サイエンス好きな男の日記

気が向いたときに、個人的なメモの感覚で書いているブログです。

ミュージックセキュリティーズの関連ファンドの分析と戦略(2013.5)

2013-05-03 16:25:13 | 匿名組合

前回、音楽ファンドについての分析を行いましたが、今回は関連ファンドの分析です。

償還済みファンドは以下に掲載されています。

http://www.musicsecurities.com/fund/refund.php

2013年5月1日時点では、関連ファンドは19件でした。

利用した情報は次の通りです。

会計期間: いわゆる運用期間のことです。
実績年利回り: ファンドでは、トータルの実績利回りが掲載されていますが、それを会計期間をもとに年利換算を行った利回りを実績年利回りとしました。
目標年利回り: 5件の関連ファンドでは目標利回りが掲載されていましたので、その値をもとに、年利換算を行った利回りを目標年利回りとしました。

以下、結果です。

■関連ファンド

ファンド件数:19件
実績年利回り:-0.2% (標準偏差:5.5%)
中央値:0.8%
最小値:-18.4%
最大値:7.2%

以下が関連ファンドのヒストグラムです。

これは、横軸の年利回り±1%の範囲にあるファンド件数を縦軸としたヒストグラムです。つまり、上記では、0-2%の間にあるファンド件数が7件でした。全体の3.7割が、この利回りの範囲に入っています。平均値が-0.2%と、マイナスになってしまっていますが、2件のファンドが足を引っ張ってしまっているのでしょう。

音楽ファンドと比べると散らばりは少なく、それほど当たり外れはないものの、平均が -0.2% ですから投資対象としては面白みがありません。

音楽ファンドと違って、まだ件数が多くないため、プラスとなるファンドの傾向を見つけることはやめます。

 

■関連ファンドの戦略

次に、関連ファンドの戦略を考えてみます。

出資を判断する指標として、目標利回りを考えます。

現在募集中の関連ファンドでは事業計画としての目標利回りが掲載されているファンドが多いのですが、償還済みファンドには目標利回りがないファンドの方が多かったです。しかし、以下の5つについては掲載されていました。

・TRF1/(TheMadoyGrill)
・TRF2/軍鶏郭 茶寮(横浜)
・TRF3/m.m(横浜)
・my pandaファンド
・mai mai 雑穀おにぎりファンド

そこで、これらファンドの目標年利回りと実績年利回りとの違いを見てみます。

以下は、5つのファンドに対して横軸に目標年利回り、縦軸に実績年利回りをプロットしたグラフです。

 

サンプルが少ないものの、なかなか目標通りにはいかないようです。目標が5%もあるファンドだから、多少悪くても実績がマイナスになることはないだろうという甘い考えで投資をすると、痛い目にあうかもしれない、という教訓ですね。

少なくとも現状は、目標と実績の年利回りの相関関係が負なので、残念ながら目標年利回りは出資の判断には使えそうもありません。

 

そこで、関連ファンドでよく出資者特典というものがあり、これを考慮したいと思います。

関連ファンドの標準偏差は 5.5% で平均はほぼ 0% です。したがって、関連ファンドの実績年利回りの件数が正規分布に従うなら、-5.5% 以上のファンドの割合は、84%(=34%+50%) です。

実際、-5.5% よりも実績年利回りが高いファンドは17件であり、全体の89%でした。

多少のリスクはあるものの、出資者特典が 5.5%以上の価値があれば、”償還された出資金+特典”が”出資金”以下となるリスクはかなり少ないといえます。

地域密着型のファンドも多いようですので、必ずしもその恩恵を受けられないこともある(そのお店でしか使えない商品券やそのお店で受け取ることが条件のプレゼントなど)でしょうし、自分には興味のない特典だったりすることもあるでしょう。

関連ファンドに対する戦略としては、目標利回りはあてにせず、利回り0%の運用と考え、出資者特典で選ぶべき。運が悪ければ、5%程度の目減りがあることを想定し、出資者特典の価値が5%以上であれば投資の検討価値ありと判断する。

 

 

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ミュージックセキュリティーズの音楽ファンドの分析(2013.5)

2013-05-03 13:59:26 | 匿名組合

ミュージックセキュリティーズというファンド運営会社があります。

http://www.musicsecurities.com/

以前から知ってはいましたが、利回りによってはマイナスとなるものもあり、あまり検討したことはありませんでした。しかし、最近マネオでの運用が難しくなってなってきたこともあり、新たな投資先を探していたところ、この会社のファンドを詳しく調べてみました。

音楽ファンドを通じて、音楽をもっともっと自由に楽しんで頂きたい、という想いで設立されたようですが、最近は、音楽以外でも、被災地応援ファンドや関連ファンドなど、何種類かのファンドがあるようです。

すでに償還済みのファンドについては、実績利回りやファンド情報が公開されています。それらの情報をもとに、どういったアプローチがこれらのファンドには有効か調査しました。

