行政書士・社会保険労務士 大原事務所

人生も多分半ばを過ぎて始めた士業。ボチボチ、そのくせドタバタ毎日が過ぎていく。

突発性難聴 右耳が変だ ②

2015-11-25 14:26:35 | 日記

 病院へは11時少し前に着いた。

 聴力検査のあと診察。医者は中年の男。診察も説明も丁寧だった。

 病名 突発性難聴

 症状 低音部の聴力が落ちている

 治療 できれば二週間入院して、安静にしてステロイド剤で治療

 治療効果 三分の一の人がもと通り回復、三分の一が治療効果あり、残り三分の一が殆ど回復しない

 その他 念の為、頭に腫瘍がないかどうか頭部MRI検査

 今後のこと  このタイプの難聴は治っても再発することが多い。再発するたびに治りが悪くなる傾向がある。ストレスが原因とも言われるので、なるべくストレスになることは避ける。

 入院に関しては家庭の事情もあって、しなかった。家で安静にしていればそれでもいいという事だったので、そうした。都合よく年末年始の休みがすぐだったので、仕事は殆ど休まなくても二週間の休みは取れた。 

 年末から正月休み、ほぼ何もしないで安静状態。まあ、何時もの正月と同じくゴロゴロしていた。子供が大きくなってからは特に出掛ける事はない。違うのは混雑を避けて恒例の初詣は中止したこと、アルコールを止したこと位。

 耳鳴りは断続的にずっと続いていたが、薬を飲み始めて二、三日で聴力は少しずつ戻ってきている感じだった。

 正月明け、病院へ行ってみた。

 感じた通り、聴力は殆ど回復していた。耳鳴りも続いてはいたが、一日の内消えている時間の方がずっとながくなっていた。

 「順調ですね。もう少し戻るかもしれないので、もう一週間薬を続けましょう。耳鳴りも消えると思います」

 という事で更に一週間治療を続け、ほぼ元通りに回復した。

 「前にメニエールというのをやったのですが、これはメニエールではないのですか?目まいはしませんが・・・・・」

 「病名は突発性難聴ですね。前にメニエールをやったのなら、念のためにメニエールの薬も二週間程飲んでおきましょう。二週間後にもう一度来てください」

 余計なことを言ったおかげで薬と診察が増えたと思ったが、まあ、特に断る理由もない。

 ところが、このメニエールの薬というのがとんでもなく飲みにくい薬だった。見た感じゼリーのようなのだが、味が殆どない。臭いも殆ど無い。なら無味無臭かといえばそうでもない。スプーンですくって口に含んで何度か噛んで、喉を通すが、その時言い様のない不快な臭いが鼻に抜ける。思わず吐きそうになる。弾力があるので口の中で何回か噛まないと喉は通らない。噛むと鼻に抜ける臭いが強くなる。60歳位以上の人なら知っていると思うが、小学校の頃、虫下し(回虫駆除の薬)でカイジンソウというのを学校で飲まされた。煎じ薬だと思うが、大きなヤカンからアルマイトのお椀に注がれたのをみんな鼻をつまんでむりやり飲み込んだ。泣く子や、せっかく飲んでも吐く子もいた。まるで拷問のような出来事だった。においと味がそれに似ている。これには閉口した。

 だが、二週間後、耳鳴りも消え、幸いなことに一回目の突発性難聴は完全に治った。


突発性難聴 右耳が変だ ①

2015-11-23 14:46:58 | 日記・エッセイ・コラム

  5年前、おかしい?と思ったのは12月の下旬。そろそろ大掃除でも始めようと、午前中にカーテンを洗って、昼飯を食って、ソファーで寝転んで休んでいた時だ。

 ザーッツと小さな音がする。隙間風が入ってくるような音だ。きっと窓があいているのだろうと思って、部屋中の窓を確認したが、みんなしっかり閉まっている。換気扇か?と思ったが、違う。何か電化製品の雑音か?とリビングと台所の電化製品を全部確認したが違う。ふと、耳をふさいでみた。聞こえる。ザーッツという音は外ではなく耳の中から聞こえる。長く続く耳鳴りなど初めての経験だったが確かに耳鳴りのだ。同時にもう一つの事実に気づいた。右の耳の聞こえ方が変。聞こえることは聞こえるのだが、左に比べると明らかに違う。

