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太陽活動の低下、地球への影響は?

2014年01月03日 | 太陽の観測
最近の太陽表面は、驚くほど穏やかな状態が続いていて、
黒点の数が20世紀のどの時期よりも少なくなっています。

この現象に興味を持つ科学者は、
それがこの地球上で何を意味するのかに思いを巡らせているんですねー

太陽活動の周期


黒点の数は、
およそ11年周期の太陽活動周期にあわせて増減し、
1日で突発的に増加した後に急激に活動が弱まり、
その後にまた活発になったりします。

でも、第24太陽活動周期と呼ばれる現在の周期は、
あまりにも不活発なので、科学者らを驚かせているんですねー

第24太陽活動周期が始まったのが2008年。
これまでに出現した黒点の総数は、
過去250年間に観測された平均値を大きく下回っていて、
実際に半数にも満たない状態… 最弱のサイクルになっています。

ただ、黒点から放射される強烈な電磁エネルギーは、
太陽の紫外線放射、太陽嵐などに重大な影響を及ぼします。

その太陽嵐は、
地球上の通信網や電子ネットワークを遮断する恐れがあり、
黒点活動は地球の気候にも影響を及ぼす可能性があります。

ひとつ前の第23太陽活動周期は2000年頃に極大に達し、
その後、同周期の活動は徐々に弱まり2008年には極小へ。
そして、科学者らはこの時点を、現周期の始まりとしています。

第23太陽活動周期の終わりに太陽活動が極小になったことで、
第24太陽活動周期が低調になると予測されたんですが、
現実には予測をさらに下回ることになるんですねー

第24太陽活動周期の初年度には、太陽活動は上昇するはずでしたが、
黒点が1個も出現しない日が合計で266日も観測されることになります。


長期におよぶ太陽活動低下期の始まり

さらに、第24太陽活動周期は、
もう1つ驚くべき点で標準から外れています。

太陽磁場は、通常は各11年周期の最後のあたりで、
北極と南極の磁場の性質が同時に反転し極性が変化します。

磁場の強度は、極性反転が起きている間はゼロ近くまで低下し、
極性が逆になると再び高くなることに。

でも今回は、今までとは異なることが起きていて、
すでに北極では、数か月前に極性が反転してしまったので、
現在は南極と同じ極性になっています。

この現象について心配はないないようですが、
  第24太陽活動周期が異常な周期になるのかどうか、
  現在の太陽活動の低下が、次のサイクルにまで長引くのかどうか
を見極めるには、まだ3~4年はかかるようです。

ただ、この現象は、
長期にわたる太陽活動低下期の始まりかもしれないんですねー

前回、同様の現象が発生したのが“マウンダー極小期”です。
“マウンダー極小期”は、17世紀半ば頃から18世紀前半頃に発生していて、
この期間も、黒点がほとんど観測されませんでした。

この期間の地球上では気温が急激に低下し、
欧州と北米でいわゆる小氷期が起きています。

なので、黒点の数が少ない状況がさらに続くと、
地球の気候が再び影響を受ける可能が出てくることになります。

でも地球温暖化のおかげで、
再び氷河期に見舞われる可能性は低く、事態はまだ寒冷化に向かっていません…

ひょっとすると「それほど速やかに黒点の数が上昇していない」
だけなのかもしれませんね。


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