MIZUNO Katsuya

STEP WORLD LL日進駅前教室 代表講師のブログ

「やる気がない?」「分かってない?」

2018-11-08 01:46:39 | 英語教室

 保護者様から、このようなご相談を頂く事があります。

「やる気がない?」

 意外なことに、教室では「やる気満々」でやっているお子様の保護者様からも、「うちの子はやる気がない」と伺うことがよくあります。しかし、お子様が楽しく元気に教室に通ってくれているのであれば、特に問題はありません。

 確かに、お家ではやる気がないように見える時もあると思います。特に、高学年になってくると、保護者様の前では、やる気が無いように見えることもよくあることです。実際にやる気がない場合もあると思います。年齢的な事や部活などで疲れている事がその一因だと思います。

 そんな時、もっとやる気を出して!」「もっと前向きに取り組んで!」と“押しつけ”ても逆効果です。「風と太陽」の話と同じです。

 ある生徒がこんなことを言っていました。「『勉強をやろうかな』と思っている時に、母(かー)さんから『勉強やれ』と言われると、やる気がなくなるんだよね…。」

 私は、もしもやる気がないように見えても、又は、本当にやる気がなくても、心の底では多くの皆さんが、「勉強をやらなければならない」という気持ちを持っていると思います。なかなかやる気は表には出てこないのです。それが普通だと思います。

 そこで周りの大人(保護者様や先生)がやるべきことは、身近な目標、そして、将来への夢を与えて、「やる気を出してもらう」ような雰囲気や状況を創ることだと思います。もしも、本当にやる気が無い場合ならば、それで少しはやる気が生まれてくる可能性はあります。やる気がある場合ならば、さらに「やる気満々」になってくれると思います。

 人は、どうしても悪い所ばかりが目について、良い所を見つめることを忘れがちになってしまいます。しかし、出来ていない事を探すよりも、出来ている事を探して、それを認めてあげた方が、絶対に良い効果が出て来るはずです。

「分かっていない?」

 「うちの子は英語が分かっていない」というお声を伺うことがあります。私から見て、かなり良くやっているお子様の保護者様から伺うことも少なくはありません。

 もしもこの「分かっていない」ということを、日本語に訳すことが出来なくて、文法を理解していないということをいうのであれば、それは適切ではありません。その英語が意味する概念・イメージがつかめていれば、それで良いのです。特に小学生の場合です。

 確かに、中学生や高校生の場合は、日本語訳をすることが出来て、文法の理解もある程度は必要です。そこで、教室でもその指導を行います。しかし、中高生であっても、文法をしっかりと出来る生徒が、「英語が得意か?」というと、必ずしもそうではありません。

 実際、例えば、高1までに2級(高校修了レベル)に合格している生徒(仮名:Aさん)に、文法的なことを突っ込んで質問すると、必ずしも正確な答が返ってこないことがあります。日本語訳でも同様です。

 逆に、高校生レベルの文法理論を明快に答えることが出来て、日本語訳もかなり正確に答えることが出来る生徒(仮名:Bさん)は、読解力やリスニング力が高いか?というと、必ずしもそうではありません。

 英語の読解やリスニングでは、良い意味での感覚が必要で、文脈(話の前後関係)で語彙の意味や内容を推測する能力が必要です。理屈だけで考えていても、読解力やリスニング力を身に付けることは出来ません。Bさんタイプは、「木を見て森を見ず」になっていることがよくあります。

 実は、英検などの各種試験では、文法問題の割合よりも読解問題の割合の方が大きいです。 (英検には、リスニング試験やライティングテストがあることは、何度もお伝えしている通りです。)

 つまり、一見、文法や語彙が分かっていないように見えるAさんタイプの方が、Bさんタイプよりも、結果的にテストでの点数が高いことはよくあることなのです。さらには、「将来にも役に立つ英語力」が身に付いている可能性が高いはずです。

  実際、2020年度高3生の大学入試から制度が変わります。時代の流れは、教室が目指している方向に進んでいます。昔ながらの方法に逆戻りはしません。これからは、当教室で行っている学習方法がさらに役に立ってくるはずです。

 そこで、「“分かっている”&”分かっていない”の判断基準とは、一体何なのか?」ということを考え直してみる必要があります。

<補足>

 もちろん、上記のように教室では、文法を無視している訳ではなく、中高生のクラスでは、その指導も行っていることは、再度付け加えておきます。教室での文法指導は、出来るだけシンプルに行うようにしていますので、普通よりは分かりやすいはずです。つまり、文法の力も一般的な学習方法よりも付いているはずです。

 また、文法も読解&リスニングの全てにおいて極めて高いレベルの生徒もいます。ただ、文法よりも読解&リスニングの方が得意な生徒の方が、文法の方が読解&リスニングよりも出来る生徒よりも、総合力において優れているというのは、ほとんどの場合に当てはまります。

「うちの子は付いて行っているでしょうか?」

 「うちの子は付いて行っているでしょうか?」というご質問については、CD学習や宿題をほぼやっているのであれば、大丈夫です。もしもやっていない場合は、まずはいつも伝えしているように、やるべき事をしっかりとやり続けることが必要です。そして、ここでお伝えした事を参考にして頂き、お子様に接していたければ幸いです。

 よろしくお願い申し上げます。

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