 TVを点けた。左の耳を塞いだり開けたりしながら右耳の聞こえ具合を確認する。TVでは女と男のアナウンサーが二人でニュース番組をやっていた。左の耳を塞いでいると、女のアナウンサーの声は普通に聞こえるのに、男のアナウンサーの声が極端に小さくなって聞き取り辛い。変だ。女の高い声は聞こえるが、男の低い声は聞こえ辛い。何となく私には都合のいい症状などと冗談を言っている場合ではない。

 急いで書斎に入ってパソコンの電源を入れた。

 「急に耳が聞こえなくなった・難聴・低音が聞こえない」など、適当にキーワードを入れて検索してみた。

結果、多分突発性難聴。できれば48時間以内に病院で治療を受ける事。一週間以上たつと治療しても治らない事が多い。そんなことが分かった。

 すぐにでも病院へ行きたいが、今日は日曜日。開いていない。救急病院とも思ったが、耳以外なんともない。48時間というと、火曜日の午前中までに治療を受ければ間に合う。とりあえず明日病院へ行こう。

 不安なまま一日を過ごし、翌日朝一番で都内の総合病院へ行った。そう簡単な病気ではなさそうだ。きっと検査が沢山あって、もしかしたら入院なんてことになりかねない。そしたら最初から大きな病院へ行った方がいい。自宅近くの病院へ行って、散々検査されて、紹介状を書いて貰って、沢山お金を使って、今度は総合病院へ行って、また同じ検査をされるという目にはなんどかあっている。おまけにその町医者と言うのもは、全員ではないが殆どが検査データをよこさない。自分でため込んで、決して紹介状に添付しない。一軒だけ何も言わないのにデータを全部添付して紹介状を書いてくれた医者もいたが、結局は紹介状を貰った総合病院では全く同じ検査をもう一度やられた。お金の負担は馬鹿にならない。レントゲンやCTは被爆する。必要最小限にしないと身体に害がある。だから検査が必要そうな病気だと思ったら、いきなり総合病院へ行った方が財布にも身体にも優しい、と私は思っている。特に今回は時間がない。

 その総合病院へは今まで何度も行っている。紹介状なしでも診てくれた。整形外科や子供の病気で小児科へ行ったが、医者も看護師も丁寧親切な診療で予約があればそんなに待たなくてよかった。経験の浅い医師もいたようだが、自分で疑問があると必ず他の医師と相談して説明してくれた。だから信頼していた。

 ところがその日は違った。耳鼻科の診療を申し込んだら、受付の女性は紹介状なしでは絶対に診ないという。他の病院で紹介状を貰って、予約を取ってから来てください、と繰り返すばかり。多分急いで治療を要する病気だと思うのだが、といっても埒があかない。今まで何度も予約なしで診てもらっている、と言っても駄目。取りつく島がない。

 仕方なく、自宅近くの総合病院へ電話してみた。そこは区内の住民だと予約なして診てくれると聞いた事があったからだ。

 「11時までに来ていただけるなら良いですけど、紹介状がないと初診料が高くなりますよ」

 と定番のセリフ。

 「近くの病院へ行って、診察だの検査だのを受けて紹介状を書いて貰う方が、その高くなる初診料よりはるかに高い。今都心に居るので、一時間近くかかると思いますが11時までには行きます」

 と答えた。


メニエール病 最初の発作 ②

2015-11-20 20:15:35 | 日記・エッセイ・コラム

 布団は確保した。確保したが端っこを掴んで倒れたという風情なので、左脚が布団の外だ。身体を覆った布団も左側は少し浮いている。寒い。でも暫く固まっているとめまいは少しおさまる。そこで、絶対に頸から上は動かさないようにして、まず左脚をそろりそろりと布団の中に入れて、脚で持ち上げるようにして全体的にかけ布団を左にずらして下半身を覆うようにした。少しでも頭に動きが伝わると目が回りそうになる。来るか?と思ったらその時点で固まってやり過ごす。少しコツが分かってきた。

