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彗星探査機 “ロゼッタ” 冬眠から復帰

2014年01月24日 | 彗星探査 ロゼッタ/フィラエ
今年の夏にチュリモフ・ゲラシメンコ彗星に接近し、史上初の着陸探査を目指すヨーロッパ宇宙機関の彗星探査機“ロゼッタ”が、
20日に冬眠モードから目覚めました。

冬眠中は、機体の温度を保つヒーターなど、必要最低限の機器以外をオフにしていた“ロゼッタ”は、20日の午後7時ころにセルフタイマーで起床。

方向を知るためのスタートラッカーの軌道や、姿勢の制御など、一連の復帰動作を自動で実行した後に、8億キロ以上離れた地球に向けてシグナルを送信したんですねー
シグナルは21日の午前4時18分に、ゴールドストーンとキャンベラにあるNASA深宇宙ネットワークのアンテナで受信され、“ロゼッタ”が無事目覚めたことを知ることになります。

今後しばらくは、来るミッションに備えて機体と、搭載装置のチェックなどを行い、
5月に目標のチュリモフ・ゲラシメンコ彗星を、
200万キロ彼方から初めて撮影する予定です。

ちなみに、冬眠モードから目覚めた“ロゼッタ”が送ったシグナルは、45分かけて地球に届いたそうです。

ヨーロッパ宇宙機関の“ジオット”が、史上初めてハレー彗星の核を間近にとらえてから28年。
今度は同宇宙機関の“ロゼッタ”が、史上初の彗星への着陸機投下ミッション行うことになるんですねー

8月にチュリモフ・ゲラシメンコ彗星に到着した“ロゼッタ”は、彗星とともに並走飛行(ランデブー)を開始。
そばを通過するだけのフライバイ観測でなく、彗星をランデブー探査するのは始めてのことで、
最初の2か月間で彗星表面を観測し、質量や形状、コマ(ガスとチリの大気)の分析を行います。
そして、これらの観測データをもとに着陸地点が決定され、11月には重量100キロの着陸機“フィラエ”が投下されるんですねー
幅4キロの彗星核は重力が小さいので、地表にネジを差し込んで“フィラエ”を固定し、
地表の高解像度撮影のほか、表面をドリルで削って氷を分析するなど、幅広い科学観測が行われる予定です。

“ロゼッタ”と“フィラエ”の観測は、2015年8月に彗星が太陽に最接近するまで続き、
太陽に近づいて活発になっていく彗星活動のようすを1年以上、現地で克明にとらえるんですねー
なので、まだ知られていない彗星の姿が見れるかもしれませんね。