償還済みファンドは以下に掲載されています。

http://www.musicsecurities.com/fund/refund.php

今回は、これら償還済みファンドの中で、音楽ファンドを対象とします。

2013年5月1日時点では、音楽ファンドは52件でした。これらのファンドを対象に分析しました。

利用した情報は次の通りです。

会計期間: いわゆる運用期間のことです。
実績年利回り: ファンドでは、トータルの実績利回りが掲載されていますが、それを会計期間をもとに年利換算を行った利回りを実績年利回りとしました。

以下、結果です。

■音楽ファンド

ファンド件数:52件
会計期間:1.7年
実績利回り:6.2% (標準偏差:13.1%)
中央値:0.7%
最小値:-22.4%
最大値:55.0%

以下が音楽ファンドのヒストグラムです。

 

 これは、横軸の年利回り±1%の範囲にあるファンド件数を縦軸としたヒストグラムです。つまり、上記では、0-2%の間にあるファンド件数が21件でした。全体の4割が、この利回りの範囲に入っています。平均値が6.2%であり、全体としてはプラスとなったファンドが多いようです。

プラスとなったファンドとマイナスとなったファンドの違いは何か、と調べていたところ、原因ははっきりわかりませんが、会計期間と関連がありそうです。

横軸に会計期間、縦軸に年利回りをプロットすると、以下となりました。

会計期間が1.5年未満の年利回りはすべて0%以上であり、その平均は10.0%でした。

投資対象として考える場合、利回りが負となった実績がないのは精神的にも良いですね。

しかし、なぜ会計期間が短いと年利回りが良いのでしょうか。
会計期間はどのような要因で決まるのでしょうか。

と考えていたら、どうも音楽ファンドの募集は今はしていないようですね・・・

募集していないのにこれ以上考えても仕方がないので、ここまでとします。

 

 

 

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maneoのための三菱東京UFJ銀行銀座支店の口座開設

2013-04-25 17:49:37 | 匿名組合

maneoからの振り込み手数料は、三菱東京UFJ銀行銀座支店の場合にのみ無料でできるということなので、その支店での口座を開設しています。

口座開設希望店は、原則として自宅または勤め先の近くの支店ということですが、私の場合どちらにも当てはまらないため、口座ご利用目的を記入する欄に

「資産運用。運用先からの振り込み手数料が無料となる銀座支店の口座開設をお願いします。」

と記載したところ、銀座支店で開設できました。

 

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maneoが倒産した場合の出資金について

2013-04-24 23:00:55 | 匿名組合

もう今となっては心配はいらないでしょうが、以前は maneo は赤字であり、maneoが倒産した場合に、ボロワーからの返済やローン案件への出資金がどうなるのか心配していた時期がありました。

その時に役に立ったQ&Aを以下にメモとして残しておきます。

maneoの投資物件
【UBI株式会社第3弾】『白金エリア』マンション購入資金 不動産担保付ローンへの投資
でのQ&Aから。

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【質問】

現在UBI社のデフォルトリスクよりも
maneo社の倒産リスクを恐れていて、大きな投資を躊躇しています。

リスク説明には、maneo社が倒産した場合「お客様が預けたお金が返ってこないおそれがあります。」とあり、
更にレンダーからの催促は出来ないとも記述されています。

仮にmaneo社が倒産した場合、こちらのローンの返済は完全に止まってしまうのでしょうか?

また継続されるとして、その後の返済はどのように行われるのでしょうか?

ご回答の程よろしくお願いします。

 --------------------------------------------------------------------------------------

【回答】

ご質問対しては、UBI社とmaneo社から回答させていただきます。


【UBI社より】

UBI株式会社、代表取締役の竹内泰光です。
この度は、当社への投資をご検討いただき、ありがとうございます。

maneo社の倒産リスクについてですが、
本年の4月に当社グループの一員となりました。

maneo社は黒字化しましたが、同社の財務内容は、未だ磐石とまでは言い難い部分もあり、
ご懸念の件は他の多くのレンダー様も同様の危惧を持たれているのではないかと理解しております。

私どもUBI株式会社は、グループ化した以上、
多くのレンダー様に、当社として責任を負っていると考えています。

maneo社が多くのレンダー様に支えられて事業展開していることを十分に理解しており、
万が一、同社が倒産した場合の責任についても負わせて頂く覚悟でグループ化しております

maneo社は、ボロワーとレンダーの、いわゆるマッチングビジネスに従事しておりますので、
そのような意味では、黒字化した限り、倒産のリスクは低いと言ってよろしいかと考えます。

下記、maneo社の回答文中にあります、万が一の際の破産費用につきましては、
そのようなことが起きた場合は、その費用につき当社が負担いたしたいと存じます。

UBI株式会社
代表取締役 竹内泰光


【maneo社より】

このたびは弊社案件への投資をご検討いただきまして、
誠にありがとうございます。


まずは弊社の倒産リスクに関して説明させていただきますと、
お陰様で、弊社は本年度に入りまして黒字経営に転換しました。

4月以降、ずっと黒字を継続しております。
従いまして、弊社の倒産リスクというのはかなり減少していると考えております。

次に、レンダー様による催促ができないというのは、
ボロワーに対する直接の取立行為はできないという意味であり、
maneoに対しては当然出資金の返還請求は可能です。