 さて、今度は上半身。幸い枕はちゃんと頭の下にあった。枕に頭を押し付けるようにして、動くな!と祈りながら左手で布団の端を掴み、右手も使って少しずつ、少しずつ掛布団を左にずらした。途中何度か、来る?と思った時もあったが、その度に固まってことなきを得た。身体のすべてを布団でつつむことが出来た。

 暫くして暖かくなって、やっと震えがおさまって落ち着いた。軽い頭痛と吐き気はあるが我慢できる程度のもの。

 さて、どうしたものか?とりあえず今現在は何もできない。時計を見たいが怖くて首を動かせない。目だけ動かして見ようとしたが、来そうになったので止した。でも、じっといつまでもこうしているわけにもいかない。何時おさまるかも分からない。一時間か二時間か、それとも半日か、ずっとこのままの状態だって考えられなくはない。そのうち喉も乾く、トイレにも行きたくなるだろう。もしかすると、めまいは初期症状で、何か重大な病気かもしれない。そんなことを考えている。

 どのくらい経ったか?そうだ、枕元に目覚まし時計があったかもしれない。四畳半一間、手を伸ばせば、たいていの物には届く。ゆっくり右手を伸ばして、大きく頭の上の方を探った。指が時計らしきものに当たった。引き寄せるように持ち上げて、顔の前に持って来て時間を見ると9時を過ぎている。いつの間にか一時間以上もほぼ固まったままだった事になる。

 何時までもこのままではどうしようもない。病院へ行こう。目が回ろうと、吐こうと、兎に角病院まで行こうと決めた。

 ゆっくり目を動かす。気分は悪いが大丈夫。頸だけを動かして頭を上げた。大丈夫。腕を突いて上半身を起こす。大丈夫。暫く固まっていたのでかなり良くなったのかも知れない。ゆっくりだが思い切って立ってみた。さすがに少し回る。ふらふらと身体が浮く感じで安定しない。いちいち身体を動かすたびに唸りながらパジャマの上にコートを着た。着替えている余裕はない。財布と保険証をポケットに入れて外に出た。めまいは相変わらず続いているが、ひどくなる気配はない。

 アパートの外階段を下りて路地を大きな通りへ出た。ここは通り沿いに何処かの会社の広いテニスコートがあって、ずっと金網が続いている。その金網につかまりながら歩いた。すぐに東横線の高架があって、それをくぐってもう一本大きな通りへ出れば病院がある。

 ところがテニスコートを過ぎ、金網の支えが無くなって、高架下の石垣までの10メートルほどを歩いた時、めまいが少しひどくなって思わず蹲った。折角ここまで来たら家に帰るという選択はない。家より病院の方が近い。電話ボックスも病院前までない。えーい!なるようになれとばかりに立ち上がって、速足で病院へ向かった。めまいは次第に早く回り出した。ひどくなって歩けなくなるのが早いか、病院へ着くのが早いか?なんとか病院の受付へたどり着いた。

立っていられない。カウンターにぶら下がるように膝をついて、手と顔だけ出して

 「すいません。目が回るんです」

 カウンターの女性はそんな私の窮状を無視するように

 「診察申込書を書いて、保険証と一緒に出してお待ちください」

 「あのね、無理なの。朝からめまいがひどくて、今もまだ立てない位目が回ってるの。やっとの思いでここまで来た。見て分からないかなあ?今もう倒れ込んでしまいそうなんだ。というよりもう限界だ、ごめん!」

