れて、緊張感が緩んでいました。

半年ほどしたある日ロッカーで、小鳥箱から出しておきました。

どうせ飛べないから大丈夫だと思って・・・。


しばらくしてロッカーへ行くと、

チュンチュンが床で横たわっていて、すでに息絶えていました。

ロッカーで大号泣、お岩さんのようになった顔で席に戻り、

事情を話して早退しました。

わたしの人生で一番泣きました。


石田さんは言っています。

厳しい表現になるが、

人間に保護されなければ死んでしまうような個体は、

自然界の生存競争でも淘汰されていただろう。

死ぬことは新しい生命への再生でもある。

人間が自然に介在しすぎないことは重要で、

野生生物とペットは違う。

スズメを含む野生生物は、

野生の環境で自然のままに観察することが基本だ」


わたしのチュンチュンへの対応は、

ペット扱いそのものでした。

わたしの心を温かくしてくれて、

ダイビングのために八丈島へも一緒に旅しました。

でも、それまで鳥には関心がなかったわたしが、

ライオンや、ザトウクジラなどの、

ほかの動物同様に見ることができるようになったこと。

チュンチュンがわたしに遺したものです。