ひねもすのしのし。

オタクおばさんの太平楽な日々

愛は切ない。愛は切れない。

2010-06-09 23:34:04 | 映画
今日、観てきました。「座頭市 THE LAST」

巷にはこっぴどく叩く輩も大勢いるようですが、そんなの気にしない、気にしない!
私は、十分楽しめました。映画として。
実は昨晩、1時間半くらいしか寝てなかったんで「こりゃヤバい。つまんなかったら確実に寝てまう!」と危惧してたんですが、寝たのはほんのちょっとで…って、まあちょびっとは寝ちゃったんですがね。

映画館は、うしろほぼ三分の二が埋まってる感じ。
やっぱ、客層はアダルティーだ。今までの慎吾ちゃん映画と明らかに雰囲気が違う。
座席No.は、G12。
知ってたよ、画面に右寄りだってのは。
ほんとはH10くらいが観やすいのに…ついそういう番号を選んでしまう…サガだわ…。

おっと、映画の話。
最初5分で、ボロ泣き…。
CMでさんざんやってたあの、石原さとみ演じる妻・タネの死のシーンですね…。
あんだけ観てたのにね。
石原さとみ、いい表情するな~~~。
小さな幸せをそっと育もうとしていた若い2人が、理不尽に引き裂かれる…市の絶叫が胸に痛い。

慎吾ちゃんの市、私は好きだった!
大きな体に切なさが溢れてて、申し訳なさそうに体を縮めるようにして絞り出す「すいやせん…」が、なんとも哀しくて。
コミカルなシーンも結構あって、くすくす笑えてでもなんか鼻の奥がツーンと…。
その辺のバランスは、ほんと良かったと思う。

目を閉じたままの殺陣。
けして、華麗でスピーディというものではなく。
むしろ少し不格好に、生きる為に必死に仕込み杖をぶん回してるという感じ。
「斬りたくない、殺したくない」のに、そうせねばならない、その矛盾とやり切れ無さが噴き出すような、そんな殺陣でした。
だからかな~、ま、ハッキリ言って時代劇の魅力であるはずの「爽快感」や「カタルシス」がない。
ラスボス・仲代達矢との決着も、「あれ?そうだったの?」的な終わり方ですっきりしなかった。
そこが監督の狙いなのかも知れないけど…うーん、ちょっとそこは気持ちよくなりたいんだよなー、観てる側としては。

そして豪華な俳優陣が脇を固めまくり。
なかでも倍賞美津子と原田芳雄が、素晴らしかったー!
市が身を寄せたかつての友の母。やくざものの市を煙たく思いながらも最後には、つくろってやった外套ごと抱きしめ「帰ってこい」と送り出す。
雪の中、ロングショットで長回しのこのシーンは、ほんとに良くて!
会場のあちこちから鼻をすする音が…。
私ももちろん、涙止まらず!

そして大御所・仲代達矢。
実は、さっき言った寝ちゃったシーンって、ほとんどがこの人のとこだったりして。
いや!素晴らしいんですよ。エキセントリックで不気味な悪役を、独特のオーラでね、えーそりゃもう凄かった。
ただ、その独特の間が…まるでシェイクスピア劇を観るがの如くのあれが…眠気を…すんませんっっ、仲代しぇんしぇいっっ。

ただ…豪華俳優集め過ぎたのか、なんかもう登場人物多すぎ!
もうちょっと人数絞って、掘り下げた方が良かったんじゃないかって思っちゃう。
でもって人、死に過ぎ!
止めがあのラスト。
うーん、あれは…どうなんだろう~~~~?
未だに私の中でも、整理がつきません。
やっぱり、「爽快感が無い!」ここに尽きるのかも。
「座頭市」に、そんな人間の業のドラマとかって、あんま皆求めてないんじゃないかね~。
普通に、バッタバッタと悪者なぎ倒してまた旅立って行ってくれれば、それでよかったんじゃないかね~。
「LAST」にする必要も、これあったのかね~。

なーんてね、慎吾ちゃんの市がね、他の人がどう言おうと私はえらく好きになってしまったのでね、そんな不満も持ってしまうのかも、です。

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