先週の火曜日の話。
月曜日の朝、仕事をしようと思って、バッグを探ったら、老眼鏡がない。遠くを見るのにメガネは要らない。困るのは近くを見る時だけ。
そういえば、日曜日の夜出かけた時に使った。それ以来かけていない。机の上、引き出しの中、リビングのテーブル、みんな探したがどこにもない。
まあいいや、その内見つかるだろう。前にも同じような事は何度かあった。こういう時は暫くして思ってもみないところから出てくるものだ。
代わりのメガネは幾つかある。高い物はもってないが、一応みんな気に入ったフレームを選んで、検眼して買ったものだ。以前、老眼のなり始めの頃のように、メガネ屋さんで適当に出来合いのものを買った訳では無い。
だからどれをかけてもいいようなものだが、不思議とかけるメガネは決まってしまう。遠近が一つ、近々(パソコンの画面と手元を見る時使う)が二つ、読書用が二つある。このうち何時も使うのは近々のひとつだけ。他は殆ど使わない。
何となくいつも使う一つが見やすいような気がして、そればかり掛けている。そのメガネが無くなった。
月曜は一日他のメガネでしのいだ。火曜も午前中は何とか仕事した。でも午後からだんだんイライラしてきた。疲れるにしたがってだんだん見辛くなるような気がする。度数は同じなのに、いつものメガネがいい。
そんな時、二台あるプリンターの一台が壊れた。何とか使えそうだが、イライラがつのる。というのももう一台のプリンターも一週間位前から調子が悪い。1頁に二カ所程僅かに印刷がかすれる。こちらもまるで駄目という訳では無いので騙し騙し使っていた。
いつまったく駄目になるか分からない。二台とも使えなくなると仕事にならないので、仕方なくメーカーのサポートデスクに電話した。これがまた「お客様相談窓口」という割には電話代がかかるだけで、全く相談にならない窓口なのだ。とりあえず30分位電話していたのに、結局一度も生の人間は出てこない。暫くお待ちくださいが、5分も10分も続く。おまけにそのしばらくお待ちくださいにつながるまで、まぬけな録音ボイスと格闘しながら番号押しを最低5分は続けなければならない。しかも有料電話で。従って全く用を足せないで電話を止めた。要するにこのメーカーはサポートなど面倒だからやる気がないのだ。客を助ける気などない。録音ボイスにイライラして、客が電話を切ってくれるのを待っている。プリンターのメーカーなどいくつもある。二度とこのメーカーのは買わないことにしよう。
実は二社のうち一社は驚く程良い対応だった。だからよけい悪い対応のメーカーが目立った。良い対応はまたいずれ書くとして、対応の悪いというより、全く人間が対応する気がない様子の一社の電話を切った時点でイライラはピークに達する。
仕事にならないので、とりあえずメガネ探しにエネルギーを傾注することにした。
再び、事務室の机、本棚、引き出し、を探すが、無い。
リビング、キッチン、洗面所、やはり無い。
寝室、サイドテーブル、ベッドの上、最後に車の中、どこにもない。
こういう時ずっと前ならタバコでいっぷくなのだが、禁煙して7年と5か月。今さら吸う訳にもいかない。
そこでベッドに寝転んで、一昨日の夜の行動を反芻する。
アッと思い出した。帰りに知り合いを車で送った。助手席に乗せたので、バッグは後ろの座席にポンと軽く投げた。
早速車の後ろの席を探す。さっきはシートの上しか見なかった。暗くて見辛い下の床に落ちていた。放った時にバックから飛び出て床に落ちたのだろう。
とりあえず、タバコではなくコーヒーを一杯。仕事にもどる。