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小惑星帯では初! 準惑星“ケレス”で水蒸気を検出

2014年01月29日 | 宇宙 space
小天体がひしめく小惑星帯で、最大の天体が準惑星“ケレス”です。
今回、この“ケレス”で水蒸気が検出されたんですねー
小惑星帯で水蒸気が発見されたのは初めてのことで、太陽系の水の歴史を知るうえで重要なことになります。
水蒸気を検出したのは、ヨーロッパ宇宙機関の赤外線天文衛星“ハーシェル”の観測からです。

1秒におよそ9キロの水蒸気が、凍った地表の2箇所を中心に放出されていて、
どうやら黒っぽい部分が太陽の光であたためられることによって、水が揮発しやすくなっているようです。

あるいは、氷が間欠泉のように噴き出している可能性もあるんですねー

準惑星“ケレス”は、火星軌道と木星軌道にはさまれた“小惑星帯”にある最大の天体で、直径はおよそ950キロあります。
その内部は、岩石の中心核と、氷のマントルの外側に分かれているようです。

これまで、“メインベルト彗星”と呼ばれる一部の天体が、小惑星帯にありながらガスやチリを噴き出す彗星のような活動を見せるので、小惑星帯に水分が存在すると考えられていました。
その水分が、水蒸気の形で検出されたはこれが初めてなんですねー
小惑星帯の天体に氷があるかどうかは、太陽系の歴史を理解するうえで重大な関心事です。

46億年前に太陽系が形成されたころ、
その内側は温度が高いので水が集まることはありませんでした。
水星や地球、火星など太陽に近い惑星に水がもたらされたのは、今から39億年前…
太陽から遠く離れた外側からやってきた、小惑星や彗星が次々と惑星に衝突した時のようです。

“ケレス”は、小惑星帯全体の質量の5分の1を占めるほどの天体なので、
今回の発見は、小惑星や彗星などの太陽系小天体だけでなく、地球の水の起源を知るうえでも重要なものになるんですねー

そして、同じように氷に覆われた天体に、木星の衛星“エウロパ”と土星の衛星“エンケラドス”があり、これらの天体でも水蒸気の放出が確認されています。
研究者は氷の表面の下には水があり、そこに地球外生命が存在する可能性があると考えています。
なので、“ケレス”にも期待が持てるんですねー

さらに、2015年初め頃には、今回の発見を間近で確かめるチャンスも訪れます。

小惑星“ベスタ”の探査を終えたNASAの探査機“ドーン”が、“ケレス”に向かっていているからです。
“ドーン”は、“ケレス”の上空から地表を観測するので、水蒸気放出のようすを詳しく伝えてくれかもしれませんね。