 と言って、そのまま床にうつ伏せに倒れた。

 さすがに驚いたのか事務員さんや看護婦さんが数人出て来て、

 「ちょっとだけ我慢して」

 車椅子に乗せられ、救急診察室のような所へ連れて行かれ、ベッドに寝かされた。

 看護婦さんに朝からの経過を話すと、ドクターが来るまで少し待ってくれという。

 「申し訳ないが、今かなり動いたせいか、めまいがひどい。出来るなら早くなんとかしてほしい」

 と言ってるうちに若いドクターが来てくれた。看護婦さんに話を聞いて、私に二、三質問して、

 「大丈夫ですよ。注射一本で多分めまいはすぐおさまります」

 と言って、注射の準備を看護婦さんに指示して、すぐ来ますと席を外したと思ったら少し年配の医者をつれて帰ってきて、その医者に何かぼそぼそと報告している。年配のほうが

 「そうだね。いいよそれで」と言うのだけがはっきり聞こえた。

 準備できましたと言って持ってきた注射器に驚いた。そんなに沢山注射液を身体に入れて大丈夫なのかと思うくらい太い注射器に薬液が一杯はいっている。

 私の心配を察したのか、腕に針をさすと、

 「ゆっくり入れるから大丈夫。この薬が全部入るころには多分めまいは消えてるから」

 二、三分かかった記憶がある。薬液はなんの苦痛も無く私の身体に入っていった。

 「どうかな?ゆっくり頭を左右に動かしてみて?」

 めまいは不思議な位消えていた。

 メニエール症候群と言われた。三半規管の病気らしい。発作の時の症状は激しいが、死に至る病ではない。基本的に片方しか悪くならない人が殆どだから、発作が何度も続いて生活にひどく支障が出るようだと手術で悪い方を取ってしまう方法もある。でも規則正しい生活をして、食事に注意して、ストレスをためないように、つまり一般的に健康的な生活をしていれば、ずっと発作がおきない人も多い。

 30年以上前に聞いた説明だから、今は少し違うようだが、これで一回目の発作は終わった。その10年後くらいに一度だけほんの一瞬、来た?と思った事があったが、それはふらっとしただけで、それきりつい三年前までなんでもなかった。それが忘れたころにまたやって来た。

 

 

  


メニエール病 最初の発作 ①

2015-11-18 10:13:56 | 日記・エッセイ・コラム

 30年以上前、朝、布団から上半身を起こした途端、突然目が回った。尋常なめまいではない。目が眩むというのではない。本当にくるくると回る。しかもだた回るのでなく、約180度余り回ったと思ったら、瞬時にもとにもどる。そしてまた回る。これが凄い勢いで延々続く。

 ガクッと倒れるようにもう一度布団に仰向けになった。めまいは止まらない。目を開けてられなくて閉じた。でも閉じれば今度は暗闇が回る。止まらない。何だこれはと思うが、初めての経験で全く分からない。暗闇が回るよりも見える物が回った方が少しは楽なような気がして目を開けてみたが変わらない。また目を閉じた。

 少しの間、10分位か?でもとても長く感じたが、じっとしていたら少し楽になった。気分は悪い。頭痛も吐き気もする。でもくるくる回る感じは殆どなくなった。

 もしかして大丈夫か?今何時だろう?とりあえず時間だけ確認しようと恐る恐る目を開けて視界の隅にある壁掛け時計を見るために首を僅かに右に回した。途端、またくるくると凄い勢いで目が回る。少しでも頭を動かすと駄目なようだ。慌ててそのまま固まった。

 8時。土曜日で会社は休み。その点はまずクリア。

 近くに少し大き目の病院があった。何科にかかればいいのか分からないが、這ってでも行ける病院といえばそこしかない。歩いて5分もかからない。よたよた這うようにして行っても10分はかからないだろう。救急車を呼ぶより早い。第一救急車なんて目立つことは真っ平だ。9時からだったと思う、土曜日は開いていたと思う。閉まっていれば致し方ない、確か病院の前に電話ボックスがあったから、そこから救急車を呼ぼう。それまで、9時少し前まで、耐えていよう。

 冬の朝、起きようとして布団を半分以上めくった状態で倒れたので、布団は膝までしか掛かっていない。寒い。寒さの感じ方がひどいのはめまいにかかわる病気のせいかも分からなかったが、さっきからガタガタ震える。歯が鳴る。このままでは時間まで我慢できない。

