「えっそういう意味じゃないんだけどな... 」
・・・皆さんは、「自分の言ったことが相手にうまく通じていない」ということはありませんか? 私は、日常生活でも教室でも、様々な場面で経験しています。私が授業で「敢えて教えない」ことを心掛けているのは、それが理由の1つです。
以下の文章は、LL日進駅前教室誕生の前年である1996年に、私が書いたものです。随分前の文章ですが、ここにご紹介させて頂きます。
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多くの皆さんが英検を受験しています。英検は、実際に英語が使われる場面を想定し、そこでの英語運用能力を客観的に知るための試験です。しかし、言語能力においては試験では評価をすることの出来ない部分があると思います。
英語は、当然言葉です。言葉とは、多くの人々とコミュニケーションを図るための重要な手段です。コミュニケーションがうまく行われないと、お互いの関係もうまく行きません。
言葉は非常に難しいのです。話し手は、自分の意図していることを言葉という信号に置き換えます。しかし、必ずしも、話し手の意図している通りに情報が伝達されるとは限りません。話し手は、自分の意図していることを正確な言葉に置き換えているとは限らず、聞き手も、その信号を自分の価値観を通して理解しようとするので、誤解が生じることがあるのです。
このことは、日本語の出来る日本人同士でも当然生じることで、ましてや、外国の人々との関係ならば、さらに十分注意をしなければなりません。
私たちは、コミュニケーションを図るためには、相手の真意を聞こうとする謙虚な態度が必要なのです。(私も含め、それは非常に難しいことです。)
英語学習においては、英検などの学習を通じて「聞く」「話す」などの技術的な能力を高めてゆくことは当然です。しかし、それと同時に、“ことば”に必要なのは、試験では評価をすることの出来ない、コミュニケーションを図ろうとする「こころ」です。
<追伸>
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「敢えて教えない」
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