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ロシアの新しい翼“ソユーズ2-1v”打ち上げに成功!

2014年01月01日 | 宇宙 space
TsSKBプログレス社は28日、“ソユーズ2-1v”ロケットの初打ち上げに成功しました。

ソユーズ、厳密にはR-7と呼ばれるロケットは、派生型をすべて含めると、これまでに1700機以上も打ち上げられてきたのですが、“ソユーズ2-1v”は機体構造を初めて抜本的に改良した、まったく新しいロケットなんですねー
“ソユーズ2-1v”は、12月28日にプレセック宇宙基地から離昇、ロケットは順調に飛行し約1時間40分後に搭載していた超小型衛星アーイストと、2機のSKRL-756を分離し、打ち上げは成功しています。

“ソユーズ2-1v”は名前こそソユーズなんですが、特徴的な4本のブースターがなくなり、第1段のメインエンジンがNK-33Aに換装されています。

MK-33は、かつてソ連が有人月面着陸を目指して開発していたN-1ロケットの第1段エンジンでした。

その後、N-1の計画中止に伴い表舞台から姿を消すのですが、近年になってその技術、性能が再評価されることになります。
そして、今回の“ソユーズ2-1v”や、
アメリカのアンタレスロケットの第1段に採用されることになるんですねー

打ち上げ能力は、地球低軌道に2.4トン、太陽同期軌道に1.4トンなので、いわゆる中型ロケットに分類されます。

第1段のMK-33の周囲にはステアリング・エンジンとして、ソユーズUロケットの第3段から派生したRD-0110Rエンジンが装備されています。
ただ、MK-33は数に限りがあるので、いずれはNPOエネルゴマシュ社が開発中のRD-193エンジンに切り替わる可能性があるそうです。

第2段にはソユーズ2-1bと同じRD-0124エンジンを持ち、さらにその上に、ヴォールガと呼ばれる上段が装備されます。

ヴォールガは、現在ソユーズの上段として使われているフレガードに取って代わるもので、ヤンターリと呼ばれる偵察衛星の推進部から派生したそうです。

ヴォールガは24時間の運用能力を持ち、複数回の再着火が可能なので、
中軌道から高軌道まで衛星を最適な軌道に、あるいは複数の衛星をそれぞれ異なる軌道に、正確に投入することができるんですねー
そして、ヴォールガは自身がスペース・デブりにならないように、自ら大気圏に再突入します。

今後、民間向けの通信衛星ガニェーツM1の打ち上げは、
ロコットロケットに取って代わり“ソユーズ2-1v”が担うようになる他、地球観測衛星アブソールの打ち上げも同機が担う予定です。

また、“ソユーズ2-1v”のパートナーとして、イギリスのSSTL社や韓国が同機に適合した小型衛星を提供するそうで、“ソユーズ2-1v”の今後の見通しはかなり明るいようですよ。