先日、昨年末からずっと気になっていた「この世界の片隅に」を、やっと観てきました。
そんなに混んでなかったけど、お客の年齢層が高い!まあ自分も含めてだけどさ。
で、感想はなんですが。
爆発的なヒットではないけど、じわじわ観客数が伸びている…なるほどな。
ほんと、いい映画だと思いました。
過酷な状況下にあっても、いつもポヤポヤと笑っているすずさん。
ただひたすら流されて生きているように見える彼女に少しイラつきながらも、「そうだよな。人ってそんなに我を張っていけるもんじゃないよな」とどこか安心もさせられ。
淡い水彩のような画面で描かれる、戦時下での日々の暮らし。
やがて近づく「その日」。
昭和20年の3月を越えたあたりから、なんとなく心がざわつき涙がこみ上げてきた。
ブワッと泣けるというより、じわじわくる感じ。
この作品には、ただの一人の英雄も英傑も登場しません。
でも、とても力強い。
今の日本は、こういう名もない市井の人々の声なき努力(おそらく当人たちはそう思っていない)の上に成り立っているのでしょう。うん。感謝。
あと、キャスティングも良かった。
「のん」をすずさんに起用した、これ素晴らしかった!
あのポワンとした優しい声を、細やんや小野Dといった実力のあるイケボ声優ががっちり支えるというね、ニクいキャスティングでしたな、これは!
派手さはないけど、みんな観に行った方がいいよ!っていう良作でした。
こういう映画が口コミでじわじわ人気が出たっていうのもね、なんか嬉しいかな。