 頸はさっき時計を見たまま固まっている。やや不自然な姿勢。頸が痛い。直したいが、頭を動かすとまた目がまわるだろう。布団を掛けようとしても頭は動く。これもまた目が回る。しかしこのままじっとはしていられない。そこで考え直した。9時まで待つことはない。いっそのこと起き上がって、コートだけ羽織って、財布と保険証を持って病院へ行こう。目が回っても病院までなら耐えられるかもしれない。9時前でも誰かいるだろう。診てくれるかもしれない。

 駄目だった。起きようとして僅かに頭が動いた途端、激しいめまいが戻ってきた。そこまでは織り込み済みなので、めまいを無視して上半身を起こして、立ち上がろうと膝を曲げた。でもそこまでが限界だった。身体を動かせば動かすほどめまいはひどくなる。グルングルンと遊園地のティーカップに入れられたようだ。回るスピードが速くなる。何とか布団の端を掴んで倒れるように仰臥の姿勢に戻った。


いったいこいつは誰に似たのか?

2015-11-14 09:39:38 | 日記・エッセイ・コラム

 男の子は弱いと言うが、うちの息子も例外ではなく、二歳から三歳頃は二か月に一度は夜間診療所へ連れて行った。

 その後は他人に比べ特に弱いという事は無かったが、20年近く前の小学一年の頃、風邪をひいた時のこと。朝、具合が悪く、熱も高かったので、もう少し様子を見て、駄目なら学校を休ませたら、と女房に言って家を出た。

 仕事から帰ると、少々の熱では飛び回っている子が、顔を真っ赤にして息も荒くリビングの床に敷いた布団にくるまっている。ハーハー荒い息をして苦しさを訴える。

 「お父さん、ぼくもう駄目!死ぬ!苦しい!ぼく死んじゃう。病院行く」

 私の手を求め、握りしめてくる。眼にはうっすら涙さえ滲んでいる。

 ところが、傍らの母親に目をやると、そんな息子を無視して、TVを見ながらミカンなど食べている。児童虐待?ネグレクト?そんな言葉が頭に浮かぶ。

 「おい!何とかしてやれよ!頭冷やしてやるとか、身体撫でてやるとか、抱いてやるとかさあ」

 少し口調がきつくなった。すると、さらにきつい口調で反撃された。

 「もーう!うるさい。誰に似たのか、大げさなんだから。何処で覚えたのか朝から死ぬ死ぬってうるさくてしょうがない。学校は休ませました!病院にも連れて行きました!少し喉が赤いだけ!お腹に優しい物を食べておとなしくしてればすぐ治るって」

 「だって、こんなに苦しがってるじゃないか」

 「午前中に病院へ連れて行って、帰ったらすぐお腹がすいたと言うからおかゆさん食べさせて、その後、カステラも食べて、寝かせようとしたら私に抱きついてきて放してくれないから、夕方まで一緒に寝てたの。掃除する間だけ自分のベッドで寝てなさいと言っても駄目。だから何もできなかったの。掃除も洗濯も貴方の食事の用意も!だって、起きようとすると抱きついてきて死ぬ―!死ぬ―!って、放してくれないんだもん。そのくせ婆ちゃんがお見舞いってメロン持って来てくれたら、少しにしなさいよっていうのに四分の一ペロッと食べて、今まで、飛び回ってたの。やっとここだけ掃除機かけて、寝てなさいって怒ったら、またお腹が痛いだの、死ぬだのっていうから無視して放っておいたの。熱は下がってる。子供の37度位は平熱よ!顔が赤いのは騒いだから。頭を冷やさないのは熱は下がってるから。死ぬ―、死ぬ―ってうるさいのは、私に無視されたからあなたに甘えてるだけ!さっきまで婆ちゃんにもそう言って甘えてた。誰かさんに似て大袈裟なの!もう、頭きた!婆ちゃんも児童虐待みたいに言うし、いつもの事じゃない!ほっとけばいいの!それより、そういうことで、夕飯作ってないけど宅配ピザでいい?久し振りに私も食べたいし」

 すると下から息子が苦しそうな声で

 「ぼくミックスピザがいい。ピーマン抜きね。チキンもつけて、あとコーラも」

 さて、この性格、誰に似たのか?私ではないと思うのだが。