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モバライダー mobarider

岩石惑星とミニ海王星をわけるものは?

2014年01月14日 | 宇宙 space
太陽系の近くにある恒星、この恒星を回っている地球サイズの惑星には、
岩石を主体としたものと、ガスを主体としたものの2つのタイプがあることが、研究により明らかになってきました。

こうした地球サイズの惑星を、少なくとも1つ有している可能性がある恒星は、全体の4分の3以上もあるようです。
今回の研究対象になったのは、地球よりやや大きい程度の系外惑星です。

1995年、太陽系の近傍にある恒星の周囲を回る系外惑星の存在が報告され始めた頃には、見つかった惑星の数も少なく、大きさも木星と同程度かそれ以上の大きさのものばかりでした。

でも、今ではNASAの系外惑星探査衛星“ケプラー”からの観測データを使って、地球クラスの大きさの系外惑星についても、その組成が明らかになりつつあります。
これまでに発見された1000個以上の系外惑星のうち、237個は“ケプラー”によって発見されています。


今回の研究成果は、地球外生命の発見が期待できる惑星の範囲を、地球にかなり近いサイズにまで近づけたものです。
でも、新たな“ケプラー”のデータで報告された系外惑星には、液体の水や生命が存在するのに適した環境である“ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)”内を周回しているものは1つもなかったんですねー

それでも、今後地球外生命を探す人々の調査対象となる惑星が数多く存在することが分かったのは、この研究のプラスの面だと言えます。
と言うのも、“ケプラー”によって検出された「惑星でないか」と考えられている、未確定の天体が3538個もあるからです。
このうち約4分の3が地球サイズのようで、さらに恒星の約5分の1については、“ハビタブルゾーン”を周回している地球の1~2倍の大きさの惑星があるようです。


また、地球サイズの惑星を2つのカテゴリーに分ける境界線も判明しつつあります。

地球の1~4倍の大きさを持ち、スーパーアース(巨大地球型惑星)と呼ばれる系外惑星60個を対象とした研究では、海王星や天王星よりも膨大な量のガスに覆われていることも分ってきています。

さらに42個の系外惑星を対象とした別の研究では、地球の2倍前後のところで、惑星は2つのタイプに分かれることも分かってきました。

地球の2倍以下の大きさの惑星は、岩石が主体か、
あるいは、最外部の層を水素とヘリウムからなるガスの雲が覆っていて、ミニ海王星のようになっています。
一方、2倍以上の惑星の場合は、密度から言ってすべてガス主体の天体とみられています。
では、岩石主体のスーパーアースとミニ海王星をわけるものは何でしょうか?

基本的に、岩石からなる惑星は地球の2倍程度のサイズ以上にはなり得ないそうです。
それは、このサイズに達すると、さらに岩石が衝突しても圧縮度が高まり、惑星の密度が増すものの大きさが変わらないからです。

対照的に、ガス主体の惑星は希薄なガスによって風船のように膨らむので、ガスが増えるとどんどん大きくなるということです。
これら惑星の多くは、地球より気温が高いだけでなく、岩石の核を大量のガスが覆っているので、大気圧も極めて高くなっていると考えられます。

さらに、この種の惑星は、それらが主星誕生直後のガス円盤が、まだ主星を取り巻いている時期に形成された可能性が高いんですねー
一方、地球はもっと遅く、ガス円盤が消失した後に形成されたと考えられています。

ただ不思議なのは、私たちの太陽系に、このようなミニ海王星が存在しないこと…
まぁー 太陽系が恒星系として特異な例なのかもしれませんね。