行政書士・社会保険労務士 大原事務所

人生も多分半ばを過ぎて始めた士業。ボチボチ、そのくせドタバタ毎日が過ぎていく。

給湯器のない生活

2018-11-23 00:31:42 | 社会保険労務士・行政書士

 さて、ほんの2週間余りだが、蛇口からお湯の出ない生活が始まった。

1972年に上京したが、その時、田舎の家に瞬間湯沸かし器はなかった。

朝顔をあらうのに冷たいと思うだろうが、朝お湯で顔を洗ったりしたことが無いのだから、冷たい水で洗うのが普通だと思っていた。

上京して、2年弱過ぎた正月。帰省すると台所には瞬間湯沸かし器というのがあった。あのガスコンロの上に水を通す管をつけただけのような感じのごく単純な仕組みの湯沸かし器。スイッチを押すとボッとガスに火が付く音がして、すぐ蛇口からお湯が出てくる。そういう意味では蛇口をひねってからお湯が出るまで暫く時間のかかる今の給湯器より便利だった。今の給湯器はハンドルを上げてお湯が出るまで、15秒から20秒くらいの間、水とガスが無駄になる。もったいない。

ところで瞬間湯沸かし器を付けても母は朝、冷たい水で顔を洗っていた。

「折角湯沸かし器付けたのに、お湯で洗わないの?」

と訊くと

「顔は水で洗わんとすっきりせん。お湯は気持ち悪い」

私もいまだに朝は水で顔をあらう。そうしないとすっきりしない。

第一、学生時代から、就職して暫くして、少しだけお金に余裕ができて、バストイレ付という生活にたどり着くまで、随分長い間、便利にお湯を使う生活など縁がなかった。

そして一時お湯で朝顔を洗った時期もあったが、すぐに水に戻った。やはり、朝は水で顔を洗うが気持ちいい。

今はどうなのか?私が小学校の頃、教室の拭き掃除は当たり前だった。一学期に二枚だったか雑巾を持って行って、それをバケツの水に浸し硬く絞って、窓から、机、床まで毎日ゴシゴシ拭く。昔、冬の朝の気温は四国でも零下は珍しくなかった。私は平気だったが、指の関節があかぎれでパックリ口を開けた手で冷たいバケツの水にタオルを浸ける子もいた。

「終わったあとちゃんと拭いて水気をとらないからそうなるの!」

と教師はのたまわったが、タオルやハンカチを持ってこない子も珍しくない時代、服やズボンで拭くしかない。そんな物でいくら拭いてもあかぎれになる子は必ずいた。今思うとまるで拷問のようだ。

それを思うとわずかな期間の水仕事、私も家人も別に苦痛は感じない。確かに家事にお湯は欲しいが、ここは根性で我慢する。

ただ、風呂は無理だ。修行僧ではあるまいしさすがに水垢離は出来ない。私は一日おきにすこし離れたスーパー銭湯って奴に通う。毎日は面倒だ。間の日はお湯を沸かして小さな盥に入れて、タオルでごしごし。

「きたない」って?

 垢をおとすには充分。ごしごし擦ると身体にも良いだろう。それにもともと私はそんなにきれい好きでもない。


お湯が出ない ③

2018-11-11 23:44:39 | 日記・エッセイ・コラム

 給湯器も販売店も決まった。後は工事だけと思ったら難題が残っていた。

難題その①

すぐには取付け工事が出来ない。

給湯器の販売店は寒くなると急に忙しくなるという。

「ところで工事は何時?」

と訊いたら、少し値切ったせいか、全く使えない訳では無い、と言ったせいか、少し後回しにされた感じで

「二週間先になります」

申しわけなさそうに答える。

電話応対した受付の女性の答だと、場合によってはすぐにでも、或いは遅くても一週間はかかりません、ということだったのだが、それは寒くなる前、暇な時の話。寒くなった今は別の話だという。こちらからは日時は指定しないということで値引きもしてもらったし、そこはごねても仕方ない。

二週間、お湯のない生活が続くことになる。使おうと思えば使えるのだが、使うと水漏れが少しずつひどくなるようだ。面倒だから元栓は閉めっぱなしにした。お湯の元栓を閉めても水道管の元栓を閉める訳ではないので水は普通に使える。

「すみませんねえ、銭湯は遠いですか」と給湯器屋さん。

銭湯は近くに3軒もある。都内にしては多いのではないか。寒い夜、銭湯通いは嫌だけど、ずっと以前は当たり前だった生活。まあ少しの不便を我慢すればいい。

 

