行政書士・社会保険労務士 大原事務所

人生も多分半ばを過ぎて始めた士業。ボチボチ、そのくせドタバタ毎日が過ぎていく。

給湯器のある生活

2018-12-06 23:52:25 | 日記・エッセイ・コラム

 暫く前、新しい給湯器が付いた。

 前と同じ程度の性能の物と言った。お湯の出るまでの時間や量は同じなのだが、前の物を買ってから、と言っても建売に最初からついていたものだが、15年近く経っている。同じ性能とはいえ使い勝手は良くなっている。とりあえず満足。

 と思ったら、早速不具合。工事は二時間くらいかかるといった。その間見ていても仕方ないので、私は自分の部屋で仕事をしていた。工事が終わって、その日は午後から亀戸まで行った。急いでいたので業者の言う説明を聞いて書類にサインして出掛けた。帰ったら暗くなっていた。新しい給湯器を確認していない。そこで念の為、翌日明るくなってから、ちゃんと注文通りの商品が取り付けられているかどうか確認しようと給湯器の所まで行って驚いた。なるほど給湯器は指定の物が付いていたが、なんと水漏れしていたのだ。前とは違う所のよう。ぽたぽたと落ちる水滴は以前より酷い。給湯器の下の地面から溢れて玄関のプランターの廻りまで約2メートル程水が浸みだしている。

 ウーン、やはりあまり値切ると駄目なのかな?とも思いながら、腹立つなあ!新しいのにしたらまた水漏れとは。しかも、これは給湯器本体ではなく、本体から出ている管と水道管の連結部分。以前に聞いていた製品及び工事の保証部分とは違うような気もする。

 とにかく販売業者に電話

 「あのね、水漏れしたから給湯器を買い替えたのに、また水漏れしてるよ!なんとかして!!」

と、保証の事には触れず、当然保証するんだろうな的感じで取り敢えず強気。

 では来週お伺いします、なんてノー天気なことを言われたら少しだけ怒り狂ってやろうと身構えて待っていると、

 「すみません。工事をした担当者に折り返し電話させます」

 「何時?」

 「そこは連絡してみないとなんとも。とりあえず連絡をしてみてから本人か、私から電話します」

 さて、電話は冷静にしたつもりだが、電話をしながらもだんだん興奮して来て、怒りが募ってくる。何で取付け工事をしたら水漏れが酷くなるのだ?保証部分ではなくでも工事の影響で不都合が出ているのだろう!いい加減な工事のせいだ、許さない、などと工事担当者と話してもいないのに想像たくましく、切歯扼腕して待っていると、5分もしないでその担当者から電話があった。

「すいません。とりあえずお伺いしてみてみないとなんとも言えませんのでお伺いします」

いたって軽く明るい声。

「いつ?」

「今、近くの家の工事が終わった所なんで30分もすればおうかがいできると思います」

で、30分もしないで玄関のチャイムがなった。

 

 給湯器を点検。外からは分からないので、管に巻いてある断熱材を切り開いて点検。

「すみませんご心配をかけて、でもここはうちでは触ってもいない所なんで、水道管の方のトラブルですが、少しネジが緩んでるせいかもしれません。締めてみます」

 と言って締めたが漏れは止まらない。

すると

「水道管の中かな?」

 と言って、指を入れて中からゴムパッキンを取り出した。

「これですかね。少し傷んでるようですので。取り換えてみます」

で、漏れは無くなった。

 要するにゴムパッキンの劣化が原因のようだ。そんなところにゴムパッキンがあるなど知らなかったが、そりゃあゴムなら15年も過ぎれば劣化するだろう。

この補修の間、この担当者さん。

 「工事の時ここは触ってませんから・・・・・・・」

という言葉を幾度となく繰り返した。つまりは自分のせいではない、加えてこれは水道管の問題だから修理の保証範囲でもない、という事を暗に主張している様子だった。

でも、取りつけ工事の後その連結部分にまかれたビニールテープは新しくなっていたし、断熱材も新しいようだった。ということは前のビニールテープは剥がしたということで、つまりトラブルの原因の連結部分を露出させて、何らかの行為に及んだことは確かであり、彼は工事の時そこに触った筈だ。つまり、「工事の時ここは触ってませんから・・・・・・・」という彼の主張は虚偽である、などと勉強はしなかったが、一応法学部を卒業した私としては今回の水漏れが工事せいであり、保証の範囲に入れろ、という事を主張するための論理構成を頭の中で組み立てていた。

すると、担当者氏

「どうも、治ってよかったですね。ここで駄目なら建物のなかの水道管を点検しないといけないので、そうすると壁を壊したりしてひと騒動だし、凄くお金もかかりますよ・・・・・それじゃ」

と車に乗ろうとする。

これからの事もある。後で請求書を送られても困る。私は念の為

「今回は補償の範囲なの」

と訊いてみた。

「水道管の方の問題ですので保証外ですが、良いですよこの程度は、部品は10円もしないし、無料でいいですよ。多分これで大丈夫ですが、暫く様子を見て、また何かあったら遠慮なく連絡してください」

と言って帰って行った。

ウーン、保証外という言葉が少し気にはなるが、良い人だし、まあ良いか。

 

 



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