Ｋ先輩、Ｔ先輩と三人で「来良し」にて帰りの一杯飲み。開始しばらくして、ちょうどわれわれのテーブルを横切ってお手洗いに行く男性が軽く会釈をしてくる。「あれ？Ｆさんちゃう？」と三人で顔を見合わせる。Ｆ社のＦ社長だ。お手洗いから帰ってきたところでまた「どうも」と軽くご挨拶をする。しばらくすると、店の大将がグラスを三つ持ってくる。「Ｆさんから、日本酒の差し入れがあるみたいですよ」。ほどなくして、一升瓶を抱えてＦさんがこっちに来る。「みんな日本酒飲んでるから、これいけるかなと思って」と「川辺」を注いでくれた。「ああ、すんません。社長お一人ですか？」、「せやねん、ここ馴染みで、カウンターで一人やってん」、「そしたら、こっちに合流しません？」とお誘いすると、箸と皿を持って、われわれのテーブルに座られた。三人とも、それぞれ過去に仕事や研修などで絡んでいる大先輩である。そこから3時間弱、Ｆさんの昔の武勇伝や、現在京都大学の修士課程で財務を勉強している話などを聞いて、大いに刺激を受ける。実は、Ｆさん、直接の部下や同じ所属になったことはないが、密に私淑していた先輩である。こうやってじっくり飲むのは初めてだが、やはりすごい人だ。帰りの一杯飲みに、素晴らしい付加価値が付いた。