難題その②

お隣の車があると工事できない。

都内の建売住宅である。家の壁と隣の住宅の敷地との間が狭い。ほぼ50㎝しかない。その隙間に湯沸かし器が付いている。もっとも建物が敷地いっぱいに立っている訳ではないので隣の家の壁との間で両方で1メートル程の空間があり、その真ん中に高さ1メートル位の格子状のプラスチックの塀が立っている。家の敷地から見ると湯沸かし器の向こうは塀があって、その向こうはお隣の壁では無く丁度駐車場になって少し開けている。

現場を見た担当者が

「お隣は工事の時間駐車場空けてもらえますかねえ。何処かへ車移動してもらうとか?」

「さっき、貴方が来る前に、駐車場の敷地に入って良いですかって聞いたら快く了承してくれたけど、こっちの都合で工事中どっかへ車持っていってと言うのはどうかねえ。いい人だけどそこまで言うのは図々しいと思うけどなあ。できなくないでしょ?以前ほかの業者さんが修理した時は車止めたままだったよ。そっちで何とかして!」

と給湯器やさんには言ったけど、でも、車に傷つけたりしたら大変だから、と思ってお隣にお願いしたら即座に了承してくれた。移動先の駐車場代金は御支払いします、と言ったが、そんなのお互い様ということで必要ありません、という。

という訳で問題解決二週間先の工事を心待ちにする。

 


お湯が出ない その②

2018-11-02 00:03:22 | 日記・エッセイ・コラム

   ネットで見積もり依頼。自分の仕事でもそうだがメールで依頼するとやりとりの記録が残るから便利。 

販売店のHPの見積もり依頼フォームにそって必要事項を入力。今使ってる機種を入力して、同程度の性能の製品でお勧めの物をと依頼する。

 ところがこれが結構面倒。正確な見積りを出すには、給湯器とその周りの写真が必要だという。工事が面倒だったり、1人では無理だったりして追加料金がかかる場合があるとのこと。表に出てお隣の駐車場に入らないと写真が上手く撮れないので、お隣にことわって、写真を撮って添付ファイルで送ったのだが、これが容量オーバーで送れない。

 「悪いけど、面倒だから一度見にきてくれない?」

 「良いですよ。近くですから30分位で」

 「注文は相見積を見てからだけど、だから来たって注文するとは限らないけど、無料で来てもらえるんだよね」

 「もちろんですよ。そんな大名商売はしてません」

 涙がでるようなセリフ。どっかのメーカーにきかせてやりたい。

 

 同様のやりとりをもう一社の販売店とやり、ここは隣とのスペースが狭いよと言うと、先方から一時間位で行きます。拝見してから見積もりを出します、と言う。そこでさっきの販売店の後に予定を入れて来てもらう事に。まだ他の販売店もあったが全体的にそんなに価格に違いがあるとも思えなかったのと、沢山見積りを取っても時間がかかるだけと思って2社で止めた。

 さて、その価格。2社とも給湯器本体がメーカー希望小売価格の概ね70%から80%引きと言うのは嘘ではない。ただし本体の値段に取りつけ工事費、旧機種の回収処分費用等が加算される。それでもメーカーさんやガスやさんから聞いた22~3万円よりは安い。色々教えてもらっておいて心苦しいが、ここでメーカーとガス会社さんは購入候補から外れた。さて残った2社の見積もりを比較。値段に差はある。ただ、両方の販売店とも親切だったし、高い方はそれなりの良さもあるし、安い方はそれなりに融通が利かなかったり、単純比較ができなくて、どちらにするか少し迷ったが、結局安い方に頼んでしまった。前回書いた通り年末にかけて異常に出費が多いのである。お断りした販売店の方御免なさい。もうすぐ今度はガスレンジが壊れると思うので、その時はまた検討します。

 そうなのだ、この家を買ってから15年。少しずついろんな所にガタが来ている。加えて家電を買い替える周期にもなっているようで、使えるが調子の悪い家電が出て来ている。ドンドンお金がかかるのだ。なにを買うにしてもすこしでも安いほうがいい。

 蛇足だが、私は非常識に安い物は嫌いである。松下幸之助だったと思うが(別に特に敬愛しているつもりはない)ある量販店の廉売に抗議してその量販店に対して出荷を止めて争った時 「適正価格の適正利潤」を確保するのは大事なことだ、と主張したと記憶する。これから先は私の勝手な解釈だが、適正に利益を出して、適正に従業員や関係会社に利潤分配しなければ結局弱い所にしわ寄せが行く。最終的に労働者や消費者の為にならない。安ければいいという物ではない。

 と、大げさなことを言いながら、安いものに飛びつく自分が情けない。ああ、自己嫌悪。