行政書士・社会保険労務士 大原事務所

人生も多分半ばを過ぎて始めた士業。ボチボチ、そのくせドタバタ毎日が過ぎていく。

打って変わって

2014-05-22 11:40:19 | 出版業界
 昨日とは打って変わって五月晴れ。
 半袖は本当に楽。歳をとると服の重さが荷になる。
 暫く前までは6月から9月までは夏の恰好をした。スーツも夏用にする。春秋用のスーツから夏用のスーツにかえた時、夏服の軽さに驚く。若い頃はそんなに感じなかったと思うのだが、ここ10年位特に感じる。あまり楽なので近年は5月から10月まで夏服にしている。上着を着ない期間も長い。歳をとったとは思いたくないのだが、こんなことも歳のせいなのか。
 サラリーマンの頃、若い時は外回りが多かったが、真夏でもスーツ姿だった。世の中がまだまだお客さんの前ではスーツじゃないと失礼になるという感覚だった。しかもサマースーツは贅沢品で春秋ものをそのまま夏も着ていた。
 30年近く前の話。夏の熱い長野の盆地を営業で歩いた。汗がひたたる。上着を脱いで左腕に掛けた。一度そうすると、二度と着る気がしない。
 善光寺近くの老舗の書店。飛び込み営業。
 「まいどー!○○出版ですが」と店に入った途端しかられた。
 「君は営業のくせに半袖に上着も着ないで挨拶するのか!」
 連日30度を越えていたと思う。今ならネクタイをしているだけ褒められても良い位だと思うのだが、当時はそうでもなかった。第一、私に怒鳴った店の主人と思しき初老の男性はネクタイに上着姿だった。
 カバンを下に置いて、急いで上着を着た。
 「すいません」と謝ったのだが、機嫌は直らなかった。
 「全く、非常識だろう・・・・・・」
 ブツブツが止まらない。仕方ない。これでは商売にならない。帰ろう、と思った時、その主人と思しき人の後ろから声が掛かった。
 「良いんですよ、こんなに暑いのに、上着なんて・・・、私がお相手しましょう」
 中年の女性が顔を出した。
 初老の男性は相変わらず何事かブツブツ言いながらバックヤードに姿を消した。
 女性と名刺交換した。名刺には代表取締役と書かれていた。
 「すみませんねえ、先代の頃から働いて貰ってる専務なんですけど、頭が固くて、気にしないで下さい」
 少しだけ注文を貰って、次の店を回った。
 その日私は結局ホテルに帰るまで上着を脱がなかった。暑いのも我慢していれば何とか耐えられる。一度脱ぐと着られなくなる。



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