行政書士・社会保険労務士 大原事務所

人生も多分半ばを過ぎて始めた士業。ボチボチ、そのくせドタバタ毎日が過ぎていく。

おばけミカン

2014-05-28 14:18:09 | 日記・エッセイ・コラム
 非常識に大きいミカン?晩白柚(バンペイユ)というそうだ。
 熊本に親戚があるという知人から一個貰った。二個送ってもらったので一個あげるという。熊本の名産らしい。一個とはいうが、並の一個ではない。子供の頭ではなく、大人の頭程もある。いったいこの果物は何故これ程に大きくならなくてはいけないのだろう、と考えてしまった。
 どうするか?あまりに大きくて途方にくれた。家人も私も柑橘類は食べるが、大好きという訳では無い。大きすぎて食べきれないと思った。余ったからといって捨てるのはもったいない。かといって半分食べた物を人にあげる訳にもいかない。貰っておいてなんだが迷惑な大きさである。
 友人とは一週間に一度は会う。黙っている訳にもいかず、きかれもしないのに
 「この前の晩白柚っていうの、初めて食ったけど美味かった」と言ってある。
 食べなくてはならない。
 かれこれ一カ月悩んで、とりあえず食べてみることにした。
 驚いた。皮が厚い。黄色い皮とその内側の白い部分で全体の二割から三割はありそうだ。いきおい食べる実の部分は七、八割というところ。全部皮を剥いてしまえば大人の頭も子供の頭になる。
 果肉はあっさりしていた。ひどく酸っぱいわけでも甘いわけでもない。かすかな酸っぱさと、甘味がある。大好きにはなれそうにないが、不味いか美味いかというと、美味い。
 たださすがに量が多い。半分を家族で食べて、痛むといけないので半分を袋まで剥いて砂糖漬けにしておいた。
 気分次第で後でジャムにでもしようと思ったが、翌日食べるとこの砂糖漬けが案外美味かった。ヨーグルトに混ぜたり、パンと一緒に食べたり、家人が黙っているのをいいことに、一人で二日程で食べてしまった。
 来年、またもらえるとありがたい。



打って変わって

2014-05-22 11:40:19 | 出版業界
 昨日とは打って変わって五月晴れ。
 半袖は本当に楽。歳をとると服の重さが荷になる。
 暫く前までは6月から9月までは夏の恰好をした。スーツも夏用にする。春秋用のスーツから夏用のスーツにかえた時、夏服の軽さに驚く。若い頃はそんなに感じなかったと思うのだが、ここ10年位特に感じる。あまり楽なので近年は5月から10月まで夏服にしている。上着を着ない期間も長い。歳をとったとは思いたくないのだが、こんなことも歳のせいなのか。
 サラリーマンの頃、若い時は外回りが多かったが、真夏でもスーツ姿だった。世の中がまだまだお客さんの前ではスーツじゃないと失礼になるという感覚だった。しかもサマースーツは贅沢品で春秋ものをそのまま夏も着ていた。
 30年近く前の話。夏の熱い長野の盆地を営業で歩いた。汗がひたたる。上着を脱いで左腕に掛けた。一度そうすると、二度と着る気がしない。
 善光寺近くの老舗の書店。飛び込み営業。
 「まいどー!○○出版ですが」と店に入った途端しかられた。
 「君は営業のくせに半袖に上着も着ないで挨拶するのか!」
 連日30度を越えていたと思う。今ならネクタイをしているだけ褒められても良い位だと思うのだが、当時はそうでもなかった。第一、私に怒鳴った店の主人と思しき初老の男性はネクタイに上着姿だった。
 カバンを下に置いて、急いで上着を着た。
 「すいません」と謝ったのだが、機嫌は直らなかった。
 「全く、非常識だろう・・・・・・」
 ブツブツが止まらない。仕方ない。これでは商売にならない。帰ろう、と思った時、その主人と思しき人の後ろから声が掛かった。
 「良いんですよ、こんなに暑いのに、上着なんて・・・、私がお相手しましょう」
 中年の女性が顔を出した。
 初老の男性は相変わらず何事かブツブツ言いながらバックヤードに姿を消した。
 女性と名刺交換した。名刺には代表取締役と書かれていた。
 「すみませんねえ、先代の頃から働いて貰ってる専務なんですけど、頭が固くて、気にしないで下さい」
 少しだけ注文を貰って、次の店を回った。
 その日私は結局ホテルに帰るまで上着を脱がなかった。暑いのも我慢していれば何とか耐えられる。一度脱ぐと着られなくなる。



ふん!寂しくないやい

2014-05-21 13:59:56 | 日記・エッセイ・コラム
昨日衣替えの事を書いたら今日は涼しい。雨も降っている。
 どうせ今日は外出する予定もないので、半袖の上に薄いカーディガンを羽織って過ごす。一度夏物で過ごすと少々寒くってももう 一度冬物は面倒だ。なるべく軽いものがいい。歳を食うと服の重さを感じる。
 自由業の強みで雨の日はなるべく外出しないと決めている。商売柄、外出時には書類を持っていることが多い。お客さんに印鑑をもらうための書類や、役所で取得した謄本や住民票等、大事な書類だが、気をつけていても水滴がかかる事がある。それもあって雨の日はどうしてもという用事がない限り外に出ない。
 こんな日、お客さんから電話でもあると良いのだが、残念ながらそんなに忙しくないので電話のない日も多い。加えて今、仕事のやり取りはなるべくメールでするようにしている。その方がお互いに記録が残るので便利だ。したがって余計お客さんとの会話がない。
 家庭内別居ではないが、結婚して、子供が出来て、その子供も社会人になって、つまりカビの生えるほど長い間一緒に居て、お互い頼る必要もなくなると、家族どうし強いて口をきく必要もなくなる。お互い様だが、女房や子供に対して昔は確かに持っていた「かわいい」という感情はいつの間にか全く無くなっている。不仲という訳では決してない。でも特に用が無ければ話もしない。すると家族との会話もない。
 結果として、こんな雨の日は時として一日全く言葉を発することなく過ごす。夜ベッドに入って、気が付くと今日口を開けたのは飯を食う時とあくびした時だけだという事になる。
 電気を消して、真っ暗な天井に向かって
 「ふん!寂しくないやい」
 などと独り言を言ったりする。



