基礎を馬鹿にしないこと
教室では、基礎的なことでも繰り返し何度も口頭練習(音読練習)をしたり、自宅学習としてワークなど書く作業の他、CD(音声)学習があります。(小学生以下の授業では、楽しく学習することができるように、“ゲーム化”しています。)基礎的な事を繰り返し練習するのは、「分かる」と「使うことができる」は、別の問題だからです。
基本文やTarget Sentenceを完全に覚えて、英語がスラスラと口から出て来る位に、体に染み込ませることは大切です。このような学習をしていると、その応用が効くようになります。そして、試験の時にも、基本文が頭に入っていれば、似たような文が出てきた時には、「ピーン」と答えがひらめきます。
例えば、大学入試でも、よく見ると中学生の基礎的なことがたくさん隠れています。しかし、高校生の皆さんは、中学校の基礎が頭から抜けてしまっているのか、それに気が付かず、妙に難しく考えてしまうことがあります。また、英検ライティングでも、中学レベルの基礎的なミスをしていることもあります。
つまり、「分かった」だけのレベルで終わっていると、なかなか応用が効かず、「使う」ことが出来ません。(試験だけではなく、実際の場面でも「使う」ことは出来ません。)
まねることの大切さ
皆さんは、まねることが悪いことだと思いますか?
スポーツや芸術など様々な分野の超一流の人たちでも、真似をしているようです。
例えば、メジャーリーガーの大谷選手は、チームメイトの真似をしてコミュニケーションを図っていると報道されています。これには、別の意味もあると思います。真似をすることによって、他の選手の良い所を研究しているのだと思います。
実際、大谷選手はイチロー選手や松井秀喜選手に尊敬の念を持っていて、「真似をした」という言葉が適切かどうか分かりませんが、プレースタイルを研究したようです。
他にも超一流のアスリートやアーティストが語ったこのような言葉があります。
「真似することは、恥ずかしいことではなく、むしろ成長のチャンス。」
「真似することで、自分のものにし、個性が出てくる。」
「真似することで、自分の可能性を広げることができる。」
つまり、何の工夫もなく“パクる”のは良くないですが、他の人の良いところを自分に合うように上手く取り入れて、自分を磨くのに役立てることは必要なことだと思います。
英語学習について言えば、スポーツや芸術以上に真似をしなければ上達しません。モデル音声の真似なしでは、正しい発音や言い回しを身に付けることは不可能です。真似をするモデル音声は、まず教材の音声、先生の英語です。ネイティブの人の英語、英語の映画のセリフ、英語の歌なども良いです。イントネーション、個々音、リズム、表現など、モデルの様に言うことが出来るように練習しましょう
特別なこと
上記のように、基礎的なことをおろそかにしないで、やり続ける、そして、参考になる良いお手本があれば、それを真似る・・・これらはとても大切なことです。それは、英語学習を含めて、様々なことを進める上での「基本」=「あたりまえ」のことだと思います。
そのような「基本」を地味でつまらないものと思ってはいけません。例えば、超一流のアスリートは、基本をとても大切にした結果、あのファインプレーが生まれて、素晴らしい成績を残すことが出来るのだと思います。
つまり、教室では、平凡で何の特徴も無いことを目指しているのではありません。「あたりまえ」を確実にこなした結果に生まれてきた「特別なこと」を目指しています。
英語学習で簡単に身に付く魔法のような方法はありません。そんな方法があったとしたら、自分の周りに英語の達人が溢(あふ)れているはずです。皆さんの周りに英語の達人が何人いますか?
「あたりまえ」をコツコツやり続けていると、いつか今の自分からは想像もつかないところにたどり着いています