「ザ・キャラクター」 2010.06.30 14:00~ 東京芸術劇場中ホール
野田さんのお芝居は3回目。前回行ったのは、昨年の「ザ・ダイバー」
それに比べると、箱も大きいし、出演者も圧倒的に多い。。。
席は1階のF列のセンターブロック・・・すごいいい席なんだけど。。。
ちょっと残念だったのは、前の方は傾斜がほとんどないので、私の前の席の女性が座高を高く座っていて、見えないことが多々あったこと
席を前の列と少しずらすように配置してくれると見やすいのに。。。
銀粉蝶さんが、稽古中に骨折されて、この日の代役は高橋恵子さん。でも、翌日の7/1から復帰されたとのことなので、高橋さんは最後の日だったんですね・・・
感想を書きたいんですが・・・ネタバレ満載なので、これから行かれる方は気をつけてください。
一番の感想は、なぜ、今このテーマでの作品ってことですね。
見た方はすぐに、あの宗教団体の事件をなぞってるってわかると思うんですが、、、もちろん、あんな大事件だし、忘れてはいけない事件だし。。。でも、なぜこのタイミングでの上演?ってのを一番思いました。
それと、、役者さん。。。特に宮沢りえさんのすごさに圧倒されましたね・・・
初めて宮沢りえさんの舞台を見たんですが、画面を通じて私が持っていた、「はかない」とか「可憐」とかいうイメージが一掃されました。力強く存在感抜群で、見ている人をどんどん引き込む演技力・・・彼女が、いろいろな舞台に呼ばれるわけがよくわかりました。この方は舞台で一番映えるのかもしれません
冒頭のシーンから引き込まれました。たくさんの役者さんが舞台にどんどん上がってくる・・・これは現実の世界か夢の世界か。。。それとも・・・
宮沢りえさん演じる「マドロミ」がその中から浮き出されるようにセリフを言う。一気に野田ワールドへと堕ちていったって感じです
ある町の書道教室に入って以来行方不明になった弟を探すマドロミと、同じく行方不明になった息子を探して教室に潜入しようとするオバチャン。
この2人を通して、書道教室=教団の犯罪と現在の状況を暴き出していきます。
書道教室に入った人々は、いつしかカルト教団の一員となり、犯罪を見てみぬふりをしたことから、抜けられなくなってくる・・・あの宗教団体もそうだったのでしょう。
田中哲司さん演じる新人が、どんどん洗脳されていく様は。。。その当時の宗教団体に入っていった若者をなぞらえているよう・・・怖いですよね
そして、最後まで。。。誰も救われない。このラストでいいのか?見終わったあとに苦しくなるような感覚。年月がたてば衝撃的な事件でも、どんどん風化していき、記憶から抜け出ていく・・・それでいいのか?と野田さんは問いかけたかったのだろうかと思いました。。。それにしても、ハッピーエンドでない(まあ、このテーマでハッピーエンドはありえないんだけど)し、あまりに生々しい内容だっただけに、衝撃が大きかったです。。。
それとは別に。。。
「書道教室」=紙から神、神から宗教、ギリシャ神話、このあたりの野田ワールドが見事
半紙を使った演出とか、「袖」と「神」という文字とか、漢字の成り立ちとか。。。こういう言葉遊びが見事で。それもテンポよく流れるから、どんどんと野田ワールドにはまっていきました。面白いです。
舞台も、大きな紙を用意し、そこに字を書くのかと思いきや、床に書きそれをカメラで映すという演出も面白かったです。床には筆に水をつけて書くと、浮き上がるようなしかけになってるみたいですね。
開演前に係りの方が「水が飛ぶかもしれませんが、水道水です」と前の方の席の人に案内してるのを思い出しました。
テンポ感はすごくよいし、各役者さんの演技も見事だから、お芝居としてはいいのでしょうけど、、テーマがあまりにも重いし、ラストが救われないし。。。なので、ものすごくよかった!という感想はもてなかったという感じです
正直、日本中総寝不足状態のパラグアイ戦のあとだったので、お芝居見ながら寝ちゃったらどうしようと思ってたんですが、そんなことは全くないくらい引き込まれたお芝居でした。
役者さん個々だと、さきほども書きましたが、宮沢りえさんは本当にすごかった・・・ステキだった。発声もすごいんですね。あの細い体のどこにそんなにパワーがあるんだろうって思いながら見てました
代役だった、高橋恵子さんもステキでした。最初出てきたとき、衣装とか髪型を見て、北陽のアブちゃんかと思っちゃった。。銀粉蝶さんとはキャラも違うから、違う「オバチャン」像だったかもしれないですね。
古田さんは、本当に上手いんだけど。。。私は、やっぱり新感線の古田さんの方が好きだなあ。
そして、橋爪功さんは存在感抜群。物忘れが激しい役で、セリフもそんな感じなんだけど、思わず、地で忘れちゃってるんじゃないの?なんて思っちゃいましたよ。
あとは、美波ちゃん。。。よかった~私は「有閑倶楽部」でしか見たことがなかったけど、こんなにすごい役者さんだとは思ってなかった。。。可愛いし。。。途中月桂樹にされてしまうところなんて、圧巻でした
野田さんのお芝居って、こういう社会的な題材で、やりきれない気分になるんだけど。。。それでも、やっぱりまた見たいなって思うのはなんでだろう