衣替え

2014-05-20 10:49:43 | 日記・エッセイ・コラム
 昔は6月1日だった。今は適当。適当がいい。熱さ寒さの感じかたなんて人による。私は昨日から半袖ノーネクタイにした。朝夕は少し涼しいのでカーディガンを羽織る。もっと涼しい日があれば夏用のスーツを着る。スーツを着ればワイシャツは長袖にしてネクタイもする。これは個人の嗜好だ。とやかく言われる筋合いはない。
 行政書士の行政協力とかいう奴で、以前暫くの間週に二日から四日役所でアルバイトをした。役所ではクールビズとかで6月1日だったと思うが一斉にネクタイを外して軽装になる。表向きは絶対にネクタイを外せという指示ではない。外してもいいよという程度の指示だった思う。私は陽気にあわせて服装を変え、ネクタイをしたりしなかったり。これは個人的嗜好の問題で自由で良いと思うのだが、公務員は違ったようだ。私のアルバイト先の事務所では6月1になると暑かろうが寒かろうが皆一斉にネクタイを外す。昨日と同じように寒い日で、長袖にスーツ姿でもとりあえずネクタイは外している。お客さんの来ない職場だったし、だらしのない恰好をしているのではないのだから、ネクタイをしたければしていればいいと思うのだが、彼らは違った。
 アルバイトの日雇い公務員(給料は良かったが、身分はそういう身分だった)としては一応確認した。
 「ネクタイはするなという指示ですか、それともしなくても良いという指示ですか?」
 別にそんなことで逆らうつもりなどサラサラなかった。外して下さいと言われれば外すつもりだった。
 返事は
 「どっちでもいいですよ」だった。
 だからそれに従った。 
 でも6月1日以後秋まで、誰ひとりとしてネクタイをしている職員を見なかった。




そら豆がきた

2014-05-19 22:46:08 | 日記・エッセイ・コラム
 今年もまたそら豆が来た。そら豆が勝手に歩いて来た訳では無い。女房の両親の田舎の親戚が畑をやっている。本業は漁業と花作り。畑は自分の家で食べる程度を耕していて、市場に出荷する程ではないが、沢山取れた物は親戚に配るようだ。女房の両親の家にも送ってくれる。そのおすそ分けにあずかる。
 我が家に来るそら豆はわざわざ鞘を剥いてある。もう定年退職して悠々自適のサンデー毎日生活を送る義父が剥いてくれる。鞘のままでも良いよ、というより私は鞘のままの方が良いのだが、わざわざ剥いてある物に文句は言えない。
 大き目の鍋一杯程もあって、食べがいがある。鞘つきだと小さめの段ボール箱一個分はあったと思われる。
 そら豆は好きだが、剥いたままでは足が速い。これだけあると少し悩む。
薄皮に切れ目をいれて、まず塩ゆで。これは女房が好きだ。私もゆでてすぐなら食べるが、暫く時間がたつと駄目だ。あの臭いがよくない。一日とは言わないが、半日履いた靴下のような臭いではないか。それでも冷蔵庫に入れておいて女房は二日程で食べるが、私はとても食べる気がしない。
 同じく切れ目を入れた豆を醤油と砂糖で煮る方法もある。私はこの方が好きだ。これだと時間が経っても殆ど臭みはない。もっとも私の好みは普通の煮方とは少し違うかもしれない。出汁醤油と沢山の砂糖で煮る。そら豆は二、三分も煮れば柔らかなるが、私の場合はとろとろと15分ほど煮る。豆はクタクタになる。でもこの段階ではまだ殆ど豆に味がしみていない。そのまま常温になるまで放っておく。常温に戻ったところでもう一度沸騰させてさらに10分程煮る。まだ終わらない。同じ事をもう一度繰り返して煮汁が殆ど無くなったら出来上がり。御菓子の様に甘い煮豆が出来る。こうすると冷蔵庫に入れて一週間はもつが、小ぶりの鍋一杯に作っても殆ど私一人二、三日で食ってしまう。息子は豆類が嫌いだし、女房は甘いものは身体に悪いと言って食わない。
 さて、残りの豆だが、そのままだと直ぐに色が変わってきてしまう。そこでやはり薄皮に切れ目を入れて軽く塩ゆでにする。塩は薄くていい。ゆで時間も1分。少し固めにしておく。ゆでたものをざるに上げて冷ましておく。冷めたら皮をむく。案外簡単に剥ける。もっとも量が多いとこの作業がやや荷だが、こうして身ぐるみ剥がされたそら豆を適当に小分けにして冷凍しておくと後で色々な料理に使える。と言っても私が作るのは温かいご飯に少し出汁醤油をたらしてそら豆とシラスと削り節をまぜた豆ごはん位だが。
 ちなみに、そら豆の調理担当は我が家では私の役目である。