宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

恒星と惑星の中間のような天体

2014年01月27日 | 宇宙 space
とてもめずらしい種類の褐色矮星が直接撮影されました。
このことは、恒星と惑星の中間の質量を持つ天体を研究する上で、指標となる成果になりそうなんですねー








“HD 19467”と、
その伴星の褐色矮星(矢印)





ノートルダム大学の研究チームが、太陽に似た恒星“HD 19467(エリダヌス座の7等星)”を、ハワイのケック1望遠鏡で17年間にわたって観測していました。
すると、継続的に加速が見られ、わずかな重力で恒星を振り回す伴星の存在が示唆されたんですねー

そして、2012年にケック2望遠鏡を用いて高コントラストで観測したところ、画像のような伴星が見つかりました。

褐色矮星は、いわば「恒星のなりそこない」のような天体です。
太陽の8%以下の質量しかないので、中心温度が低く水素の核融合が行われず、低温でくすぶっているんですねー
なので、今回見つかったT型矮星は、主星に比べて10万分の1以下の明るさしかありません。

距離は正確に分かっているので、波長ごとに分けた光の成分“スペクトル”の情報を使わなくても直接撮像から、この惑星の質量や軌道、年齢、化学組成といった重要な属性について絞り込むことができるんですねー

恒星と違い、惑星のスペクトルについては複雑で理解が進んでいないので、恒星と惑星の中間のような褐色矮星は良いサンプルになるそうです。

今後この“HD 19467 B”をさらに詳しく調べることで、惑星大気の理論モデルを確かめるなど、系外惑星についての理解が進むかもしれません。

地球タイプの惑星を直接撮像して、スペクトルも得ることができれば…
将来的には、その惑星の組成や質量、大きさや年齢などの情報が、まるごと分かるようになるようですよ。