野田さんのお芝居は3回目。前回行ったのは、昨年の「ザ・ダイバー」
それに比べると、箱も大きいし、出演者も圧倒的に多い。。。
席は1階のF列のセンターブロック・・・すごいいい席なんだけど。。。
ちょっと残念だったのは、前の方は傾斜がほとんどないので、私の前の席の女性が座高を高く座っていて、見えないことが多々あったこと
席を前の列と少しずらすように配置してくれると見やすいのに。。。
銀粉蝶さんが、稽古中に骨折されて、この日の代役は高橋恵子さん。でも、翌日の7/1から復帰されたとのことなので、高橋さんは最後の日だったんですね・・・
感想を書きたいんですが・・・ネタバレ満載なので、これから行かれる方は気をつけてください。
一番の感想は、なぜ、今このテーマでの作品ってことですね。
見た方はすぐに、あの宗教団体の事件をなぞってるってわかると思うんですが、、、もちろん、あんな大事件だし、忘れてはいけない事件だし。。。でも、なぜこのタイミングでの上演?ってのを一番思いました。
それと、、役者さん。。。特に宮沢りえさんのすごさに圧倒されましたね・・・
初めて宮沢りえさんの舞台を見たんですが、画面を通じて私が持っていた、「はかない」とか「可憐」とかいうイメージが一掃されました。力強く存在感抜群で、見ている人をどんどん引き込む演技力・・・彼女が、いろいろな舞台に呼ばれるわけがよくわかりました。この方は舞台で一番映えるのかもしれません
冒頭のシーンから引き込まれました。たくさんの役者さんが舞台にどんどん上がってくる・・・これは現実の世界か夢の世界か。。。それとも・・・
宮沢りえさん演じる「マドロミ」がその中から浮き出されるようにセリフを言う。一気に野田ワールドへと堕ちていったって感じです
ある町の書道教室に入って以来行方不明になった弟を探すマドロミと、同じく行方不明になった息子を探して教室に潜入しようとするオバチャン。
この2人を通して、書道教室=教団の犯罪と現在の状況を暴き出していきます。
書道教室に入った人々は、いつしかカルト教団の一員となり、犯罪を見てみぬふりをしたことから、抜けられなくなってくる・・・あの宗教団体もそうだったのでしょう。
田中哲司さん演じる新人が、どんどん洗脳されていく様は。。。その当時の宗教団体に入っていった若者をなぞらえているよう・・・怖いですよね
そして、最後まで。。。誰も救われない。このラストでいいのか?見終わったあとに苦しくなるような感覚。年月がたてば衝撃的な事件でも、どんどん風化していき、記憶から抜け出ていく・・・それでいいのか?と野田さんは問いかけたかったのだろうかと思いました。。。それにしても、ハッピーエンドでない(まあ、このテーマでハッピーエンドはありえないんだけど)し、あまりに生々しい内容だっただけに、衝撃が大きかったです。。。
それとは別に。。。
「書道教室」=紙から神、神から宗教、ギリシャ神話、このあたりの野田ワールドが見事
半紙を使った演出とか、「袖」と「神」という文字とか、漢字の成り立ちとか。。。こういう言葉遊びが見事で。それもテンポよく流れるから、どんどんと野田ワールドにはまっていきました。面白いです。
舞台も、大きな紙を用意し、そこに字を書くのかと思いきや、床に書きそれをカメラで映すという演出も面白かったです。床には筆に水をつけて書くと、浮き上がるようなしかけになってるみたいですね。
開演前に係りの方が「水が飛ぶかもしれませんが、水道水です」と前の方の席の人に案内してるのを思い出しました。
テンポ感はすごくよいし、各役者さんの演技も見事だから、お芝居としてはいいのでしょうけど、、テーマがあまりにも重いし、ラストが救われないし。。。なので、ものすごくよかった!という感想はもてなかったという感じです
正直、日本中総寝不足状態のパラグアイ戦のあとだったので、お芝居見ながら寝ちゃったらどうしようと思ってたんですが、そんなことは全くないくらい引き込まれたお芝居でした。
役者さん個々だと、さきほども書きましたが、宮沢りえさんは本当にすごかった・・・ステキだった。発声もすごいんですね。あの細い体のどこにそんなにパワーがあるんだろうって思いながら見てました
代役だった、高橋恵子さんもステキでした。最初出てきたとき、衣装とか髪型を見て、北陽のアブちゃんかと思っちゃった。。銀粉蝶さんとはキャラも違うから、違う「オバチャン」像だったかもしれないですね。
古田さんは、本当に上手いんだけど。。。私は、やっぱり新感線の古田さんの方が好きだなあ。
そして、橋爪功さんは存在感抜群。物忘れが激しい役で、セリフもそんな感じなんだけど、思わず、地で忘れちゃってるんじゃないの?なんて思っちゃいましたよ。
あとは、美波ちゃん。。。よかった~私は「有閑倶楽部」でしか見たことがなかったけど、こんなにすごい役者さんだとは思ってなかった。。。可愛いし。。。途中月桂樹にされてしまうところなんて、圧巻でした
野田さんのお芝居って、こういう社会的な題材で、やりきれない気分になるんだけど。。。それでも、やっぱりまた見たいなって思うのはなんでだろう