そして、弊社が倒産した場合にボロワーの返済がどうなるかと申しますと、
ボロワー自体の返済義務が消滅するわけではなく、ボロワーによる返済は行われます

そして、弊社が蓄積した利益と返済された元利金を原資に、
各債権者(レンダー様もここに含まれます)への分配が行われます

この分配割合や方法に関しては、破産管財人によって決定されますが、
弊社の場合、債務というのは(レンダー様からお預かりしている出資金以外は)、
人件費とオフィス家賃とサーバ費用および細かい経費支払くらいです。

これは、少なくとも現時点では今年度から蓄積できている利益の範囲で
支払い可能な水準です。

従いまして、あくまで現時点でのお話となりますが、
現時点で弊社が倒産した場合、返済された元利金から破産管財人への支払報酬を除いた額くらいが、
レンダー様へ分配可能な金額になるかと存じます。

以上がご回答となります。


maneo株式会社
妹尾 賢俊

(更新:2011/8/12 19:38)

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AQUSHに対する分析と戦略

2013-04-07 15:50:15 | 匿名組合
久しぶりに記事を投稿します。

ソーシャルレンディングではこれまで maneo で運用していましたが、成立するのが早くて
参加する機会を逃してしまうこともあり、AQUSHにも参戦することにしました。

AQUSHはその運用開始から注目していましたが、maneoの初期のころのように個人を
対象としたローンであったため、貸し倒れの情報がある程度収集できるまで待っていた、
ということもあります。

収集した情報をもとに AQUSH に対する戦略(ちょっと大げさですが)を検討した結果、
以下の方針にします。

・グレード AA および A のみ。B, C, D には出資しない。
・金利は 7 - 9 % 程度


用いた情報は以下の通りです。
①AQUSHグレード毎の貸付実行の割合
②AQUSHグレードにおける金利毎の貸付実行の割合
③運用利率
④AQUSHグレード毎の貸し倒れ率

①と②はAQUSH年間データ(2010年から2012年)、④は問い合わせました。

①と②から約定利率がわかります。また、営業報酬は常に1.5%です。

以上から

     初年度 2年目 3年目
約定利率:9.18% 8.94% 7.86%
営業報酬:1.50% 1.50% 1.50%
運用利率:7.7% 5.4% 4.3%
貸倒  :0% 2.0% 2.1%

上記の"貸倒"は、約定利率 - 営業報酬 - 運用利率 から求めました。
つまり、貸し倒れによって、運用利回りがどの程度低下したか、を示します。
初年度は、まだ貸し出しを開始したばかりであり、遅延はあったとしても
貸し倒れまでは行かなかったのでしょう。ようやく運用ターンである3年を
経過して貸し倒れの影響が見えてきた感じです。

また、2年目と3年目で運用利率が下がったのは、4%のASAXローンが
開始されたためだと、AQUSH年間データにも説明があります。2年目で
運用利率が下がったことについてはAQUSH年間データには触れていませんが、
貸し倒れの影響だといいづらかったのかもしれません。


次に、AQUSHグレードごとの影響を検討します。

④AQUSHグレード毎の貸し倒れ率 は、2012年3月の時点では、
AA: 0%, A: 0%, B: 1.27%, C: 1.27%, D: 0.42% とのことでした。
(金額ベースか件数ベースかはわかりませんが、どちらも大差は
ないので、金額ベースと仮定します。)

①AQUSHグレード毎の貸付実行の割合 から各グレード毎の貸倒率が計算できます。
その結果、

AA A B C D
約定利率:6.54% 6.99% 7.74% 9.34% 9.87%
営業報酬:1.50% 1.50% 1.50% 1.50% 1.50%
期待運用:5.04% 5.49% 6.24% 7.84% 8.37%
貸倒利率: 0% 0% 5.71% 7.51% 3.01%
実質運用:5.04% 5.49% 0.53% 0.33% 5.36%

※ 期待運用 = 約定利率 - 営業報酬
※ 実質運用 = 期待運用 - 貸倒利率
※ 貸倒利率 = ④AQUSHグレード毎の貸し倒れ率 / ①AQUSHグレード毎の貸付実行の割合

となります。

AQUSHが開示している予測貸倒率は、
0.8%, 1.6%, 3.2%, 6.4%, 8.0% ですので、グレードCだけが予測よりも悪い状況です。
グレードDは3.01%であり、BやCよりも低いのは意外でした。

上記はあくまで平均ですので、上記の貸倒率の実績を加味してBやCにも
投資するという考えもありますが、AAやAよりも高くなくては意味がないとすると、
約定利率はBでは13%以上、Cでは15%以上にもなり、ほとんど不可能でしょう。
BやCに投資するくらいなら、まだグレードDのほうがいいですね。
それでも13%以上でないとうまみが少ない。

したがって、結論としては、AAおよびAのみへの投資とすべきでしょう。
約定利率は他の投資先やAQUSHへの投資リスクとの兼ね合いで決まりますが、
私は約定利率は少なくとも7%はほしいと思っています。


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